だいすきなひと

まろん

文字の大きさ
上 下
17 / 20

成人式

しおりを挟む
冬休みはクリスマスで始まり年を越したらあっという間に終わってしまう。
大学3年生の冬休みは本当に秒で過ぎ去った。

授業開始。今月はテストもある。
なんと言っても2年生は成人式がある。
学校に2年生がいないのだ。
ふみふみとあおちゃんも成人式のために帰省するといい私に空港まで送ってほしいと頼んできた。
約束した時間に迎えに行くと、マックの袋を持ってやってきた。
もぐもぐタイム
と目の前にいるのにラインを送ってくるふみふみ。
こんな愛しい彼ともしばらく会えないと思うと胸が苦しかった。
後数時間後にはバイバイしないといけない。時間よ、止まれ。私は心の中でそう思っていた。

空港までは車で30分くらいだ。冬休み中何度も帰省する友達を空港まで送っていたためもう慣れっこの道になっていた。
後輩たちと楽しいドライブをした。
ふみふみとあおちゃんは20歳なのにダジャレばっかり言う親父みたいな中身だ。
でもそんなふたりだからこそ大好きでたまらない。
私のことをとことんいじってくるし、相手をしないで放っておくとちょっかい出してくるしこんな小学生みたいでツンデレな可愛い後輩がいることが私の中ではかなり自慢だった。

いつも意地悪ばかりしてくるふみふみにちょっと意地悪な仕返しをしたいと思い、嘘泣きか冗談を言ってきたときに本当に怒ってみることにした。
車の中で後部座席に座ったふみふみは運転している私にちょっかいを出してきた。
運転してるんだからやめて。とガチトーンで返すと
怒った?と聞いてきたので
私は敢えて無視をした。
その瞬間、なんで無視するの?と寂しそうな顔をした。このやり取りを見ていたあおちゃんが、あ~ふみふみいじけた~という。
最初に手出してきたのはふみふみだが、そんなしょげた顔と寂しそうな声を出されたらごめんね、と言いたくなってしまう。
可愛い。守ってあげたい。

私は年上男性に甘えたいとずっと思っていた。しかし、今の私はふみふみのような人と結ばれたいと願っている。
ふみふみと出会って私が本当に求めているものが変わってきたのだ。

空港には搭乗の1時間前に着いた。
私は駐車場に車を止め、2人の搭乗時間まで一緒にいることにした。
泣きそうな自分を必死に堪えて、笑顔でバイバイしようと決めていた。
1週間後にはすぐに帰ってくる。それだけで泣くなんてまたふみふみにメンヘラと言われてしまう。それだけは絶対嫌だった。

実は一度ふみふみにメンヘラっぽいと言われたことがあった。
それはふみふみの家に初めてお泊まりしたあの日だ。
居酒屋で恋愛話してるときになぜか
メンヘラっぽいと言ってきた。
私は嫉妬深いがメンヘラではない。 

メンヘラっぽい 
その言葉が心に残り周りの友達に私ってメンヘラなのかな?と聞くと
あんたに限ってそれはない!とみんな口を揃えていった。
自分では気づいていないが、私は好きな人の前では違う面を見せているのかもしれない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?

キミノ
恋愛
 職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、 帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。  二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。  彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。  無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。 このまま、私は彼と生きていくんだ。 そう思っていた。 彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。 「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」  報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?  代わりでもいい。  それでも一緒にいられるなら。  そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。  Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。 ――――――――――――――― ページを捲ってみてください。 貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。 【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。

粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる

春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。 幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……? 幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。 2024.03.06 イラスト:雪緒さま

最後の恋って、なに?~Happy wedding?~

氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた――― ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。 それは同棲の話が出ていた矢先だった。 凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。 ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。 実は彼、厄介な事に大の女嫌いで―― 元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...