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参章 芸術の国・アーティオン

八話、マジで良い加減にしてくれ!!

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「それでは、依頼を受諾致しました」


「ありがとうございます」


「当日を楽しみにしていますね。今回、魔術師と非魔術師の対立が大きく、例年よりも魔法のショーの依頼を受けて下さる方が少なくて…」


やっぱそうなんだな。いつもはかなり締め切りが早いらしいのに、急募欄にあったから不思議だったんだけど、そー言う事か。


「それでは、またのお越しをお待ちしております」


ギルドファームの受付の兄ちゃんの挨拶を背に俺達は外へ出た。これから俺と風華は一足先にショーの練習に。マキアはレオンを連れて宿を探してくれるらしい。本当有能だよ。


「俺達はこの外れの森に居るな」


「かしこまりました。私達も宿を確保し次第合流しますね」


「ありがとう、マキア」


マキアはレオンを抱き抱えると、街の方へと足速に去って行った。さ、俺達も行くかな。


「風華、ショーどんな感じにすんだ?」


「炎とか水とか…自然の魔法を使おうと思ってて…神力とはまた違うけど…氷とか、色んなの試してみようと思ってるよ」


「俺も頑張って手伝うからな!」


俺の言葉に風華も嬉しそうに頷いてくれる。うん、やっぱ天使だわ。


「魔女狩りだー!」


「悪い奴を退治するぞー!」


「…行くぞ、風華」


近くで、剣の玩具を持った子どもが騒いでる。彼奴等にとっては何て事ない言葉でも、優しい風華にとっては刃そのものだからな。


「折角キャシーに綺麗な服を貰ったんだ。顔上げて笑ってろ。笑ってる風華が世界で一番可愛いんだから」


「大袈裟。でも…ありがとう…」


安心させる様に少し冷たくなってる風華の手を握って歩き出す。集落に居た時もこうやってたっけ…妖の子…か…嫌な事思い出しちまった…


「其処の君達!魔術師撲滅について議論を交わさないか?見た所旅人の様だが…」


「急いでんだ!」


「…兄さん…」


クソ…祭りだからか人が多いし…このスペースほぼ魔術師を批判する奴等じゃん!風華の声が震えて俺の手をギュッて握ってる。大丈夫、大丈夫だからな、風華。


「通してくれ!妹の具合が悪いんだ!」


声を張り上げて、人の合間を縫って何とか進んで行く。絶対に逸れない様に手はしっかりと握って。逆にキャシーに服作って貰って良かったかもな…ローブだったら…ちょっと嫌な予感するし…


「お嬢さん達!こっち!」


「風華、掴まってろ」


「…!」


小さな路地から、女の子が俺達に向かって手招きをしてくれた。俺は急いで風華を抱き上げてその女の子の方へ向かう。細い路地は人気が無くて、漸く一息着ける。はあ…疲れた…


「ありがとな。えっと…」


「シェリアよ。シャーリーって呼んで」


「シャーリーか。俺は雷葉でこっちが風華。本当にありがとな」


でも…何でこの子俺達を助けてくれたんだろうな…ってか、森にも行けて無いし…早く行かないとマキアと逸れるよな、これ。
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