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二章【波乱のウィンターホリデー】

お前ら視線を逸らせ下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。私達は今。神社のお祭りに来ております。


「久し振りに来たけど、矢張り賑やかなものだね。アリア、テオ。欲しいものがあれば言うんだよ」


「こう言う場所で売ってる食べ物はヤタイメシって言うらしいわよ。東の地域以外じゃ中々食べられない物が多いから、折角なら沢山買ってあとでお屋敷で食べましょ!!」


お母様は食べる事もお好きですからね。焼きそばやたこ焼きに目を輝かせています。懐かしいですね。この空気


「…?お魚?」


「あれはたい焼きって言うんですよ。お魚の形の皮の中に餡子やクリームが入っていて…似た物だと、丸い形の大判焼きと言うものもあります。甘くて美味しいですよ。私はカスタードやチョコレートが好きです。しょっぱいものならチーズ等があったり…色々な味が楽しめます」


「お魚なのに…お菓子なんだ…」


見てるだけでもとても楽しいものですね。お祭りは。お父様達は…早速ご飯を買いに行っている様です。こう見ると、貴族の夫婦ではなく、純粋にお祭りを楽しんでいる普通の家族です。いつか…貴族とかそう言うの取っ払って…皆がこんな風に楽しめればいいのですが…


「アリア!テオ!たこ焼きを買って来たの!熱いから、ちゃんと冷まして食べるのよ」


「僕は、ソフィアが御所望のお好み焼きと唐揚げを探してくるよ」


私とテオはお母様からたこ焼きを受け取り、爪楊枝で口に運びました。…熱いけどとても美味しいです。落ち着く味付けです


「あつ…!」


「あっ、火傷してしまいましたか…私、冷たい物を買って来ます。お母様、テオを見ていて下さい」


「いいえ、私が…でも2人を残して行くのも不安だわ…テオの火傷も心配だし…」


お母様は心配そうにオロオロと困った顔をしていますが、それに少し笑ってしまいました。可愛らしいお母様です。


「そんな深刻にならないで下さい。あ、すぐそこにラムネの売り場がありますね。あの距離なら3人で行きましょう。お父様が帰って来てもすぐに見つかる筈です」


「そ、そうね!流石アリアね!賢くて良い子!自慢の娘よ~」


「…お母さん、たこ焼き美味しかったね」


テオもたこ焼きを気に入った様ですね。良かった。ラムネも気に入ってくれると良いのですが


「この後は何処に行こうかしら。アリア、何か食べたい物はある?私はフランクフルトとイカ焼きを買いに行きたいわ!」


「ベビーカステラやかき氷もいいかもしれませんね。そうだ、テオ、綿菓子もある様ですよ」


お祭りの空気で矢張りテンションは上がってしまいますね。提灯に照らされた景色も綺麗ですし、冬に花火…はあまり馴染みがありませんがそれはそれで良いものです。


「…色んなところ、回ってみたい」


「…!ええ、勿論よ!テオが食べたい物もやりたい物も全部叶えてあげる!勿論アリアのお願いもよ!」


「ふふ、ありがとうございます」


偶にはこう言った家族団欒も良い物ですね。気持ちが和みます。


「…彼処の御三方、とても美しいですね」


「そうだね。親娘の様だけれど…実に良い」


「わあ!ねえお母さん、あの人達きれー!」


「そうね。お人形さんみたいね。でも、失礼だからあんまり見てはダメよ」


…視線が煩い事を除けば良いお祭りです。お母様もお綺麗ですからね。視線を集めるのは分かりますけど…流石に落ち着かないといいますか


〈〈〈お前ら視線を逸らせ下さい!!!〉〉〉
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