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零章 祝福された呪いの双子

十二話、あっという間に年月って流れるよな…歳取った!!

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「あ"~づがれだ~」


「お疲れさん、ライハにしちゃ良くやったじゃねえか」


「俺にしてはって何だよせんせー」


座り込んでる俺を眩しいくらいの笑顔で覗き込んでるのは、ししょーが厚意にしてたギルドのメンバー“アレキサンダー”扱うのは神力なんだと。だからあの時ししょーはせんせーを探してたらしい。扱う神力は雷鳥サンダーバードだとよ。俺も雷使うから教わってんだよ。風華もアイツ…ヴィクトールに色々教わってるらしい。クソ!!アイツ風華に手ぇ出したらタダじゃおかねぇからな!!ぜってぇ燃やす!!

ギルドに初めて来た日から早一年…時の流れってすげぇよなぁ。せんせーにも一年教えて貰ってるし、ししょーに会ったのももうかなり前の出来事だ。なっつかし!!


「ライハ、お前は確か双子だったよな」


「ん?おう!可愛い妹の風華がいるぞ!そっかせんせーは風華にあった事無かったな…!今度連れてくるわ!あ!惚れんなよ!?」


「惚れねえよバカ。それで、持ってる神力は同じものか?」


何かやけに質問してくんなせんせー。この呼び方は、アレキサンダーって呼んだら先生って呼べって言われたからこうなってる。デジャヴ~


「そうだけど?俺が炎と雷の精霊スピリットで、風華が水と風の精霊スピリット。俺たち本当真逆でさぁ~!風華のコントロールは本当に凄ぇんだぜ!?繊細って言うかミリ単位で最近は調整出来るらしい!!自慢の妹だ!」


「…そうか。いいか、ライハ。お前に大事な事を教えておくぞ」


「…?何だよ改まって」


「…俺はまた明日から依頼に行かなきゃならねぇ。だから今教えておく。ライハ。御使に双子が産まれた事案は本当に稀だ」


せんせーの目が真剣に俺を見つめてる。でもそれはそうなんじゃね?双子って一般的に見ても珍しいし


「お前達はいつか世界を見ると言っていたな。いいか、これは忠告だ。ライハ。双子の御使…しかも精霊スピリットは自然や物理じゃない。力も何も判明していない未知のものをお前達は持っている。俺も合間合間でお前達と同じ神力を持つ者を調べたが…該当者は見つからなかったし、過去にも居なかった」


「それって、俺達が世界初って事か?」


「そう言う事だ。俺やヴィクトールの様な神力は珍しくは無い。自然系の神力は多いんだ。物理系、そしてロゼルさんの持っている操作系…お前達の神力は全てに当て嵌らず、全てに当て嵌まる。それほど貴重だ。故に狙われ易い」


思わず息を呑んだ。そうだ。ししょーやせんせー…ギルドの人達に触れ合って、これが普通だと思ってたけど…集落みたいに俺たちを嫌う人間もいれば…狙う人間もいるのか…


「こんな忠告をしたのも、最近きな臭いからなんだよ。魔力や神力を持たない人間が不穏な動きを始めてる。俺の次の依頼はその調査だ。この一年、お前の成長はしっかり見て来た。大丈夫だとは思うが、呉々も慢心はするなよ!」


「わーってるよ!!せんせーが帰ってくるまでしっかりトレーニングも続ける!!」


「よし!流石は俺の生徒だな!」


何があっても俺が風華を守るんだ!!それなのに不安がってても仕方ねえもんな!!せんせーには神力の使い方だけじゃなくて剣とか武術とかも教わった!!しっかり俺の物にしてみせんだ!
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