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弐章 蒸気の国・エンジーム

十七話、此処も良い街だな!煙いけど!!

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「ありがとな!坊主!」


「あいよ!また何かあれば言ってくれ!」


石炭が重くて道に佇んでた爺ちゃんを発見して手助けした。ベレッツァの奴はマキアが居るから大丈夫って事で早々に追っ払った。何か説明長くて面倒かったから!!


「お疲れ様です、ライハ様」


「おう!マキアも道案内サンキューな」


「これが私に出来る精一杯のサポートですからね」


んな事ねぇと思うけどなあ…俺も風華もマキアが居る事でかなり助かってるし。


「にしても、改めて街散策すると、あの郊外とは雲泥の差だなぁ…彼方の方は魔獣が出たらどうしてんだろ…」


「…それはアデルバード様に直接お伺いした方が賢明かと」


「それもそーか。後は…屋台通り行ってみるかな。工場とか炭鉱は一通り見て回ったし」


いやあ、工場も炭鉱も凄かった。独特の掛け声だったり、オイルの匂いだったり。普通じゃ見れないものを見れたよ。どっちも少し手伝ったんだけど、俺の馬鹿力役に立ったらしくて滅茶苦茶お礼言われた。最高だよな!

旅人は歓迎され無いらしいけど、何かベレッツァの奴らが口利きしてくれたらしい。魔獣からこの街を守る手伝いをしてくれてる~って感じで。だから敵視って言うか、嫌厭される事は無かったな。


「食べ物の屋台に布の屋台…色々あんだなあ」


「エンジームは、機械の発達により様々な生産品がある事で有名です。特にエンジームの鉱山で採れる宝石や鉱石は最高品質とされ、高値で取引されています」


「へぇ~、燻製の食べ物だけじゃねぇのか」


布とかアクセサリーの屋台の前には、女の人とか女の子が商品を覗き込んで楽しげに会話をしてた。あれは母娘…なのか?…母上にも…こう言うの、買ってやりたかったな…


「…?ライハ様?」


「…ぁ、何でもねえよ!そうだ!風華にお土産買って帰ろうぜ!何が良いかな?」


「スイーツ等は如何でしょうか」


スイーツか!風華も甘い物が好きだからな!良し、採用だ!!


「ライハ様とフウカ様は本当に仲がよろしいのですね」


「ん?おう!たった一人の肉親だからな!」


「たった一人、ですか?」


あ、そっか。マキアってかジャックも知らねえんだっけ?あー、まあ軽く説明しとくか。


「嗚呼。母上は俺達が小さい頃に空に還って、父上は記憶すら無い。だから俺にとっての肉親はもう風華しか居ないんだ」


「…配慮に欠けた質問でした。申し訳ございません」


「良いって。別に俺達はそれを嘆いてる訳じゃないし、マキアも悪気があった訳じゃないし。誰も何も悪くねえよ!さ!土産のスイーツ買いに行こうぜ!」


実は少し胸が痛いのは内緒だ。未だに母上を恋しくなる日はあるよ。特に…笑いあってる家族を見ると、余計にな…
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