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参章 芸術の国・アーティオン

十一話、少し目が回る…

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「ただいま。マスターは居る?」


「お帰りなさい、シャーリー。ええ、いつもの場所に居るわ。…?この方々は?」


「旅人の人達。この人は魔術師のフウカさん。この街に居る間に滞在する場所が無いから連れて来たの」


教会内に居た人達が続々と私の方へ来た。あんまり人の視線は好きじゃ無いんだけど…


「ふ、風華です。よろしくお願いします。こっちが双子の兄の雷葉、仲間のマキアとレオンです」


「そうなの。よろしくね、皆さん。うんうん、フウカちゃんの魔力はとても澄んでて綺麗ね」


「あ、ありがとうございます…」


此処の人達はあったかいね。彼処みたいに冷たくないし、尖った言葉は無いから。


「私はマスターに言ってくる。少し待ってて」


「おう。あんがとな」


「軽く案内するわ。着いて来て」


シャーリーさんを見送って、案内してくれる人に着いて行く。教会内はかなり古いけど何処か温かみを感じる。木造で、空気が凄く澄んでて居心地が良い感じがする。


「私はエニシャ・ブラウンよ。よろしくね」


「よろしくな!なあエニシャ、此処の人達が皆シスター服とか着てるのは理由があんのか?」


「これはカモフラージュよ。魔術師を護る会は公には活動して居なくて、表向きは聖職者の集まりなのよ。この教会は古い分魔力も満ちてるから、魔術師を匿っていてもバレないの。だから私達はこの格好をしているのよ。本来の活動がバレてしまったら大変だから…」


…綺麗な国なのに、差別が大きいなんて…そう考えるとあんなに大通りに大きいお店を構えてるキャシーさん、大変だろうに…凄いな。


「此処は私達ギルドメンバーが使ってる食堂。魔術師の人達はまた別の場所に生活場所を作っているから、其方を使って貰っているの」


「おやエニシャ、お客様かい?」


「ええ、此方旅の方々よ。フウカさんは魔術師で、シャーリーが連れて来たの」


食堂には、神父服を来た綺麗な男の人が居た。優しそうな顔でこっちに近付いてくる。


「初めまして。デュース・ロズリーだ。大変だったよね、此処に来たらもう大丈夫だよ」


「風華です。よろしくお願いします」


「俺は雷葉、よろしくな!」


兄さんとデュースさんが握手を交わす。うん、仲良くなれそうで良かった。


「フウカちゃんは綺麗な魔力だね。きっと良い魔術師になるよ」


「此処にいる皆さんは魔力を見る事が出来るんですか?」


「ギルドマスターの恩恵でね。此処にいるのは殆どが非魔術師だから。だから此処にいるメンバーにとって、魔術師は神聖で素晴らしい人なんだよ」


と言う事はギルドマスターは魔術師なんだ。恩恵って言う事は…あの人は此処のメンバーに何かの魔術を永続的に掛けてる事になる…少し難しくて、混乱しそう…
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