63 / 232
二章【波乱のウィンターホリデー】
お前らずっと友達でいろ下さい
しおりを挟む
皆様こんばんは。アリア・ローゼリッタです。パーティが遂に明日に迫り、少しの緊張の中、ルカと雑談をしています。
「明日で16歳なんだよね。アリア」
「はい。早いようなあっという間の様な…今年は初めての事ばかりでしたから。学園に通えたり、弟やお友達が出来たり」
「そっか。体が弱いから、学校はあんまり通えてなかったんだっけ」
そうなんですよね。勉強は全く問題ありませんでしたが、お友達とか学校行事とかは全くと言って良いほど縁の無いものでしたからね。最近は毎日がとても新鮮です。
「そうだ、明日のパーティ、私だけじゃなくて兄さんも誘ってくれて有り難う。驚いていたけど、喜んでたよ」
「それは良かったです。突然でしたので、欠席されるかなと思ってたんですが」
「大丈夫、その時は私が意地でも引っ張ってくるし」
副会長から出席のお返事が来た時は本当に驚いて夢かと思いましたし。それはお互いなのでしょうが…
「こうしてアリアと2人になるのは意外と初めてだね。交流会の時は先輩が居たし」
「確かにそうですね。新鮮です」
いつもはアメリアもいますからね。彼女が居ないと少し物足りない感じもします。
あ、日付が変わった様ですね。屋敷の大時計の鐘が鳴っています。誕生日ですか。あんまり実感湧きませんけど…
「ふふ、じゃあ同室の特権って事で、私が最初を貰ってしまおうか」
ん?ルカがめっちゃ近くに寄って来ました。近い近い!貴女顔面強いんですからね!?あんまり寄るな下さい!!
「アリア、誕生日おめでとう。今年もどうかよろしくね」
「…こ、此方こそ」
ルカは満足そうに笑うと、私の手の甲にキ…キスしてきました。破廉恥!!!です!!
「顔真っ赤だね」
「誰のせいだと…」
すると、突然バン!!と部屋の扉が開き、4つの人影が突進して来ました。何事!??
「アリィ!お誕生日おめでとぉ~」
「おめでとうアリア!」
アメリアとマギィが全力で私に抱き着き、そのまま倒れました。痛い…
「おめでとうアリア。今年がアリアにとって良い1年になる様に、手伝わせてね」
「お、おめでとうございます。お姉ちゃん」
マギィ達の後ろから、笑みを浮かべてテオを連れたミアも姿を見せました。大集合じゃないですか。
「むぅ…一番に言いたかったのにルカに越された」
「それは籤運の結果だよマーガレットさん」
「これでも急いで来たんだよぉ?プレゼントは明日渡すから、今は持ってないんだけど、ちゃんとおめでとうは言いたくて!」
…もう歳でしょうか…涙腺が…弱くてダメですね。
「え!?アリア泣いてる!?」
「…!?お姉ちゃん、どこか痛い?」
マギィとテオが慌てて顔を覗き込んでくれますが、今それどころじゃ無いんですよ。
「何処も痛く無いですよ。ただ嬉しいんです…こんな風に、お友達にお祝いしてもらった事、ありませんでしたから…本当にありがとうございます…マギィ、ミア、ルカ、アメリア、テオも。私にとってはこれが最高のプレゼントですよ」
「アリアは本当に無欲なんだから」
「今日くらいは欲張っても罰は当たらないよ」
ミアが頭を撫でて、ルカが私の涙を拭ってくれました。それくらい出来ますよ。私も。でも…
「本当に嬉しいです…じゃあ…お願い聞いてくれますか?」
「勿論!アリィのお願いならなんでも聞いてあげるよぉ!」
「私も!私も!」
即答してくれるアメリアとマギィに、うんうんと頷いているミアとルカにテオ。嗚呼、幸せです。
「じゃあ…私とずっとお友達で、家族でいて下さい。卒業した後も…きっと…」
え、何か部屋がシーンとしたんですが…ダメでした!?そ、卒業後もとか重かったですかね…
「何当たり前の事言ってるの」
「そうだよ!私達は幼馴染なんだよ!?ずっと一緒に決まってるよ!」
笑ったミアとマギィが私に抱きついて来ました。よかった…否定された訳ではないみたいで
「ミア君。紳士としてそれはどうなのかな」
「勿論私達もずぅっと一緒だよぉ!」
「僕も…ずっと一緒が良い」
抱きついて来たミアを揶揄いつつ、3人も私に抱き着いて来ました。本当に恵まれましたね。私は。
〈〈〈お前らずっと友達でいろ下さい!〉〉〉
「明日で16歳なんだよね。アリア」
「はい。早いようなあっという間の様な…今年は初めての事ばかりでしたから。学園に通えたり、弟やお友達が出来たり」
「そっか。体が弱いから、学校はあんまり通えてなかったんだっけ」
そうなんですよね。勉強は全く問題ありませんでしたが、お友達とか学校行事とかは全くと言って良いほど縁の無いものでしたからね。最近は毎日がとても新鮮です。
「そうだ、明日のパーティ、私だけじゃなくて兄さんも誘ってくれて有り難う。驚いていたけど、喜んでたよ」
「それは良かったです。突然でしたので、欠席されるかなと思ってたんですが」
「大丈夫、その時は私が意地でも引っ張ってくるし」
副会長から出席のお返事が来た時は本当に驚いて夢かと思いましたし。それはお互いなのでしょうが…
「こうしてアリアと2人になるのは意外と初めてだね。交流会の時は先輩が居たし」
「確かにそうですね。新鮮です」
いつもはアメリアもいますからね。彼女が居ないと少し物足りない感じもします。
あ、日付が変わった様ですね。屋敷の大時計の鐘が鳴っています。誕生日ですか。あんまり実感湧きませんけど…
「ふふ、じゃあ同室の特権って事で、私が最初を貰ってしまおうか」
ん?ルカがめっちゃ近くに寄って来ました。近い近い!貴女顔面強いんですからね!?あんまり寄るな下さい!!
「アリア、誕生日おめでとう。今年もどうかよろしくね」
「…こ、此方こそ」
ルカは満足そうに笑うと、私の手の甲にキ…キスしてきました。破廉恥!!!です!!
「顔真っ赤だね」
「誰のせいだと…」
すると、突然バン!!と部屋の扉が開き、4つの人影が突進して来ました。何事!??
「アリィ!お誕生日おめでとぉ~」
「おめでとうアリア!」
アメリアとマギィが全力で私に抱き着き、そのまま倒れました。痛い…
「おめでとうアリア。今年がアリアにとって良い1年になる様に、手伝わせてね」
「お、おめでとうございます。お姉ちゃん」
マギィ達の後ろから、笑みを浮かべてテオを連れたミアも姿を見せました。大集合じゃないですか。
「むぅ…一番に言いたかったのにルカに越された」
「それは籤運の結果だよマーガレットさん」
「これでも急いで来たんだよぉ?プレゼントは明日渡すから、今は持ってないんだけど、ちゃんとおめでとうは言いたくて!」
…もう歳でしょうか…涙腺が…弱くてダメですね。
「え!?アリア泣いてる!?」
「…!?お姉ちゃん、どこか痛い?」
マギィとテオが慌てて顔を覗き込んでくれますが、今それどころじゃ無いんですよ。
「何処も痛く無いですよ。ただ嬉しいんです…こんな風に、お友達にお祝いしてもらった事、ありませんでしたから…本当にありがとうございます…マギィ、ミア、ルカ、アメリア、テオも。私にとってはこれが最高のプレゼントですよ」
「アリアは本当に無欲なんだから」
「今日くらいは欲張っても罰は当たらないよ」
ミアが頭を撫でて、ルカが私の涙を拭ってくれました。それくらい出来ますよ。私も。でも…
「本当に嬉しいです…じゃあ…お願い聞いてくれますか?」
「勿論!アリィのお願いならなんでも聞いてあげるよぉ!」
「私も!私も!」
即答してくれるアメリアとマギィに、うんうんと頷いているミアとルカにテオ。嗚呼、幸せです。
「じゃあ…私とずっとお友達で、家族でいて下さい。卒業した後も…きっと…」
え、何か部屋がシーンとしたんですが…ダメでした!?そ、卒業後もとか重かったですかね…
「何当たり前の事言ってるの」
「そうだよ!私達は幼馴染なんだよ!?ずっと一緒に決まってるよ!」
笑ったミアとマギィが私に抱きついて来ました。よかった…否定された訳ではないみたいで
「ミア君。紳士としてそれはどうなのかな」
「勿論私達もずぅっと一緒だよぉ!」
「僕も…ずっと一緒が良い」
抱きついて来たミアを揶揄いつつ、3人も私に抱き着いて来ました。本当に恵まれましたね。私は。
〈〈〈お前らずっと友達でいろ下さい!〉〉〉
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
あれ?なんでこうなった?
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、正妃教育をしていたルミアナは、婚約者であった王子の堂々とした浮気の現場を見て、ここが前世でやった乙女ゲームの中であり、そして自分は悪役令嬢という立場にあることを思い出した。
…‥って、最終的に国外追放になるのはまぁいいとして、あの超屑王子が国王になったら、この国終わるよね?ならば、絶対に国外追放されないと!!
そう意気込み、彼女は国外追放後も生きていけるように色々とやって、ついに婚約破棄を迎える・・・・はずだった。
‥‥‥あれ?なんでこうなった?
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】死がふたりを分かつとも
杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」
私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。
ああ、やった。
とうとうやり遂げた。
これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。
私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。
自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。
彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。
それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。
やれるかどうか何とも言えない。
だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。
だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺!
◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。
詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。
◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。
1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。
◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます!
◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる