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零章 祝福された呪いの双子
十七話、此処から始まれ見聞録!!
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「…本当に行くの?」
「アビィ。止めてやるな。二人だってとても悩んだ筈だ。私達が止めるのは野暮ってものだろう」
「そうだけど…」
出発の準備をした俺達は挨拶の為にギルドを訪れていた。事の顛末を話すと、全員が心配そうに此方に駆け寄ってきて、旅に出る事を話すとまあお察しの通り、アビィの姉ちゃん達に引き留められた。ま!そんなんじゃ俺達の決意は揺るがねぇけど!!
「二人はこの街を出たら何処に向かうのか決まってるのぉ?」
「いえ。それはまだ」
「だったら西に向かうと良い。交通の便があるし、何より新米の冒険者が集まりやすい。ステンリアと言う国だ。待ってろ、確か地図があった筈だ」
アザレナの姉ちゃんの問いに首を振った俺達の為にサーシャの姉ちゃんがギルドの資料室へと入っていった。何か…申し訳ねぇけど…有り難えな…こう言うの…
「アレキサンダーさんとヴィクトールさんが帰ってきたら、二人の事は私から伝えておくね。勿論、ロゼルさんが帰ってきたら、急いで連絡を入れるから!」
「ありがとうございます。アビィさん。ギルドの皆さんにも…とてもお世話になって…」
「気にしないでいいのよぉ。私達が好きでやってる事だもの。それに、ロゼルさんにはかなりお世話になったしねぇ」
ギルドの人が温かい笑みで俺達の事を見守ってくれてる。本当涙が出そうだぜ…!!こんなあったけぇ場所に来れたのも、全部が全部ししょーのお陰だもんなぁ…巡ってる何処かの国で会ったら首根っこ引っ掴んで連れ戻してやる!!
「二人は旅に出てどうするの?それ、まだ聞いてなかったから」
「ん?俺達は純粋に世界を見たいんだ!俺達が育ったのは、狭くて冷たい集落だったからさ…広い世界を見て、知りたいんだ!後は御使の事とか、俺達の事とかさ。もしかしたら、父上が何処かにいるかもだし、ししょーにもばったり会うかもだしさ!」
そう。俺達二人共父上の記憶は無い。だから、実は父上に会ってみたいって言うのもある。色々聞きたい事もあるしな!まあ、それは二の次だ!まずは世界見聞!!沢山の場所へ行くんだ!!
「…ロゼルさんから聞いてたけど…二人は本当に苦労したんだよね…」
「辛くなったら、いつでも帰ってきていいのよぉ。此のギルドに入るのも良いと思うし」
二人以外からも、ギルド内から色んな励ましの言葉が飛んでくる。
「頑張れよー!」
「応援してるかんな!!」
「泣いて戻ってくんじゃねぇぞ!」
鼓舞だったり気遣いだったり色々…目頭が熱くなってきた。本当にやめてくれよ!!泣いちまうだろが!!
「あったぞ。フウカ、ライハ。これが地形結晶だ。お前達の目的地を示してくれる。あとは、二人にアレキサンダーとヴィクトールからだ」
「ん?何だ?」
俺達が包みを受け取り、中を開くと
「おお!剣だ!」
「新しい杖…!綺麗…」
俺には真新しいけど、しっかりと鍛錬されてるな。重い…せんせー…いつの間に買ってたんだろ…嬉しいぜ!!
風華の杖は、中心にクリスタルか?きれーな宝石が埋め込まれてる銀色のやつだ!…何かアイツみてぇな色合いでヤなんだけど…まあいいか
「お前達への指導が終わったら贈るつもりだったらしいな。さっき、二人の事を彼奴等に連絡したら代わりに渡しといてくれとさ」
サーシャの姉ちゃんが俺と風華の頭をわしゃわしゃと撫でた。この居心地良い場所とも暫くお別れだ…寂しいな…
「よし、別れを惜しむのは此のくらいにしようか。ライハ!フウカ!」
「「…!?」」
突然真剣な声色で呼ばれ、俺と風華の背筋が伸びた。な、何だ??
「私達のギルドはお前達二人…いや、家族三人の帰りをずっと待っている!!再び私達にお前達の仲睦まじい光景を見せてくれ!…さあ!行け!若き冒険者達よ!!健闘を祈る!!」
「行ってらっしゃい!!」
「元気でなー!!」
サーシャの姉ちゃんが敬礼して、他の皆も俺達に向かって敬礼をした。なんか、むず痒いけどとっても有り難い送り出しをしてくれた。これは恥を晒す訳にはいなねぇよな!!
「風華!行くぞ!」
「うん!行ってきます!皆さん!」
俺と風華は手を繋いで走り出した。此の手は絶対に離さない。今までも、これからも。少し走ると、この街の出口が見えて来た。
まだ小さい一歩だけど、確かな一歩。俺達は同時に門の外へ飛び出した。今まで生きて暮らし来た街を振り返り、すぐに前を向く。
「…出たな…」
「うん…」
さあ、此処からが始まりだ。待ってろよ世界!
「アビィ。止めてやるな。二人だってとても悩んだ筈だ。私達が止めるのは野暮ってものだろう」
「そうだけど…」
出発の準備をした俺達は挨拶の為にギルドを訪れていた。事の顛末を話すと、全員が心配そうに此方に駆け寄ってきて、旅に出る事を話すとまあお察しの通り、アビィの姉ちゃん達に引き留められた。ま!そんなんじゃ俺達の決意は揺るがねぇけど!!
「二人はこの街を出たら何処に向かうのか決まってるのぉ?」
「いえ。それはまだ」
「だったら西に向かうと良い。交通の便があるし、何より新米の冒険者が集まりやすい。ステンリアと言う国だ。待ってろ、確か地図があった筈だ」
アザレナの姉ちゃんの問いに首を振った俺達の為にサーシャの姉ちゃんがギルドの資料室へと入っていった。何か…申し訳ねぇけど…有り難えな…こう言うの…
「アレキサンダーさんとヴィクトールさんが帰ってきたら、二人の事は私から伝えておくね。勿論、ロゼルさんが帰ってきたら、急いで連絡を入れるから!」
「ありがとうございます。アビィさん。ギルドの皆さんにも…とてもお世話になって…」
「気にしないでいいのよぉ。私達が好きでやってる事だもの。それに、ロゼルさんにはかなりお世話になったしねぇ」
ギルドの人が温かい笑みで俺達の事を見守ってくれてる。本当涙が出そうだぜ…!!こんなあったけぇ場所に来れたのも、全部が全部ししょーのお陰だもんなぁ…巡ってる何処かの国で会ったら首根っこ引っ掴んで連れ戻してやる!!
「二人は旅に出てどうするの?それ、まだ聞いてなかったから」
「ん?俺達は純粋に世界を見たいんだ!俺達が育ったのは、狭くて冷たい集落だったからさ…広い世界を見て、知りたいんだ!後は御使の事とか、俺達の事とかさ。もしかしたら、父上が何処かにいるかもだし、ししょーにもばったり会うかもだしさ!」
そう。俺達二人共父上の記憶は無い。だから、実は父上に会ってみたいって言うのもある。色々聞きたい事もあるしな!まあ、それは二の次だ!まずは世界見聞!!沢山の場所へ行くんだ!!
「…ロゼルさんから聞いてたけど…二人は本当に苦労したんだよね…」
「辛くなったら、いつでも帰ってきていいのよぉ。此のギルドに入るのも良いと思うし」
二人以外からも、ギルド内から色んな励ましの言葉が飛んでくる。
「頑張れよー!」
「応援してるかんな!!」
「泣いて戻ってくんじゃねぇぞ!」
鼓舞だったり気遣いだったり色々…目頭が熱くなってきた。本当にやめてくれよ!!泣いちまうだろが!!
「あったぞ。フウカ、ライハ。これが地形結晶だ。お前達の目的地を示してくれる。あとは、二人にアレキサンダーとヴィクトールからだ」
「ん?何だ?」
俺達が包みを受け取り、中を開くと
「おお!剣だ!」
「新しい杖…!綺麗…」
俺には真新しいけど、しっかりと鍛錬されてるな。重い…せんせー…いつの間に買ってたんだろ…嬉しいぜ!!
風華の杖は、中心にクリスタルか?きれーな宝石が埋め込まれてる銀色のやつだ!…何かアイツみてぇな色合いでヤなんだけど…まあいいか
「お前達への指導が終わったら贈るつもりだったらしいな。さっき、二人の事を彼奴等に連絡したら代わりに渡しといてくれとさ」
サーシャの姉ちゃんが俺と風華の頭をわしゃわしゃと撫でた。この居心地良い場所とも暫くお別れだ…寂しいな…
「よし、別れを惜しむのは此のくらいにしようか。ライハ!フウカ!」
「「…!?」」
突然真剣な声色で呼ばれ、俺と風華の背筋が伸びた。な、何だ??
「私達のギルドはお前達二人…いや、家族三人の帰りをずっと待っている!!再び私達にお前達の仲睦まじい光景を見せてくれ!…さあ!行け!若き冒険者達よ!!健闘を祈る!!」
「行ってらっしゃい!!」
「元気でなー!!」
サーシャの姉ちゃんが敬礼して、他の皆も俺達に向かって敬礼をした。なんか、むず痒いけどとっても有り難い送り出しをしてくれた。これは恥を晒す訳にはいなねぇよな!!
「風華!行くぞ!」
「うん!行ってきます!皆さん!」
俺と風華は手を繋いで走り出した。此の手は絶対に離さない。今までも、これからも。少し走ると、この街の出口が見えて来た。
まだ小さい一歩だけど、確かな一歩。俺達は同時に門の外へ飛び出した。今まで生きて暮らし来た街を振り返り、すぐに前を向く。
「…出たな…」
「うん…」
さあ、此処からが始まりだ。待ってろよ世界!
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