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弐章 蒸気の国・エンジーム

四話、少しの違和感は信じるか迷うよね

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「撃退終了~!!意外と骨が折れたな」


「そうだね。速いし力も強かった。また今度撃退の依頼受けよ。慣れないと」


「お二人の戦闘スタイルとフィアスボアのデータをインプットしました。次回の戦いに役立てられる様、常にアップデートを繰り返します」


今日はマキアと一緒に旅に出て初めての戦闘だったんだけど、強かった。守るって選択肢が無いくらいね。流石にガトリング持ち出した時は吃驚したけど…普段は縮小してボディの中にしまってるらしい。


「あー腹減った!風華ぁ飯~」


「どうせベーコンと卵のトースト食べたいんでしょ?材料買って宿探すよ」


「よっしゃい!さっすが風華!!俺の事なんでも分かってるぅ!」


さっきベーコンの匂いがした途端お昼ご飯決まったって言ってたからね。兄さん単純だからすぐに分かる。


「にしても、確かにボア凶暴だったな。普通剣で威嚇するとビビんのに彼奴等普通に突っ込んできたもんなぁ」


「凶暴化の理由も気になるね。また街で新聞とか読んでみる」


「私も出来る限り情報を集めましょう」


…何故かあのフィアスボアを見た時、あのガルムもどきを思い出した…本当理由は分からないのだけど…何か…少し嫌な予感はする…


「風華~!!早く行こうぜ~!俺もう腹減りすぎて倒れそう!」


「…はいはい。帰ろ」


「近道がありますが、利用しますか?」


兄さんの下らない話やお腹の音を聞きながら平原を後にする。帰ったら取り敢えず新聞と…後はなんだろう…マキアと協力して何が情報を集めるのが良いよね…


「…?風華様?どうかなさいましたか?」


「あ、ううん、何でもないよ。大丈夫」


「怪我したのか!?」


「してないから」


勘違いしてすぐに駆け寄ってくる兄さんを軽くあしらって、街への道を歩く。まあ、街に着いたらご飯かな。兄さんがうるさいし、私も少しお腹空いたし。


「トーストと…あと何にする?風華」


「スープとサラダとデザート。デザート何が良い?」


「何でも!!」


じゃあ果物で良いか。お菓子作ってもいいんだけど時間掛かるから、デザートって言うよりかはおやつになっちゃうからね。


「じゃあ午後は観光だな!」


「その際のナビゲートはお任せ下さい」


「マキアほど頼り甲斐のあるナビゲーターは居ないね」


この後の予定の話で盛り上がって、不安な事なんて気にしないでいいんだって思える。そうだよね。今気にしても、出来ることなんて少ないから、少しずつ…だね。よし、私も頑張ろう…あ、そう言えば通信結晶の接続やってないからジャックと連絡取れてない。宿に着いたらやっておこう…
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