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壱章 始まりの街・ステンリア

十八話、後悔しても無駄だかんな!?

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「風華!!時間後どんくらい!!?」


「三十分切ってる!!」


「クソ!!重労働過ぎだっての!!」


風華が援護を続けてくれてるけど、マジで人が多い!!本っっっ当に疲れた!!ししょーとせんせーの地獄の鍛錬が優しく思えて来たね!!精神やべぇわ!倒しても倒しても何も景色変わらん!!


「て言うか兄さん!!何でそんな一人一人相手してるの!?兄さんだったら雷伝石のある場所くらい分かるでしょ!?」


「…」


ソウダッタ…俺マジで何生真面目にほぼ全員と戦ってんの?普通にヴォルトに手伝って貰って雷伝石持ってる奴処せばいいんじゃん。あれ?俺って…もしかしてバカ??おい誰だ!!今更気付いたの?って言った奴!!叩くぞ!!


「あー、うん、今からやるぜ??あははは」


「…」


あ、ジト目された。そんな表情も可愛い俺の妹は最強!ってこんな事してる場合じゃねぇな。さっさと雷伝石奪取しねぇと!

そうと決まれば、ヴォルトが反応してるのは何処の誰かなぁ…人間の目は誤魔化せても、その力を司ってる精霊の目は誤魔化せねぇぞ~ってな。あ、居た居たアイツかぁ…弱っそ!!武器も持ってねぇし、ただオロオロしてるだけじゃん。楽勝楽勝!!


「おい其処のオッサン!!!」


「…!?!?」


俺が一気に間合いを詰めたから、オッサンは目を白黒させて尻餅を着いた。うん、何でそんなビビってんのにギルド襲撃したんだよお前。


「お前が雷伝石持ってんだろ。さっさと返せ。それは彼奴等の努力の結晶だ。お前らが持ってていい物じゃねぇよ」


「う…煩い!!お前達子供に何が分かる!!」


「俺達子供でも争いなんか不毛だし、無意味だし、勝手に人の物盗むのはいけない事って分かってんのに、それをしてるのは何処の誰だよオッサン」


本当こう言う大人って馬鹿だよな。子供のが賢いわ。だって、此処にいる奴等の中に子供は混じってねぇし。


「お、お前も見た所非魔術師だろう!!何故魔術師何かと行動を共にしておる!!奴等は我らの文化を汚す異端者だ!!」


「俺の妹に何言ってくれてんだテメェ!!今すぐその口縫い合わせてやろうか!?」


「ひぃ…!!」


ふん!ビビリが!!可愛い可愛い風華を侮辱するからこうなるんだよ!!あ、石握ってる手が半開きだ。ラッキ~。


「あ!返さないか!!コソ泥め!」


「違います~取り返したんです~」


ギャーギャー騒いでるオッサンを尻目に、俺を唖然と見つめている、非魔術師の奴等の横を通り過ぎる。ふぃ~疲れた疲れた~。


「ほら、雷伝石。さっさとマキア戻してやれ」


「…!ありがとう!!マキア、立てるかい?」


「…はい。少々怠いですが…」


ま、本来のお前の動力源じゃないからな。其処は大目に見てくれよ。ジャック達はそのままギルドに入ってった。俺達はどーするかな…ん?何か大量に人がこっち来んだけど!?増援!?嫌だぞ!!?


「はいは~い!動かないで下さ~い」


「ミチル。真面目に」


「え~ルチルはお堅いなぁ。まあいいや。君達がスタディアに攻撃仕掛けた非魔術師の人達?ボク達はセフィロン。この街の秩序とか安全を守る清く正しいギルドだよん」


セフィロン…警察みたいな物か…?制服っぽいの着てるし…てか彼奴等は兄弟か?名前と容姿似てるし…


「失礼ですが、貴方達がこの騒ぎを収めて下さった方々でしょうか。二人の子供が騒ぎを鎮めようとしていると通報がありました」


「あ、多分そう…デス…」


子供…確かにそうだけどさ!!何か面と向かって言われると嫌だよな。子供子供って。


「お、俺は悪くない!!お前達魔術師が全て悪いんだ!!」


「そー言うのいいから!さっさと乗る!!」


魔法石で拘束された主犯格であろうあのオッサンが、何だっけ…何か魔法石で動く車?の様な物に乗せられた。ハ!!ザマァ!!

んで、俺達もしかして事情聴取かな??少しワクワク何かしてないぞ?前世でも少し憧れとか無いし?でもあの車カッケー…
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