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参章 芸術の国・アーティオン
四十二話、嫌いだけど、出来ないわけじゃ無い
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「氷武!造形、鎖…!」
「これは…ヴィクトール・アランテの…」
ヴィクトールさんの事も知ってるの?この人…確かにヴィクトールさんも凄い魔術師だから、知ってても可笑しく無いか…!
「だが、まだ未熟だな」
「…ッ!!魔法障壁展開!」
鎖を全て壊して、凄い速さで突っ込んで来るジュダと私の間に、間一髪で魔法障壁を展開させた。本当に危なかった…
「この一瞬でこの壁を立ち上げるか…やはり良いな。此処まで拐い甲斐のある奴等は久し振りだ」
「凄く不名誉だね。撤回してほしいんだけど」
…どうする…兄さんみたいに私は力押しが出来ない。罠を張ったりする事は出来ても…この人は兄さんと似てて、野生の勘って言えば良いのかな…それが鋭い。だから罠魔法は見破られてるんだよね。それが凄く厄介。武器が大きくて振りかぶる時に隙が生まれてるのは分かる。でも…これ以上威力を高くしたら…
「お前、何を思っているのか知らないが、そんな生温い魔術じゃ、俺に負けて終わりだ。これでも結構加減をしているぞ?殺さないのは勿論だが、お前は女だ。体に傷が付いたら、それだけで価値が下がる」
「…」
「図星か?だろうな。お前には、ライハの様な図太さが無い。そして勇気も覚悟もだ。人を傷付けるのが怖いんだろう。そんな目をしている奴等を何人も殺して来た。つくづく分からん。何故そんな無駄な事をするのか」
無駄…?人を傷付けたくないと思うのは無駄なの?そりゃあ、私だって甘えだと思ってる。だから変わろうとした。でも…母様だって言ってた…強すぎる力は、人を傷付ける。だから風華は優しくあってって…だから…だから…
「それで何も守れず失うのがお前の様な甘い考えの奴だ。本能に生きろ。本来のお前は、兄よりも強いだろう。俺の勘がそう言っている。本気のお前との方が、俺の血が沸る。だが…此処で本気を出さないのなら、さっさとお前を捕まえて、ギルドへと戻る。これ以上続けても意味が無いからな」
「…確かに私はサポート系の魔術以外は苦手。攻撃系とかは特に…」
ジュダが槍を構えて私の方に突っ込んで来る。話しても意味ないって思われたんだろうけど、私の話はまだ終わってない。一方的に話されるだけとかムカつく。
「だから、沢山技術を学んだよ。魔法障壁も、攻撃せずとも、相手を負かす魔術も」
「それを今使えてないのが答えだろう!」
「使わなかったんだよ。此処、壊しちゃうのもあったし、魔力大量に使うから」
何て、ただの出任せだけどね。本当は怖いよ。幾ら敵でも、目の前の人を傷付ける事。でも、出来ない訳じゃない。私だって、師匠やヴィクトールさんに沢山の事を教わってるから。
「シルフ…行くよ」
「…何だ、風がッ」
ジュダの周りを暴風が取り囲む。シルフに意識を集中させて、それを完成させていく。
「黒風!!」
黒い風が、ジュダの周りを取り囲み、教会に落ちている木片や硝子等を巻き込みながら大きくなり、やがて彼を取り囲む檻の様になっていった。ギリギリ教会を壊さずに…って言うか、もうほぼ壊れてると言うか…取り敢えず、身動きは封じられたし…解決…なのかな?
「これは…ヴィクトール・アランテの…」
ヴィクトールさんの事も知ってるの?この人…確かにヴィクトールさんも凄い魔術師だから、知ってても可笑しく無いか…!
「だが、まだ未熟だな」
「…ッ!!魔法障壁展開!」
鎖を全て壊して、凄い速さで突っ込んで来るジュダと私の間に、間一髪で魔法障壁を展開させた。本当に危なかった…
「この一瞬でこの壁を立ち上げるか…やはり良いな。此処まで拐い甲斐のある奴等は久し振りだ」
「凄く不名誉だね。撤回してほしいんだけど」
…どうする…兄さんみたいに私は力押しが出来ない。罠を張ったりする事は出来ても…この人は兄さんと似てて、野生の勘って言えば良いのかな…それが鋭い。だから罠魔法は見破られてるんだよね。それが凄く厄介。武器が大きくて振りかぶる時に隙が生まれてるのは分かる。でも…これ以上威力を高くしたら…
「お前、何を思っているのか知らないが、そんな生温い魔術じゃ、俺に負けて終わりだ。これでも結構加減をしているぞ?殺さないのは勿論だが、お前は女だ。体に傷が付いたら、それだけで価値が下がる」
「…」
「図星か?だろうな。お前には、ライハの様な図太さが無い。そして勇気も覚悟もだ。人を傷付けるのが怖いんだろう。そんな目をしている奴等を何人も殺して来た。つくづく分からん。何故そんな無駄な事をするのか」
無駄…?人を傷付けたくないと思うのは無駄なの?そりゃあ、私だって甘えだと思ってる。だから変わろうとした。でも…母様だって言ってた…強すぎる力は、人を傷付ける。だから風華は優しくあってって…だから…だから…
「それで何も守れず失うのがお前の様な甘い考えの奴だ。本能に生きろ。本来のお前は、兄よりも強いだろう。俺の勘がそう言っている。本気のお前との方が、俺の血が沸る。だが…此処で本気を出さないのなら、さっさとお前を捕まえて、ギルドへと戻る。これ以上続けても意味が無いからな」
「…確かに私はサポート系の魔術以外は苦手。攻撃系とかは特に…」
ジュダが槍を構えて私の方に突っ込んで来る。話しても意味ないって思われたんだろうけど、私の話はまだ終わってない。一方的に話されるだけとかムカつく。
「だから、沢山技術を学んだよ。魔法障壁も、攻撃せずとも、相手を負かす魔術も」
「それを今使えてないのが答えだろう!」
「使わなかったんだよ。此処、壊しちゃうのもあったし、魔力大量に使うから」
何て、ただの出任せだけどね。本当は怖いよ。幾ら敵でも、目の前の人を傷付ける事。でも、出来ない訳じゃない。私だって、師匠やヴィクトールさんに沢山の事を教わってるから。
「シルフ…行くよ」
「…何だ、風がッ」
ジュダの周りを暴風が取り囲む。シルフに意識を集中させて、それを完成させていく。
「黒風!!」
黒い風が、ジュダの周りを取り囲み、教会に落ちている木片や硝子等を巻き込みながら大きくなり、やがて彼を取り囲む檻の様になっていった。ギリギリ教会を壊さずに…って言うか、もうほぼ壊れてると言うか…取り敢えず、身動きは封じられたし…解決…なのかな?
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