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三章【転校生襲来】

お前らちょっと待っとけ下さい

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皆様おはようございます。アリア・ローゼリッタです。一応昨日マギィ達と別れた後職員室へ向かったついでに帝王学の教師のアミス先生にマギィの事を伝えておいたのですが、教科書あったんですかね…?一応私もマギィの教科書探す為に結構早く教室に来ているのですけど…


「おはよう!アリア!」


「あ、おはようございます。マギィ。結局教科書は見つかったんですか?」


「それが無かったんだあ~。寮の部屋の子達にも言って、探して貰ったんだけど…だからもう1回教室探そうと思って!」


それでも見つからないとは…なら、寮の部屋にある確率と言うのはかなり低い…と言うか0に近いでしょう。あるとすれば教室…または誰かが間違えて持って行った…とか…?


「アミス先生に伝えた所、見つかるまで教科書は貸し出して下さるそうですよ」


「本当!?良かったあ~」


でもいつまでもこのままと言う訳にもいきませんからね…無事に出て来てくれると良いのですけど…


「マーガレットちゃん!!!」


「ミシェル?どうしたの?」


「あ、ローゼリッタさんも…!」


息を切らせて教室に入って来たミシェルさんの顔には焦りや悲しみの表情が映り、目には薄く涙の膜が張っていました。


「どうかしたんですか?」


「マーガレットちゃんの教科書…見つかったんだけど…でも…!」


「…ミシェル、何処にあったの?」


「…こっち」


マギィの問いに踵を返したミシェルさんの後を私とマギィが追います。にしても、ミシェルさん良く見つけましたね…ですが、彼女の様子から察するに…あまり良い状況では無さそうです…


「…私が見つけた時には…もう…」


ミシェルさんが立ち止まったのは渡り廊下から逸れた井戸の近くでした。その足元には…水に濡れて踏み付けられた後があるマギィの物と思われる帝王学の教科書が無残に落ちていました…



「酷い…誰がこんな…」


「名前…は…私のだね」


教科書の裏の名前は間違いなくマーガレット・ミハイラと記載されて、これは間違いなく彼女の物だと言う事が証明されました。ですが…これは流石に度が過ぎています…


「…マギィ、ミシェルさん。お2人は先に教室へ戻って下さい。この事は私がアミス先生に報告した後に生徒会長へ知らせます。なので、少し授業に遅れるかもしれません。教科書は私が預かっておきますね」


「…分かった。ごめんね、折角探してくれたのに…」


「探してくれたのはミシェルさんですから、彼女にお礼を言ってあげて下さい。大丈夫です。新しい物を新調しましょう」


受け取った教科書は濡れてふやけ、踏まれた所為でドロドロになっていました。これを見たらアミス先生…怒るなんてものじゃ無さそうですが…マギィとミシェルさん、暗い顔してます…何とか出来ると良いのですが…


〈〈〈お前らちょっと待っとけ下さい!!〉〉〉
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