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参章 芸術の国・アーティオン
二十九話、怖い事って立て続けなんだね…
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「…眠れない」
兄さん達はシャーリーさんの所からまだ帰ってこなくて、私は寝ようとしてたんだけど、目が冴えて窓から空を眺めてる状態。そうだ、さっき見たギルドマーク…忘れないうちに紙に書いとこうかな…
「此処が蛇みたいになってて…こっちに…」
改めてマジマジと見ると、やっぱり凄く見覚えのある形をしてる…何処で…
「ぁ…エンジームの森…」
ジャックとマキアと調査に行った時にアクリスを襲ってたあのイーブルギルド…アデルバードはこの時間起きてる…?
そんな事を考えながら、通信結晶に魔力を込めると、案外すぐにアデルバードへと繋がった。
「フウカからの連絡とは嬉しいな。どうしたんだい?」
「アデルバード、このギルドマークに見覚えはある?」
「それは…!今私達が追い掛けているギルドのものだ!君も知っている、君達が居る間に急激に動き出したギルドのギルドマークだよ」
やっぱり…なら、本拠地は此処って事…?
「今日、アーティオンでこのギルドマークの刺繍されたローブを着た人達を見た。今、この国では魔術師と非魔術師の間で争いが起こってる状態」
「美しいアーティオンでそんな事が…フウカ、そのギルドは最近更に悪名を轟かせている。名をディアブル。悪魔を表す名を称えたギルド…その悪事は魔法動植物の密輸に密猟、人身売買やその他悪事…様々な場で問題を起こしているギルドだ」
酷い…そんな人達がこの国にも、エンジームにも居たなんて…兄さんにも教えないと。
「その魔術師と非魔術師間の争いも、もしかするとディアブルが関わっているかもしれない。彼奴等の目的の一つである人身売買には、ある共通点がある。それは、腕の立つ魔術師、または御使である事…だ」
「…!どうして…」
「高値で取引される事。それが一番の理由だろう。そして、今は世界的に国が不安定になっている。かつてあったとされる神との戦い…それが再び迫っている…と言う意見も少数派だが囁かれている。その時には誰が必要か…それは御使様だ。だが年々その数は減り、希少な存在となっている。そしてそんな御使様がゼロになれば、世界は混乱する。奴等はきっとそれを眺めて卑しい笑みを浮かべる算段なのだろう」
手が震えてるのが分かる。私達が御使と呼ばれるきっかけとなった神々との戦い…それは本当にあった事なのか御伽噺かは分からない。けれど…今近くにそんな怖い事をするギルドが居るのは紛れも無い事実だから…
「…すぐにライハ達に伝えると良い。君だけが知っているのは酷だろう…いや、連れて来てくれた方が良いか…君が話すのは私も心が痛いからね。待っているよ」
「うん、すぐ連れて来る」
震える足に鞭を打って、隠し部屋から出て兄さん達を探す。そうしてないと、不安で押し潰されそうだから…
兄さん達はシャーリーさんの所からまだ帰ってこなくて、私は寝ようとしてたんだけど、目が冴えて窓から空を眺めてる状態。そうだ、さっき見たギルドマーク…忘れないうちに紙に書いとこうかな…
「此処が蛇みたいになってて…こっちに…」
改めてマジマジと見ると、やっぱり凄く見覚えのある形をしてる…何処で…
「ぁ…エンジームの森…」
ジャックとマキアと調査に行った時にアクリスを襲ってたあのイーブルギルド…アデルバードはこの時間起きてる…?
そんな事を考えながら、通信結晶に魔力を込めると、案外すぐにアデルバードへと繋がった。
「フウカからの連絡とは嬉しいな。どうしたんだい?」
「アデルバード、このギルドマークに見覚えはある?」
「それは…!今私達が追い掛けているギルドのものだ!君も知っている、君達が居る間に急激に動き出したギルドのギルドマークだよ」
やっぱり…なら、本拠地は此処って事…?
「今日、アーティオンでこのギルドマークの刺繍されたローブを着た人達を見た。今、この国では魔術師と非魔術師の間で争いが起こってる状態」
「美しいアーティオンでそんな事が…フウカ、そのギルドは最近更に悪名を轟かせている。名をディアブル。悪魔を表す名を称えたギルド…その悪事は魔法動植物の密輸に密猟、人身売買やその他悪事…様々な場で問題を起こしているギルドだ」
酷い…そんな人達がこの国にも、エンジームにも居たなんて…兄さんにも教えないと。
「その魔術師と非魔術師間の争いも、もしかするとディアブルが関わっているかもしれない。彼奴等の目的の一つである人身売買には、ある共通点がある。それは、腕の立つ魔術師、または御使である事…だ」
「…!どうして…」
「高値で取引される事。それが一番の理由だろう。そして、今は世界的に国が不安定になっている。かつてあったとされる神との戦い…それが再び迫っている…と言う意見も少数派だが囁かれている。その時には誰が必要か…それは御使様だ。だが年々その数は減り、希少な存在となっている。そしてそんな御使様がゼロになれば、世界は混乱する。奴等はきっとそれを眺めて卑しい笑みを浮かべる算段なのだろう」
手が震えてるのが分かる。私達が御使と呼ばれるきっかけとなった神々との戦い…それは本当にあった事なのか御伽噺かは分からない。けれど…今近くにそんな怖い事をするギルドが居るのは紛れも無い事実だから…
「…すぐにライハ達に伝えると良い。君だけが知っているのは酷だろう…いや、連れて来てくれた方が良いか…君が話すのは私も心が痛いからね。待っているよ」
「うん、すぐ連れて来る」
震える足に鞭を打って、隠し部屋から出て兄さん達を探す。そうしてないと、不安で押し潰されそうだから…
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