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二章【波乱のウィンターホリデー】

お前らずっと友達でいろ下さい

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皆様こんばんは。アリア・ローゼリッタです。パーティが遂に明日に迫り、少しの緊張の中、ルカと雑談をしています。


「明日で16歳なんだよね。アリア」


「はい。早いようなあっという間の様な…今年は初めての事ばかりでしたから。学園に通えたり、弟やお友達が出来たり」


「そっか。体が弱いから、学校はあんまり通えてなかったんだっけ」


そうなんですよね。勉強は全く問題ありませんでしたが、お友達とか学校行事とかは全くと言って良いほど縁の無いものでしたからね。最近は毎日がとても新鮮です。


「そうだ、明日のパーティ、私だけじゃなくて兄さんも誘ってくれて有り難う。驚いていたけど、喜んでたよ」


「それは良かったです。突然でしたので、欠席されるかなと思ってたんですが」


「大丈夫、その時は私が意地でも引っ張ってくるし」


副会長から出席のお返事が来た時は本当に驚いて夢かと思いましたし。それはお互いなのでしょうが…


「こうしてアリアと2人になるのは意外と初めてだね。交流会の時は先輩が居たし」


「確かにそうですね。新鮮です」


いつもはアメリアもいますからね。彼女が居ないと少し物足りない感じもします。

あ、日付が変わった様ですね。屋敷の大時計の鐘が鳴っています。誕生日ですか。あんまり実感湧きませんけど…


「ふふ、じゃあ同室の特権って事で、私が最初を貰ってしまおうか」


ん?ルカがめっちゃ近くに寄って来ました。近い近い!貴女顔面強いんですからね!?あんまり寄るな下さい!!


「アリア、誕生日おめでとう。今年もどうかよろしくね」


「…こ、此方こそ」


ルカは満足そうに笑うと、私の手の甲にキ…キスしてきました。破廉恥!!!です!!


「顔真っ赤だね」


「誰のせいだと…」


すると、突然バン!!と部屋の扉が開き、4つの人影が突進して来ました。何事!??


「アリィ!お誕生日おめでとぉ~」


「おめでとうアリア!」


アメリアとマギィが全力で私に抱き着き、そのまま倒れました。痛い…


「おめでとうアリア。今年がアリアにとって良い1年になる様に、手伝わせてね」


「お、おめでとうございます。お姉ちゃん」


マギィ達の後ろから、笑みを浮かべてテオを連れたミアも姿を見せました。大集合じゃないですか。


「むぅ…一番に言いたかったのにルカに越された」


「それは籤運の結果だよマーガレットさん」


「これでも急いで来たんだよぉ?プレゼントは明日渡すから、今は持ってないんだけど、ちゃんとおめでとうは言いたくて!」


…もう歳でしょうか…涙腺が…弱くてダメですね。


「え!?アリア泣いてる!?」


「…!?お姉ちゃん、どこか痛い?」


マギィとテオが慌てて顔を覗き込んでくれますが、今それどころじゃ無いんですよ。


「何処も痛く無いですよ。ただ嬉しいんです…こんな風に、お友達にお祝いしてもらった事、ありませんでしたから…本当にありがとうございます…マギィ、ミア、ルカ、アメリア、テオも。私にとってはこれが最高のプレゼントですよ」


「アリアは本当に無欲なんだから」


「今日くらいは欲張っても罰は当たらないよ」


ミアが頭を撫でて、ルカが私の涙を拭ってくれました。それくらい出来ますよ。私も。でも…


「本当に嬉しいです…じゃあ…お願い聞いてくれますか?」


「勿論!アリィのお願いならなんでも聞いてあげるよぉ!」


「私も!私も!」


即答してくれるアメリアとマギィに、うんうんと頷いているミアとルカにテオ。嗚呼、幸せです。


「じゃあ…私とずっとお友達で、家族でいて下さい。卒業した後も…きっと…」


え、何か部屋がシーンとしたんですが…ダメでした!?そ、卒業後もとか重かったですかね…


「何当たり前の事言ってるの」


「そうだよ!私達は幼馴染なんだよ!?ずっと一緒に決まってるよ!」


笑ったミアとマギィが私に抱きついて来ました。よかった…否定された訳ではないみたいで


「ミア君。紳士としてそれはどうなのかな」


「勿論私達もずぅっと一緒だよぉ!」


「僕も…ずっと一緒が良い」


抱きついて来たミアを揶揄いつつ、3人も私に抱き着いて来ました。本当に恵まれましたね。私は。


〈〈〈お前らずっと友達でいろ下さい!〉〉〉
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