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肆章 氷雪の国・スノーメイル

八話、出来る事は増やす!

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「ほらライハ!もっと集中しろ」


「してる!!!」


「レオンもそれじゃあコントロールが甘い」


せんせーは相変わらず容赦が無い。久し振りの鍛錬だから、ウキウキしてたのは紛れもない事実だけどさ…キツいが!!!


「ノームはあまり実践で力を借りてないだろ。連携が取れてねえ。取り敢えず、お前は休憩しろ」


「まあな…やっぱヴォルトとサラマンダーを呼ぶ癖があるから…頑張んないとな、ノーム」


ノームは軽い土砂崩れや落とし穴を作れる。狭い範囲内でなら地震を起こす事も可能だ。だからこそ、直接攻撃って訳じゃ無いから呼び所が難しかったりする。


「風華といる時は、地面泥濘ませて、底なし沼みたいに出来るんだよな。ウンディーネとノームの合わせ技」


「それは強いな。レオン!もっと微弱なコントロールを意識しろ!常に全力が良い訳じゃないからな!」


「らじゃー!」


レオンも素直にせんせーの指導を聞いて、神力の鍛錬をしてる。今頃風華はヴィクトールと買い物かあ…羨ましい奴め、ヴィクトール…


「そうだ、ライハ。前に言ってたアレは出来る様になったのか?」


「んー、五分五分?出来る確率は上がって来たけど、まだ百発百中とはいかん」


「まあそんなもんだ!これからまた俺と鍛錬すれば良い」


「嗚呼!」


そう、俺は旅に出る前から習得したい神力があって、それの鍛錬をしてたんだけど、今でも中々苦戦してる。高度な技だし、一歩間違えれば即死の技だからな。かなり練習しないと不安ではある。


「お前にはヴォルトがついてるから心配はしていないが、万が一があっちゃ困るからな。俺と居られる内にガンガン扱いていくぞ」


「殺さない程度に頼む」


「当たり前だ」


俺が習得しようとしているのは“避雷針”だ。避雷針自体は簡単に出来るんだけど、俺がやりたいのはその一段階上の“火雷神”俺の体に吸収された雷を炎と一緒にカウンターで雷を撃って来た奴に反射させる技だ。雷だけであれば割と出来るけど、炎が一緒となると、かなり繊細なコントロールがいる。いつもウンディーネとシルフの合わせ技を使ってた風華の偉大さが分かったよ。


「火雷神は俺でも出来ない超高難易度の技だ。だが、お前にはヴォルトとサラマンダーと言う強い味方がいるからな!出来るさ」


「嗚呼!絶対に習得して、此奴等の期待に応えるぜ!」


せんせーは笑って俺の頭を撫でると、現在進行形で神力コントロールの練習をしてるレオンの所に歩いて行った。うし!俺もレオンにも風華にも負けてられん!やるぞ!!!
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