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肆章 氷雪の国・スノーメイル
四十九話、良い店に入れた!!
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「はい、お待ちどう様。ローストチキンサンドとポトフが二つ。ベークドポテトと紅茶だよ」
「美味そう!!ありがとな!」
「そう言って貰えると嬉しいよ。アンタ達は、国と竜を守ってくれた英雄だからね。こんなんじゃ足りないくらいだ」
さっき勧めて貰った飯屋に入るや否や、すぐに席に案内されてメニューを渡された。あまりの速さに風華と圧倒してる間に、オススメの料理を言われて、それを頼んで今に至るんだが…
「今、デザートも作ってるから、楽しみにしときな」
「ありがとうございます。でも…本当にお金は良いんですか…?こんなにして貰っているのに」
「良いんだよ!この国やアタシ達を守ってくれたお礼には安過ぎるくらいだよ。それに、子どもは遠慮なんかせず大人の好意に甘えとくのも仕事さ」
申し訳なさそうな風華に、店主らしい女の人がニカっと笑って返した。うん、俺達の母上とは全然タイプが違うけど、この人も凄く良い母親なんだろうな。
「じゃあ早速…頂きます!!」
「頂きます」
「はいよ、召し上がれ」
俺はローストチキンサンド。風華がポトフに口を付けた。一口齧った瞬間にジュワッと肉汁が溢れ出て、甘めのタレと一緒に口一杯に広がる。肉はほろほろと柔らかくて、一緒に入ってるレタスとトマトが良いアクセントになってて大変美味だ。
「うっっま!!すっげえ美味しいよ!」
「そう言ってくれるんなら、料理人冥利に尽きるよ。美味しそうに食べてくれて、こっちも嬉しいな」
「ポトフも美味しいです。お野菜が柔らかくて、スープも優しい味がして…」
厨房から、料理人の旦那さんが顔を出して笑っていた。でもマジで美味い。フランシスコの爺ちゃんの所で食べたフレンチトーストの時と同じ位の感動を味わってる。幸せだ。風華も目をキラキラさせてる。良い店に入れたな。勧めてくれた彼奴に礼が言えれば良いんだが…あ、伝言頼めば良いのか。
「なあ、この前依頼に来た時、此処の坊主と同い年くらいの奴が居たろ?」
「嗚呼。うちの子の友人だな。それがどうしたのかな?」
「此処を勧めてくれたの、その子なんだ。本当は俺達が直接礼を言えたら良いんだけど、俺達は明後日位には此処を発つ予定だからさ。伝言を頼みたくて」
「そう言う事ならアタシ達から言っておくよ。にしても律儀だねぇ。こんな何処にでもある様な店を紹介しただけで礼とは」
その言葉に風華がぶんぶんと首を横に振っていた。嗚呼。俺も同じ気持ちだぜ、風華。此処はそんな過小評価して良い店じゃないもんな!
「此処は凄く温かいお店です。お料理も…皆さんご家族も全部…私達、本当に心からこのお店に今日来れて良かったと思っています。これから旅を続けて行く為の活力も貰えましたし…何より、感謝してくれた事が凄く嬉しかったです」
「俺達は戦えるから、守る事は当然っちゃ当然だからさ。だから、こうやって料理をタダで振る舞ってお礼をしてくれるの、すっごい嬉しいんだ。こんな嬉しい経験が出来たのも、その子のお陰だし、こんな良い家族にも会えたしな!最高の店だよ、此処は」
「…嬉しい事を言ってくれるじゃないか」
そう言った店主のおばちゃんは、凄く優しい笑顔をしていた。でもそれは、奥にいた旦那さんも一緒で、何だか少し気恥ずかしくなるな…
「美味そう!!ありがとな!」
「そう言って貰えると嬉しいよ。アンタ達は、国と竜を守ってくれた英雄だからね。こんなんじゃ足りないくらいだ」
さっき勧めて貰った飯屋に入るや否や、すぐに席に案内されてメニューを渡された。あまりの速さに風華と圧倒してる間に、オススメの料理を言われて、それを頼んで今に至るんだが…
「今、デザートも作ってるから、楽しみにしときな」
「ありがとうございます。でも…本当にお金は良いんですか…?こんなにして貰っているのに」
「良いんだよ!この国やアタシ達を守ってくれたお礼には安過ぎるくらいだよ。それに、子どもは遠慮なんかせず大人の好意に甘えとくのも仕事さ」
申し訳なさそうな風華に、店主らしい女の人がニカっと笑って返した。うん、俺達の母上とは全然タイプが違うけど、この人も凄く良い母親なんだろうな。
「じゃあ早速…頂きます!!」
「頂きます」
「はいよ、召し上がれ」
俺はローストチキンサンド。風華がポトフに口を付けた。一口齧った瞬間にジュワッと肉汁が溢れ出て、甘めのタレと一緒に口一杯に広がる。肉はほろほろと柔らかくて、一緒に入ってるレタスとトマトが良いアクセントになってて大変美味だ。
「うっっま!!すっげえ美味しいよ!」
「そう言ってくれるんなら、料理人冥利に尽きるよ。美味しそうに食べてくれて、こっちも嬉しいな」
「ポトフも美味しいです。お野菜が柔らかくて、スープも優しい味がして…」
厨房から、料理人の旦那さんが顔を出して笑っていた。でもマジで美味い。フランシスコの爺ちゃんの所で食べたフレンチトーストの時と同じ位の感動を味わってる。幸せだ。風華も目をキラキラさせてる。良い店に入れたな。勧めてくれた彼奴に礼が言えれば良いんだが…あ、伝言頼めば良いのか。
「なあ、この前依頼に来た時、此処の坊主と同い年くらいの奴が居たろ?」
「嗚呼。うちの子の友人だな。それがどうしたのかな?」
「此処を勧めてくれたの、その子なんだ。本当は俺達が直接礼を言えたら良いんだけど、俺達は明後日位には此処を発つ予定だからさ。伝言を頼みたくて」
「そう言う事ならアタシ達から言っておくよ。にしても律儀だねぇ。こんな何処にでもある様な店を紹介しただけで礼とは」
その言葉に風華がぶんぶんと首を横に振っていた。嗚呼。俺も同じ気持ちだぜ、風華。此処はそんな過小評価して良い店じゃないもんな!
「此処は凄く温かいお店です。お料理も…皆さんご家族も全部…私達、本当に心からこのお店に今日来れて良かったと思っています。これから旅を続けて行く為の活力も貰えましたし…何より、感謝してくれた事が凄く嬉しかったです」
「俺達は戦えるから、守る事は当然っちゃ当然だからさ。だから、こうやって料理をタダで振る舞ってお礼をしてくれるの、すっごい嬉しいんだ。こんな嬉しい経験が出来たのも、その子のお陰だし、こんな良い家族にも会えたしな!最高の店だよ、此処は」
「…嬉しい事を言ってくれるじゃないか」
そう言った店主のおばちゃんは、凄く優しい笑顔をしていた。でもそれは、奥にいた旦那さんも一緒で、何だか少し気恥ずかしくなるな…
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