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零章 祝福された呪いの双子

十四話、胸騒ぎって案外分かりやすいんだな!!外れろ!!!

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「998!!999!!千んんんん!!」


「新記録更新、おめでとう兄さん」


あれから二週間が経って、俺はせんせーに言われた課題って言うか日課の素振りをしてる。クッソ疲れた!!!

ししょーの所に来て、かなり時間が経った。俺達は其々の武器と言うか身を守る術を培った。俺は剣と拳だ!物理で殺る!!風華は杖だ。風華は目を見張るスピードで実力を上げた。ししょーの度肝だって簡単に抜いて、マジで爽快だったわ。


「師匠遅いね…定例会…いつもはこんなに長くないのに」


「そうだな。今日の夕飯はししょーが当番なのにな~。普段ならもう帰って、俺達を見に来ても良い時間帯だろ」


ししょーは、年に何回か開催される、魔術師や貴族、一般市民の代表者として、この国の王が住んでる城での定例会に呼び出されてる。普段なら今のこの時間はゲッソリして帰って来てる筈なんだけどなぁ。


「…やっぱり、最近の魔術を持ってたりする人と、科学や力を主としている人達が対立してるのが原因なのかな…ヴィクトールさんも対立を治める為に、依頼に行ってるみたいだし…」


「…そうだな…せんせーもそれに駆り出されてる。ししょーも無関係ではないだろうからな…まあ、ししょーとの約束で俺達だけじゃ城下には行けないからな。兎に角待ってようぜ。俺はもう少し鍛錬続けるけど、風華は?」


「私は薬草を取りに行ってくるよ。そろそろ切れちゃうから」


風華は最近、ししょーに教わりながら魔法薬や回復薬を作ってるんだ。本当に多才だよ我が妹は!!!


「あんまり遠く行くなよ?ししょーの結界があるって言ったって、此処は山なんだ。魔獣とか猛獣とか、毒虫とかいるからな!?何かあれば俺を呼ぶんだぞ!?」


「分かってるし過保護だよ兄さん。私だって、ヴィクトールさんと師匠から、ちゃんと攻撃系の魔法とか神力とか習ってるんだからね」


「…ゔっ…し、心配なんだよ…お前は家族なんだからな」


俺がシュンと俯いていると、風華がクスリと笑う気配がして、俺の頭に小さい風華の手が乗った…御褒美…??


「ありがとう。でも大丈夫。もう私は守られるだけじゃないよ。ちゃんと守る力、貰ったし、使えるようになったもん。だから私を信用して欲しい」


これが天使…?俺の妹は天使だった??…今更か!!もうこんな事言われたら頷くしかねえじゃん!!??


「…でも、早めにお家に帰ろう。兄さん。風の精霊達が騒がしい…嫌な感じがする。母さんの時と…似てる感じ…」


「そうか。分かった。三十分で切り上げよう。いいな、風華。三十分後に此処に集合して帰ろう」


「分かった」


風華の風の精霊が告げる嫌な予感は的中率がほぼ百と言っても過言では無い。母上が空に還った日も、今のように風華は嫌な雰囲気を訴えてた。信憑性は高いんだよなぁ…外れろ!!嫌な予感など!!だって…この場合…何かがあるのはししょーなんだよ…俺も騒がしいのは分かるけど、俺に何かが降り掛かる感じでもない…ししょー…早く帰ってこいよ…
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