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一章【平穏ライフを目指して】

お前ら話を振るな下さい

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皆様こんばんは、アリア・ローゼリッタです。あれから更に恋バナは盛り上がり、明日は休講なのも相まって、先輩方とルカは話に花を咲かせております。


「それでその時ね!…」


ニーナ先輩は自身の婚約者さんとの話をとても楽しそうにお話ししています。表情や話し方を見た感じでも、その方の事がとても好きだと言う事が理解出来ます。微笑ましいですね。


「レイは?何かないの?」


「わ、私?私はこの前、入学祝いって事で、一緒に食事をしたくらい…かな。その時にプレゼントでネックレスを貰って…今は着けられないけど、卒業したら毎日着けようと思って…」


レイチェルも顔を赤くしながらお話ししています。皆様、婚約者の方とは仲が睦まじいご様子で何よりです。アメリアは何かパッとしないと言っていましたが…まあ、少なからずそう言った事例もあるのでしょう。


「あー!早く皆の惚気話聞きたいよー!婚約者出来たらすぐに教えてね!?」


「私も聞きたいので、よろしくお願いします」


ニーナ先輩とレイチェル先輩が婚約者のいない私達3人に詰め寄りました。近いです。


「そうだな。何かあった時にも相談させてもらおう」


私はシュテル先輩の婚約者の方の方が悩みは尽きないのではないかと思いますが…

にしても、婚約者ですか…欲しいと思った事はありませんが…こうも驚かれたり、紹介されるとなると一度考えてみても良いのでしょうか…
いえ、私の優先順位はモブに徹する事、それ以外は後回しです。


「うーん…他に良い話…あ、部活!部活は何入ってるの?」


「私は剣術部に」


「私は馬術部だな」


ルカとシュテル先輩は言わずもがなと言うか…


「私は手芸部です。先輩方は何方に?」


はい、私は手芸部に入っています。あまり活発に活動するのは咎められていまして…活動内容が比較的緩やかな手芸部に入部しました。


「私は文芸部に」


「私は球技部!」


レイチェル先輩が所属する文芸部は、小説や漫画を読んだり、実際に執筆したりする部活です。学園内新聞も文芸部の皆さんと報道部の皆さんが協力してやっています。

球技部は名の通り、数多の球技をたしなむ部活です。テニスやバレーボール等…かなり部員数が多かった記憶があります。


「皆結構違うね!部員数はどう?球技部は結構多いよ!」


「文芸部は少なめかな。報道部の方が多いと思うよ」


「剣術部はかなり多めですね。男子生徒が主なので、私は少し浮いていますが」


「馬術部は少人数だな。馬の数も限られているし、今さら馬に乗ろうと思う者も少ない様だからな」


「手芸部も少ないですよ。なのでマンツーマンで先輩が教えて下さいます」


手芸部は私を含む5人なので、かなり少人数です。出来たばかりなのもありますしね。


「なるほど…逆に球技部とか、剣術部とかオーケストラ部とかは多いよね」


「多いと逆に大変だったりするよ!人数分の備品補充とか…」


「…アリア、手芸部はどう言った活動をしているんだ?身近に部員がいないものでな」


…シュテル先輩何故此処で話を振るんです?


「あ、気になる!」


「私も。アリア、教えてくれないかな」


「私からもお願い」


…4人に迫られるとか聞いてないのですけどもまあ致し方ありません。腹を括ります。


「手芸部は名の通り、お裁縫をする部活ですよ刺繍をしたり、ぬいぐるみを作ったり、後はお洋服やドレス…色々な物を作っています。作った物は孤児院や貧困国に寄付したり、バザーに出したりしています」


「ふむ…手芸部は慈善活動もしているのか」


「一環として、ですが」


先輩方とルカがキラキラして目で私を見てきます。え、嫌な予感がします。


「それ、もっと聞かせて!」


「私も聞きたい」


レイチェル先輩とニーナ先輩が身を乗り出しました。


〈〈〈お前ら話を振るな下さい!!!〉〉〉
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