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肆章 氷雪の国・スノーメイル
二十九話、最っ悪だわマジで!!!
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「は…ぇ…?」
「魘されてたけど、変な夢でも見た?ご飯食べれる?」
「ゆ、夢…?飯?」
頭が混乱する。だってさっきまで目の前には倒れた風華達が居て…こっちが夢ってパターンか!?
「痛った!!!?」
「本当に何やってるの?」
「いや、自問自答してた」
頬を抓っても痛い。って事は夢じゃ無い。じゃあさっきの胸糞悪いのが夢…?んだよ驚かせやがって!
「…どんな夢見たの?」
「え?胸糞悪いやつ」
「そうじゃなくて。精霊達からのメッセージって言う事も有り得るでしょ?」
あー確かに。でも今までそんな夢見た事ないしなあ。話しても風華にいらない心配掛けそうだし…
「心配掛けるって思ってるなら大間違いだからね。逆に信用無いって思うよ」
「違えよ!!話すって!」
「良かった」
…何か風華が段々ヴィクトールに似て来てる気がするのは気の所為か?気の所為であって欲しいんだけど!!
「今は兎に角ご飯ね。レオン達待ってるから」
「ヴィクトールは?」
「起きたよ」
マジか!?ヴィクトールもちゃんと復活したか…良かった…
「夢の話は寝る前ね。後、明日の調査は私とマキアが行く事になってるから」
「俺は?」
「お留守番。レオンとアルさんが見張ってるからね」
嘘じゃん。それって一日中暇って事だろ…?無理だが!!
「いや、俺はいける___」
「馬鹿言ってないで治す事最優先」
「頼むって~」
風華の後ろを追いかけながら、いつも通りの会話をする。でもやっぱりさっきの光景が脳にこびり付いている。ただの夢なら良い、でもさっき風華が言った通り、精霊からのメッセージとか予知夢だったら…?嫌な予感が止まらねえ…
「…多分そろそろこの国を出れるよ」
「え?」
「兄さん達を探してる時、春告の竜の魔力を感じたの。覚える事は出来たから、明日辿ってみる予定。だから期待しててよ」
俺の雰囲気を感じ取ったのか、風華は足を止めて俺の方を振り返った。いつもの綺麗すぎる笑顔は俺を安心させようとしているのか、いつもより暖かく感じた。
「…やっぱ風華は優秀だよ」
「当たり前でしょ。兄さんの双子なんだから」
「…!お前ぇぇ」
ガバッと風華に抱き付くと、いつもなら離れようとしてくる風華が背中をトントンと叩いてくれた。あ、優しい…
「一人じゃ出来なくても、私達は二人なんだから。それに頼りになる仲間と先生達も居る。だから安心してよ。兄さんは一人じゃ無い」
「…嗚呼、そうだよな」
「うん。きっと大丈夫」
風華の言葉に、漸く少し目の前に掛かっていた霞が晴れた様に感じる。風華は満足気に頷くと、そのまま俺に背を向けた。ありがとうな、風華。
「魘されてたけど、変な夢でも見た?ご飯食べれる?」
「ゆ、夢…?飯?」
頭が混乱する。だってさっきまで目の前には倒れた風華達が居て…こっちが夢ってパターンか!?
「痛った!!!?」
「本当に何やってるの?」
「いや、自問自答してた」
頬を抓っても痛い。って事は夢じゃ無い。じゃあさっきの胸糞悪いのが夢…?んだよ驚かせやがって!
「…どんな夢見たの?」
「え?胸糞悪いやつ」
「そうじゃなくて。精霊達からのメッセージって言う事も有り得るでしょ?」
あー確かに。でも今までそんな夢見た事ないしなあ。話しても風華にいらない心配掛けそうだし…
「心配掛けるって思ってるなら大間違いだからね。逆に信用無いって思うよ」
「違えよ!!話すって!」
「良かった」
…何か風華が段々ヴィクトールに似て来てる気がするのは気の所為か?気の所為であって欲しいんだけど!!
「今は兎に角ご飯ね。レオン達待ってるから」
「ヴィクトールは?」
「起きたよ」
マジか!?ヴィクトールもちゃんと復活したか…良かった…
「夢の話は寝る前ね。後、明日の調査は私とマキアが行く事になってるから」
「俺は?」
「お留守番。レオンとアルさんが見張ってるからね」
嘘じゃん。それって一日中暇って事だろ…?無理だが!!
「いや、俺はいける___」
「馬鹿言ってないで治す事最優先」
「頼むって~」
風華の後ろを追いかけながら、いつも通りの会話をする。でもやっぱりさっきの光景が脳にこびり付いている。ただの夢なら良い、でもさっき風華が言った通り、精霊からのメッセージとか予知夢だったら…?嫌な予感が止まらねえ…
「…多分そろそろこの国を出れるよ」
「え?」
「兄さん達を探してる時、春告の竜の魔力を感じたの。覚える事は出来たから、明日辿ってみる予定。だから期待しててよ」
俺の雰囲気を感じ取ったのか、風華は足を止めて俺の方を振り返った。いつもの綺麗すぎる笑顔は俺を安心させようとしているのか、いつもより暖かく感じた。
「…やっぱ風華は優秀だよ」
「当たり前でしょ。兄さんの双子なんだから」
「…!お前ぇぇ」
ガバッと風華に抱き付くと、いつもなら離れようとしてくる風華が背中をトントンと叩いてくれた。あ、優しい…
「一人じゃ出来なくても、私達は二人なんだから。それに頼りになる仲間と先生達も居る。だから安心してよ。兄さんは一人じゃ無い」
「…嗚呼、そうだよな」
「うん。きっと大丈夫」
風華の言葉に、漸く少し目の前に掛かっていた霞が晴れた様に感じる。風華は満足気に頷くと、そのまま俺に背を向けた。ありがとうな、風華。
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