誓いを君に

たがわリウ

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本編

はじめての夜

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 ばたりと部屋のドアが閉められると同時に腰にまわった腕が熱い体に引き寄せる。
 そして次には激しい口づけが容赦なく降ってきた。

「ん……」

 何度も何度もくっついては離れてを繰り返す唇。
 まるでむさぼるようなキスはオーウェンの余裕のなさを物語っていて腹の奥が疼いた。

「ユキ、いいか?」

 小さく呟いた声も、俺に向けられた視線も熱に侵されたかのようだ。
 しかしどこか切なさも感じる瞳に、頷きを返した。
 俺もオーウェンの熱に侵食されている。



 俺の体が沈んだ大きなベッドは少しだけ軋んだ。
 柔らかな感触に体を埋めながら、乱雑に放られた黒と白のジャケットが皺にならなければいいなと思う。
 俺に跨がって黒いネクタイを緩めるオーウェンの色気に、思わずごくりと喉がなった。

「ずっとユキとこうしたかった」

 ネクタイを緩めると俺の黒いシャツのボタンに手をかけるオーウェンは、急いていても丁寧にひとつひとつ外していく。
 感情のままに抱くのではなく大切にしようと思ってくれているのが伝わってきて、また体に溜まった熱が大きくなる。
 長い指がするりとネクタイを外しシャツが開かれると、露になった素肌に指が滑る。
 見るからに筋肉のありそうなオーウェンに平凡だと思われる自分の体を見られるのは恥ずかしいが、そんな体をうっとりと見つめるオーウェンの視線も恥ずかしかった。

「恥ずかしい……」
「大丈夫、俺しかいない」
「オーウェンに見られるのが恥ずかしいんだけど……」

 何が大丈夫なんだ、と思っていると指先が胸の突起に触れる。
 くすぐったさに身をよじったが、つつかれ、軽く引っ掛かれ、何度も擦られるうちにくすぐったさは気持ち良さに変わった。

「んっ」
「ユキ、気持ち良いか?」

 俺が反応を見せると嬉しそうに声を弾ませたオーウェンが今度は顔を埋めてくる。
 べろりと熱い舌で舐められたことに驚いて思わずオーウェンの首に腕をまわした。

「ユキ、かわいい」
「はぁっ」

 何度も何度も執拗に舐め続けるオーウェンは次第に手を下に持っていく。
 金属が触れる音が鳴ったかと思うと器用にベルトが外された。
 チャックが開けられてオーウェンの手が服と下着の間に滑り込む。
 下着の上からでも、オーウェンに触れられているというだけで集まった熱が大きくなる。

「なんかもうこんなになってて、恥ずかしい」

 本当はオーウェンの部屋に入ったときから、これからのことへの期待感で熱を持ち始めていた。
 すでに十分大きくなっているそこに恥ずかしさが募る。
 一度手をどけたオーウェンは俺のそこに擦るように自分の腰をくっつけた。
 服を着ていてもオーウェンのものも十分硬くなっていることがわかり驚く。

「ユキだけじゃない。俺もだ」

 ぐっと腰を押し付けられびりびりと電流が走る。
 気持ち良さに眉を寄せた俺を見て、オーウェンはまた体勢を戻すと俺の服と下着を脱がせた。
 たっている俺のものが大きな手のひらで包み込まれゆるゆると動かされる。
 あまりの気持ち良さにぎゅっと目を閉じた。

「あっ、ん……気持ち良い」
「もっと教えてくれ」

 オーウェンの熱が俺を侵食していく。
 耳に触れる甘ったるい声までも気持ち良いと思った。
 何度も何度も優しくしごく手の動きに高まった熱が限界に近づいて慌てて声をかける。

「オーウェン、もういいから」

 オーウェンの手を止めた俺に少し残念そうな視線が返されたが、俺がオーウェンのベルトに手をかけると嬉しそうに口角があがった。

「俺も同じことしていい?」
「嬉しいが今度してくれ。今日はもう余裕がない」

 自分で服を脱いだオーウェンの体が露になると、そこまでがっしりしていなくてもやはりしっかり筋肉がついていた。
 誰もが羨むような体を見ていると、オーウェンはベッドサイドのテーブルから小さな瓶を手に取り俺にうつ伏せになるよう促した。

「ユキに見られるのも悪くないな」
「俺は見られるの恥ずかしいけど」

 うつ伏せになった俺はオーウェンに尻をつき出すような体勢にされ、今までされたことの中でも比じゃないくらいに恥ずかしい。
 しかし背中に落とされた唇、そのまま肌を滑らされる舌に恥ずかしさを感じる余裕も気づけばなくなる。

「なるべく気を付けるが、痛かったり怖かったら言ってくれ」

 オーウェンの手によって割れ目に冷たくてぬるぬるしたものがたっぷりと塗られる。
 どこまでも俺のことを大切にしてくれるオーウェンの優しさに、恥ずかしさや少しの恐怖も溶けていった。
 解すように割れ目をいったり来たりしていた指がある一点で動きを止める。
 なるべく力を抜くことを意識している俺が大きく息を吐き出したところで、少しずつ指が入ってきた。

「痛くないか?」
「ちょっと痛い、でも、大丈夫」

 俺の反応を見ながらオーウェンは指を少しずつ進める。
 初めは異物感と痛みがあったが、オーウェンの指が優しく広げてくれたおかげでそれも薄くなっていった。

「んっ」

 痛みの和らいだ俺を確認すると指が増やされ、動きも大きくなる。
 オーウェンにこんな姿を見られて、オーウェンの手が俺の知らない部分を侵していることがさらに快感に繋がる。

「オーウェン、もう、いいよ」

 意識したわけではない、懇願するような声に自分で驚く。
 けれどもうこれ以上待てそうになかった。

「わかった」

 指を引き抜いたオーウェンは俺の腰を手で支える。
 すぐ後ろに熱いものがぴったりと付けられた。

「ユキ、好きだ」
「俺も」

 それが合図だった。先端が狭いところをゆっくりと押し広げ、俺のなかに徐々にオーウェンが入ってくる。
 指とは比べ物にならない大きさに、少し痛みが走った。

「大丈夫か?」
「うん」

 なんとかすべてをおさめたオーウェンは俺のことを気遣って動かないでいてくれる。
 その間に大きさに慣れたのか、痛みも和らいでいた。

「熱いな」
「動いて、いいよ」

 本当はオーウェンだって余裕はないのだろう。
 俺の言葉に少し躊躇した雰囲気が伝わってきたが、少しずつ腰の動きが始まった。
 優しく、しかし中を擦るように繰り返される動きに、お互いの熱が高まっていく。

「んっ、オーウェン、気持ち良い、よ」
「っ! ユキ、ユキっ」

 お互いの熱を交ぜながら溢れる愛しさを込めて名前を呼ぶ。

「ん、あっ、あぁっ」

 後ろから何度も突かれる快感に限界が近づいていく。
 オーウェンだけを感じる俺と、俺をむさぼるオーウェンはついに限界に達し、俺はシーツに、オーウェンは俺の中に熱を放った。
 幸せそうに俺の名前を呼んだオーウェンの声が、緩やかに鼓膜を震わせた。
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