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参章 芸術の国・アーティオン

十五話、切り替えて行くぞ!!

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「うん、やっぱこう見るだけだと良い国だな」


「芸術の国だからね。美しさは溢れてる。けれど、争いが絶えないのは悲しいね」


「デュースさんは良いの?私達に付き合ってくれてるけど」


祭りに行くって言ったらデュースが案内の為に着いて来てくれた。魔術師に友好的な奴等の所に案内してくれるらしい。


「心配だしね。それに、旅人であるなら、君達には楽しんで欲しいんだ」


「ありがとな!」


「お気遣い感謝します」


見渡す限りの絵描きや花売り、屋台飯も多い。美味そう…


「あら、お嬢さん可愛い衣装ね」


「…!あ、ありがとうございます」


「記念にこのお花をあげるわ。貴女の可愛らしい姿を引き立てる様に」


花売りの姉ちゃんが風華に花をあげた。俺は花に詳しくねぇから分かんねえけど、青色の綺麗な花だ。


「綺麗…青いお花なんてあるんですね」


「私の知り合いが育ててるのよ。色んな花が咲いている国だから、良くお花を送ってくれるのよ。貴女も楽しんでね」


姉ちゃんは軽く手を振ると、人混みの中に入って行った。


「良かったな、風華」


「うん」


「付けてやる、貸して」


風華から受け取った花を、髪にそっと挿した。うん、良い感じだ。


「ありがとう、兄さん」


「どーいたしまして。なあ、デュース!何か食いたい!」


「なら、食べ物の屋台を巡ろうか」


あちこちから良い匂いがして空腹になった。肉食いてぇ…


「彼処にフライドチキンの屋台があるよ」


「流石風華!行ってくる!」


「オレサマも~!」


風華に指差された方に、俺とレオンが全速力で駆けて行く。うわ、めっっっちゃ美味そう…良い匂い…


「おっちゃん!フライドチキン五つ!」


「あいよ!兄ちゃん男前だから、サービスしてやるよ!」


「ありがとな!」


まさかの揚げたてをくれるらしく、七つの鶏を揚げてくれている。


「兄ちゃんは旅の人かい?」


「嗚呼、祭りがある時に来れてラッキーだよ」


「そうか!楽しんでな!ほい、フライドチキンだ!熱いから落とすなよ」


おっちゃんから揚げたてのフライドチキンを受け取り、お金を渡す。その一つをすぐにレオンに渡した。


「落とすなよ?おっちゃん!ありがとな!」


「美味い!!」


「良かったな」


バクバクと熱い筈のフライドチキンを貪るレオンと一緒に風華達の所に戻る。


「揚げたてくれたぜ!ほら、オマケもくれた。お前達も食え」


「ありがとう、ライハ」


「ありがとうございます」


「ん、ありがとう」


差し出したフライドチキンは一瞬で無くなり、俺も自分の分を取り出して齧り付いた。うっまい!!そうだ、オマケ二個くれたけどどーするかな…


「ライハ!もう一個!」


「へいへい、ほら、最後だぞ。後一個あるけどどうする?」


「兄さん食べなよ。買ってきたの兄さんなんだしさ」


風華の言葉に全員が頷いた。俺の妹優しい…なら、譲ってもらった分、味わって食うか!
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