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三章【転校生襲来】

お前ら急に息合わせるな下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。ウィルソンさんがお仕事にお戻りするそうなので、屋敷の案内は私が引き続き行っています。


「此処が図書室ですね」


「うん、やっぱり広いね」


「そうですね。世界の様々な地域から集められた本達です。3分の1ほどは別邸の方に移っていますが」


それでもかなり膨大な量ですね。彼方もかなり数が多いですが、やはり此処とは比べ物になりません。恐らくテオが見たら吃驚しますね。


「色んな本があるね」


「はい。童話や物語から、医学書や法律書まで幅広くあるそうです。偶に孤児院の方々などに向けて開放しています。古くなったものを図書館や学校に寄贈したりもしてますね」


「ローゼリッタ家は本当に色々しているんだ」


ほとんどがアリアの案らしいですよ。ヴィンセントさんも言っていましたが、アリアの出す案は従来の決まりや風習に囚われない自由で平等な考え方だと。事実僕もそう思いますし」


それは私の経験談とただの自己満足をお父様達に何気無く話したら採用されてただけなんですけれどね…それが役に立っているのなら万々歳ですが。


「…ねぇ、アリアは家を継ぐの?」


「…?そうですね。私としては継いでいきたい所です。まだまだ勉強は必要ですけれど」


「そうか…うん、きっと君が当主になったらローゼリッタ家はもっと大きくなるね」


先生は何でそんな風に断言するのでしょうか?今の所、私が家を大きく出来る気はしませんけれど…


「きっとカインやシュテル、ミアにアリア。この4人の家の力は大きくなると思うな。学園での生活とかを見てるとね」


「僕もですか?」


「うん。ミアは騎士になりたいって言ってるよね。その目標に向かって真摯に打ち込んで、アリアやマーガレット…幼馴染の為にこうやって動ける。それはとても大切な事だからね」


先生はミアの次に私に目を向けました。そして優しい笑顔で口を開きます。


「アリアは何より人の為に動く。自分を蔑ろにするのはダメだけどね?でも、階級制度を考えないで案を出すって言うのは簡単に出来る事じゃない。緩和されたとは言ってもまだ根強く残っているものだからね。だからこそ、大人達は皆、アリアが出す様な考えを聞くと驚くんだ」


「成程…」


「先生、お詳しいんですね」


「これでも一応経営学とかは得意でね。私には兄が居たから当主にはならなかったけど。でもこう言った貴族の動きには興味があるよ」


だからこんなに言葉がスラスラ出て来てたんですね。この人本当に博識ですよね。普段からもう少し真面目にすれば良いのに…


「あ、そろそろアリアを休ませないと」


「そうだね。アリアの部屋に行こうか。しっかり休んで貰わないと」


「…そうですね」


貴方達今まで興味深そうに話してたのに一瞬で話題変えましたね?何でそう言う時は息ピッタリなんですか…


〈〈〈お前ら急に息合わせるな下さい!!〉〉〉
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