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「大切にしてもらえて嬉しいです。でも、あの……」

 何て言えばいいかわからず、視線を巡らせる。はっきり伝えなくてもわかってくれたのか、ルーフスさんは体を起こした。

「では嫌だと感じたらすぐに教えてください」

 僕の胸から顔を離したルーフスさんは、今度は下半身に手を伸ばす。スラックスの上から膨張している箇所を優しく撫でられた。

「っ、あぁっ」
「気持ち良いですか?」

 胸よりも強い快感に襲われ喉が仰け反る。遠慮がちにスラックスと下着がずらされ、張り詰めたものがあらわになった。
 ルーフスさんの大きな手がまとわりつき、握られる。

「あっあっ、きもちいい、ですっ」
「賢者様はこのように乱れるのですね……」
「んっ、あぁっ、ん」

 優しく優しく手が動かされる。
 ルーフスさんに触られているだけでも衝撃が大きいのに、うっとりと愛しそうな目で見られ、ゾクゾクとした快感が背中を走った。

「あっあぁっ、ルーフスさんっ」
「賢者様……乱れる姿も声も、なんて愛しいんだ」
「んっ、っあ」

 僕を絶頂へ促すために、手の動きは速くなっていく。頭がしびれ、強い快感がせり上る。弾けそうになって僕は慌てて首を振った。

「ルーフスさん、だめっ、だめですっ……っんぅ」
「何故ですか? 俺の手では駄目でしょうか」
「ちがうんです……」

 駄目だと首を振る僕に、ルーフスさんはすぐに手を止めてくれた。はぁはぁと息を乱したまま僕は、不安そうにするルーフスさんを見る。

「……果てるのは、ルーフスさんと一つになってからが良いなんて、わがままでしょうか……」
「っ、そんなことありません。そんなふうに思っていただけてとても嬉しいです」

 呪いのせいで辛い状況でも、そんなわがままを抱いてしまった。
 口にした通り嬉しさを滲ませるルーフスさんは、自分の服に手をかける。シャツを脱ぐと鍛え上げられた逞しい肉体があらわになった。
 厚い胸、太い二の腕に目が引き寄せられる。

「……恥ずかしいものですね」

 恥ずかしそうに微笑んだ彼の照れが僕にも移る。僕もほとんど脱げかけた服を体から抜き取っている間に、ルーフスさんは穿いていた服と下着も下ろした。
 硬く、大きくなっているものを見て、唾を飲み込む。

「油など用意できておりませんが、大丈夫でしょうか」
「はい、この呪いは痛みも和らぐので平気です」

 それにここまできて中断することはできなかった。体の奥から、彼が欲しい、彼と一つになりたい欲求が強く湧き出てくる。
 僕は強請るようにルーフスさんを見た。優しく手がそえられうつ伏せにされる。
 腰だけを持ち上げられると、ついにという思いでまた緊張に襲われた。

「賢者様、怖くはないですか?」
「はい……ルーフスさんだから、怖くないです」
「っ……では、痛みがあればすぐに伝えてください」

 お互いの鼓動の音が聞こえそうだ。肌と肌がぴったり密着する。押し付けられた熱がゆっくり僕の中へ入った。

「っ、あっ、あぁっ」
「賢者様っ……少しずつ、進めます」

 まるで自分に言い聞かせるかのように言ったルーフスさんは、ゆっくりゆっくり腰を進める。
 時間をかけるほうが負担は少ないが、そのぶん彼に体を侵食されてる感覚を生々しく、じっくり感じた。
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