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参章 芸術の国・アーティオン

三十一話、マジでマキアは優秀

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「あー、どーすっかなあ」


アデルバードとの通信の後、俺は部屋のベッドに寝っ転がって今後の事を考えるけど中々良い案が出ない。あ、勿論風華とは別室だから声出してんだぞ?


「…ししょー、せんせー…俺どうしたら良い…どうしたら風華を守れる…?」


風華を守るって言っときながら何やかんや俺はいつも助けられてる。もっと強くなって守ってやりたいのに…


「ライハ様、少々よろしいですか?」


「ん、どうしたマキア」


ノックをしてから部屋に入ってきたマキアの手にはマグカップが握られていた。ミルクの良い匂いがする。


「ホットミルクに蜂蜜を入れたものです。よろしければ」


「ありがとな!丁度寝れない感じだったから助かるぜ!」


マキアからカップを受け取って、何回か息を吹きかけて飲み込んだ。ミルクと蜂蜜の優しい味がする。そういや、ししょーも俺達が慣れない環境で寝れなかった頃、よく作ってくれたっけな…そんで色んな話を聞かせてくれたっけ…


「…ライハ様、これからどうするのですか?」


「…風華にも聞いてみるけど…取り敢えず、此処のギルドの奴等に今日の事は共有したい。それと一つ、マキアに頼みたい事があってな」


「何でしょうか」


「御使のアレキサンダーと魔術師のヴィクトールの居場所を探して欲しい。多分記事とかになってると思うから」


せんせー達を探す理由は、今回の事を話したいからだ。一度会えば通信結晶でも話せるから。それに…今は少しだけ…安心出来る人の所に行きたいのかもしれないな…俺。


「かしこまりました。居場所が分かり次第すぐにお伝えしますね」


「助かるよ、ありがとう。マキアももう休んでくれよ。ホットミルクもサンキューな」


「いえ、私に出来る事をした迄です。そうだ、ライハ様。フウカ様も考え込まれていた御様子でしたが、お二人共御無理はなさらないで下さいね。お休みなさい」


マキアは丁寧に頭を下げて部屋を出て行った。風華、寝てなかったのか…いや、寝れないの方が正しいか…そりゃ怖いよな。俺は当事者…ではあるのかもしれんけど、見知らぬ集団に捕まって売られるかもしれない…なんて怖く無い筈がないんだ。だって、まだ12歳だぞ?前世じゃ小学六年生だ。そうじゃん!俺まだチビだわ。


「…なあししょー。めげそう」


する筈の無い返事を求めて声に出した。まあやっぱり部屋には俺の声しか響かない。これがホームシックってやつか?


「うし、風華んとこ行くか!」


枕を持って風華の部屋を目指す。偶には一緒に寝たってバチ当たんないだろ。こうやって恐怖や不安を和らげるのが俺達のやり方だったりするからな!
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