149 / 232
三章【転校生襲来】
お前ら急に息合わせるな下さい
しおりを挟む
皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。ウィルソンさんがお仕事にお戻りするそうなので、屋敷の案内は私が引き続き行っています。
「此処が図書室ですね」
「うん、やっぱり広いね」
「そうですね。世界の様々な地域から集められた本達です。3分の1ほどは別邸の方に移っていますが」
それでもかなり膨大な量ですね。彼方もかなり数が多いですが、やはり此処とは比べ物になりません。恐らくテオが見たら吃驚しますね。
「色んな本があるね」
「はい。童話や物語から、医学書や法律書まで幅広くあるそうです。偶に孤児院の方々などに向けて開放しています。古くなったものを図書館や学校に寄贈したりもしてますね」
「ローゼリッタ家は本当に色々しているんだ」
「殆どがアリアの案らしいですよ。ヴィンセントさんも言っていましたが、アリアの出す案は従来の決まりや風習に囚われない自由で平等な考え方だと。事実僕もそう思いますし」
それは私の経験談とただの自己満足をお父様達に何気無く話したら採用されてただけなんですけれどね…それが役に立っているのなら万々歳ですが。
「…ねぇ、アリアは家を継ぐの?」
「…?そうですね。私としては継いでいきたい所です。まだまだ勉強は必要ですけれど」
「そうか…うん、きっと君が当主になったらローゼリッタ家はもっと大きくなるね」
先生は何でそんな風に断言するのでしょうか?今の所、私が家を大きく出来る気はしませんけれど…
「きっとカインやシュテル、ミアにアリア。この4人の家の力は大きくなると思うな。学園での生活とかを見てるとね」
「僕もですか?」
「うん。ミアは騎士になりたいって言ってるよね。その目標に向かって真摯に打ち込んで、アリアやマーガレット…幼馴染の為にこうやって動ける。それはとても大切な事だからね」
先生はミアの次に私に目を向けました。そして優しい笑顔で口を開きます。
「アリアは何より人の為に動く。自分を蔑ろにするのはダメだけどね?でも、階級制度を考えないで案を出すって言うのは簡単に出来る事じゃない。緩和されたとは言ってもまだ根強く残っているものだからね。だからこそ、大人達は皆、アリアが出す様な考えを聞くと驚くんだ」
「成程…」
「先生、お詳しいんですね」
「これでも一応経営学とかは得意でね。私には兄が居たから当主にはならなかったけど。でもこう言った貴族の動きには興味があるよ」
だからこんなに言葉がスラスラ出て来てたんですね。この人本当に博識ですよね。普段からもう少し真面目にすれば良いのに…
「あ、そろそろアリアを休ませないと」
「そうだね。アリアの部屋に行こうか。しっかり休んで貰わないと」
「…そうですね」
貴方達今まで興味深そうに話してたのに一瞬で話題変えましたね?何でそう言う時は息ピッタリなんですか…
〈〈〈お前ら急に息合わせるな下さい!!〉〉〉
「此処が図書室ですね」
「うん、やっぱり広いね」
「そうですね。世界の様々な地域から集められた本達です。3分の1ほどは別邸の方に移っていますが」
それでもかなり膨大な量ですね。彼方もかなり数が多いですが、やはり此処とは比べ物になりません。恐らくテオが見たら吃驚しますね。
「色んな本があるね」
「はい。童話や物語から、医学書や法律書まで幅広くあるそうです。偶に孤児院の方々などに向けて開放しています。古くなったものを図書館や学校に寄贈したりもしてますね」
「ローゼリッタ家は本当に色々しているんだ」
「殆どがアリアの案らしいですよ。ヴィンセントさんも言っていましたが、アリアの出す案は従来の決まりや風習に囚われない自由で平等な考え方だと。事実僕もそう思いますし」
それは私の経験談とただの自己満足をお父様達に何気無く話したら採用されてただけなんですけれどね…それが役に立っているのなら万々歳ですが。
「…ねぇ、アリアは家を継ぐの?」
「…?そうですね。私としては継いでいきたい所です。まだまだ勉強は必要ですけれど」
「そうか…うん、きっと君が当主になったらローゼリッタ家はもっと大きくなるね」
先生は何でそんな風に断言するのでしょうか?今の所、私が家を大きく出来る気はしませんけれど…
「きっとカインやシュテル、ミアにアリア。この4人の家の力は大きくなると思うな。学園での生活とかを見てるとね」
「僕もですか?」
「うん。ミアは騎士になりたいって言ってるよね。その目標に向かって真摯に打ち込んで、アリアやマーガレット…幼馴染の為にこうやって動ける。それはとても大切な事だからね」
先生はミアの次に私に目を向けました。そして優しい笑顔で口を開きます。
「アリアは何より人の為に動く。自分を蔑ろにするのはダメだけどね?でも、階級制度を考えないで案を出すって言うのは簡単に出来る事じゃない。緩和されたとは言ってもまだ根強く残っているものだからね。だからこそ、大人達は皆、アリアが出す様な考えを聞くと驚くんだ」
「成程…」
「先生、お詳しいんですね」
「これでも一応経営学とかは得意でね。私には兄が居たから当主にはならなかったけど。でもこう言った貴族の動きには興味があるよ」
だからこんなに言葉がスラスラ出て来てたんですね。この人本当に博識ですよね。普段からもう少し真面目にすれば良いのに…
「あ、そろそろアリアを休ませないと」
「そうだね。アリアの部屋に行こうか。しっかり休んで貰わないと」
「…そうですね」
貴方達今まで興味深そうに話してたのに一瞬で話題変えましたね?何でそう言う時は息ピッタリなんですか…
〈〈〈お前ら急に息合わせるな下さい!!〉〉〉
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
あれ?なんでこうなった?
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、正妃教育をしていたルミアナは、婚約者であった王子の堂々とした浮気の現場を見て、ここが前世でやった乙女ゲームの中であり、そして自分は悪役令嬢という立場にあることを思い出した。
…‥って、最終的に国外追放になるのはまぁいいとして、あの超屑王子が国王になったら、この国終わるよね?ならば、絶対に国外追放されないと!!
そう意気込み、彼女は国外追放後も生きていけるように色々とやって、ついに婚約破棄を迎える・・・・はずだった。
‥‥‥あれ?なんでこうなった?
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】死がふたりを分かつとも
杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」
私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。
ああ、やった。
とうとうやり遂げた。
これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。
私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。
自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。
彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。
それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。
やれるかどうか何とも言えない。
だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。
だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺!
◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。
詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。
◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。
1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。
◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます!
◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる