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参章 芸術の国・アーティオン

二話、めっちゃ楽しみだぜ!!

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「こんにちはー。服を買いたいんですけど」


「あらいらっしゃい。旅人さんかしら?」


「あ、はい…」


入った店の奥から出て来たのは、ワンピースを着た大男だった。おおう…何か…想像と違ったんだけど…まあ…誤差!!!


「どんなお洋服がお望み?オーダーメイドから市販品まで幅広いわよ」


「妹に似合う奴を頼みたいんです!」


「あら、妹さん?」


店員?は風華に近付いて、屈み込むと風華の顔をズイっと覗き込んだ


「…!?」


「あらァ!!可愛いじゃないアンタ!ふふ、デザイナーとしての血が騒ぐわあ…ねえねえ、オーダーメイドして行きなさいよ。アタシが世界に一着のステキなドレス作ってあげる」


「マジで!?おねしゃす!」


俺の返答に満足そうに頷くと、この人は何処からかメジャーを取り出して、風華の採寸を始めた。


「ほっそいわねぇ…ちゃんと食べてるの?」


「は、はい…」


「ドレスはお祭りで着れるものもいいけど、それが終わっても着られるのが理想よねぇ…マーメイドよりかはフレアね…」


何か分かんない単語を羅列しながら、店員がメモに色々と書いている。


「あ、アタシはキャサリンよ。キャシーって呼んでちょうだい」


「おう!よろしくなキャシー」


「お願いします」


キャシーは風華の採寸を続けながらも、マキア達に顔を向けた。


「この子の服を作ってる間アンタ達暇でしょ?あっちのフロアには服売ってるから、見に行ってなさい」


「はーい!行こうぜ!」


「はい」


「おー!」


キャシーに言われた通り、隣のフロアへ行くと服屋のゾーンになっていた。ロリータファッションって言うのか?ロリータとゴスロリが売っている様な感じだ。うん、やっぱり風華に似合いそうだ!


「キャサリン様…世界的にも有名なデザイナーの方ですね。性別関係なくロリータやゴシックロリータが楽しめるブランドを立ち上げ、自らプロデュースを行っています。綺麗なもの、可愛らしいものに目がなく、夢は全世界の可愛らしい人に服を作り贈る事…だそうです」


「だから風華見た時あんなに興奮してたんか…まあ風華可愛いから!!仕方ないけどな!」


「むー…よく分からんぞ?」


うんうんと悩んでるレオンを横目に、マキアに目を向けて、服に目を戻すと…うん。


「マキアも絶対似合うって!ほらこう言うの!一回着てみる?」


「い、いえ私は…」


「えー!?絶対いいと思うんだけどなあ…」


マキア、こう言うハイウエストのスカートに姫袖?がめっちゃ似合いそうなんよ。あーあ!早く見てえな!風華のドレスとマキアのドレス!
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