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一章【平穏ライフを目指して】

お前ら不穏にするな下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。この前の部活から早数ヶ月。特に変わり無い日を過ごしています。ええ、全くと言って主要キャラと離れられない地獄の日々を送っていました。しかし、1つ変わった事があります。それが…


「マギィ?全く食べていないじゃないですか。私が言うのもアレですけど…体調を崩してしまいますよ?」


「あ、う、うん!ごめんね!なんかあんまりお腹空いてなくて!」


私の身の回りの唯一の変化、最近会っていなかったマーガレットです。元気でいつも走り回ってる彼女の元気が最近無くなっているとミシェルさんから相談があったので、久し振りにミアとマーガレット、そして私で昼食を取っていたのですが…


「どうしたの?マギィ。最近授業にも集中出来ていないんでしょ?」


「そんな事ないよ?ただ難しいんだよね!」


空元気と言うか何と言いますか…可笑しいですね…原作ではこんなシーン無かった筈です。いや、私が此処にいる時点で既に原作崩壊してるんですけど…この時期は特にイベントも無かった筈です。あるとしても、勉強に苦戦するマーガレットにキャラ達が勉強を教えているくらいで…本当にどうしたんでしょうか…

勉強が分からないくらいで、マーガレットがこんな風になるとは考えられません。ミシェルさんによると、最近夜もあまり眠れていないのだそうで…


「何か悩み事ですか?私達は幼馴染なんですから、頼って下さい」


「そうだよマギィ」


声を掛けてもマーガレットは眉を下げて軽く俯いたままです。いくら主要キャラと関わりたく無いから、マーガレットとの関わりを最低限にしてるとは言え、幼馴染である事に変わりはありませんからね…流石にこの状態のマーガレットを放っておく事は出来ないです。あ、予鈴が鳴ってしまいましたね…仕方がありません。


「…ミア、私とマギィは次の授業は欠席するのでルシアに伝えてください。理由は体調不良とその付き添いと」


「分かった。僕に出来る事があれば言ってね」


ミアは優しく笑うと、私達の分の食器も持ってテーブルを離れて行きました。


「マギィ、私の部屋に行きましょう。立てますか?」


「…うん」


此処で断っても私が折れないと分かったのでしょう。マーガレットは大人しく着いて来てくれました。保健室でも良いのですが、あまりマーガレットも話を他人には聞かれたくないでしょうからね。


「ねえ、アリア…」


「どうしました?」


「あの…私…」


話してくれるのでしょうか…廊下…でも、マーガレットが決心したなら…


「あらミハイラさん」


…?聞き慣れない様な…聞き慣れた声の様な…誰でしょうか。折角マーガレットが話してくれそうだったのに。


「何方様でしょうか」


「貴女とは初めましてね。私はエミリア・リースよ。2年生。貴女は?」


エミリア・リース…ファミリーネームからしてアメリアのお姉様…でしょうか…


「アリア・ローゼリッタです…」


「あら、貴女がアリィちゃん?妹がお世話になってるわね」


優しそうな方…ですけど、油断は出来ませんねマーガレットが自分から話しかけていかないなんて…この方と何かあったのでしょうか。


「マギィに何か御用でしたか?すみません、彼女は今体調が悪い様子ですので、日を改めて頂けると」


「あらそうなの。ではまた改めるわね。お大事にね、ミハイラさん」


エミリア先輩は心配そうにマーガレットを見ると、再び笑みを浮かべました。やっぱり…良い人に見えます…私の杞憂でしょうか…


「貴女も大変ね。こんな落ちこぼれさんの幼馴染なんて」


その瞬間、私の顔から血の気が引くのが分かりました。今の言葉は私の耳元で、私にだけ聞こえるように囁かれた言葉。前言撤回、私の杞憂じゃありませんでした。マーガレットの様子が可笑しいのは彼女の所為です。


「マギィ、私の部屋で話して下さい。でも、今は心を落ち着けましょう。大丈夫です。私が居ますからね」


マーガレットの手をなるべく優しく握ると、早足で私は部屋に向かいます。正直私も混乱しています。こんな事原作にはありませんでした…兎に角、今は事態の把握とマーガレットの心のケアです。嗚呼もう、どうしてこうなったんでしょうか!?


〈〈〈お前ら不穏にするな下さい!!〉〉〉
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