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参章 芸術の国・アーティオン

二十二話、喜んで貰えると嬉しいよね

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「おはようございます」


「おはよう、フウカさん。皆さんも」


「林檎のお菓子を作ったので、良ければ皆さんで食べて下さい」


沢山作ったアップルパイと林檎風味のクッキーに焼き林檎。他にも色々大量に隠し部屋に置いてある。ポットにはアップルティーも入ってるしね。


「昨日から林檎の良い匂いがしてると思ったらそう言う事だったの。ありがとう、皆喜ぶわ。こっちの食堂まで移動させてもいい?」


「なら手伝う。量ヤバいからな」


「ありがとう」


シャーリーさんがお菓子を取る為に隠し部屋に入ってくる。部屋には林檎の匂いが昨日から広がってて、良い匂いが充満してる。癒されるよね。


「本当に沢山作ったのね。こっちが今日持っていく分?こんなに持っていけるの?」


「拡張魔法を掛けたバスケットで持っていくから大丈夫。お菓子、皆さんの口に合えば嬉しいですけど…」


「大丈夫よ。昨日から皆、良い匂いがする~って大騒ぎだったの。だから安心して」


良かった…お世話になってるし、足りないけど御礼になれば嬉しい事は無いよね。それから、村に行く途中にキャシーさんのお店と、シュピーゲルさんのアトリエを通るから、二人にもお菓子を渡すつもり。会えると良いな…


「おや、これは大量だね」


「フウカさん達が作ってくれたのよ。私達の分ですって。デュースも嬉しいんじゃない?貴方林檎好きでしょう?」


「そうだね。こんな美味しそうな林檎菓子は滅多に売ってないよ。ありがとう、大切に食べさせてもらうよ」


匂いに釣られて、教会に居た人達が次々に踊り場に集まってきた。ワイワイと嬉しげな表情をしたギルドの人達に囲まれて、少し騒がしいけど、悪い気はしない。


「これフウカさんが作ったんですか!?凄い!今度作り方教えて下さい!」


「うん、いいよ」


「やった~!」


隠し部屋に居ても、此処の人達との交流は広がりつつある。敬語の人と普通の人と…何かどのタイミングで言葉を崩して良いのか分からないから混ざっちゃうんだよね。


「道中気を付けてね。何かあれば直ぐに帰って来て」


「やっぱり私達も着いて行った方が…」


「大丈夫だよ!俺達だけじゃ無くてマキアもレオンもいるからさ!それに、風華に何かあっても絶対俺が守るし!」


兄さん、こっちに来てから暇だって言って剣の鍛錬に精を出しちゃってるからね。どんどん上達してってる。私もやりたいけど…出来ないからな…


「皆様、アップルティーをお持ちしました」


「ありがとうマキアさん」


「いえ。ポット、此方に置いておきますね」


取り敢えず、レオンを起こして出発準備しないとね。久し振りの外だし、少しワクワクしてるかも。
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