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夏休みをエンジョイしたい!
1:何事もよく考えてから返事をした方がいいっぽい
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とある夏の休日の朝
平時の朝食であれば、モルガさんかへーリオスさんのどちらか一人か、もしくは二人共すでに仕事でいないということが多く、滅多に全員が揃って朝食を摂る機会がなかった。
その全員が奇跡的にも揃った『滅多な日』の今日、へーリオスさんから雑談の中でこんなお願いをされる。
「アオイちゃんもだいぶ魔国に馴染んできたようだね。以前はあまり学園に行きたがらなかったゴーシェも毎日通うようになったし、君には感謝しているよ」
「ち、父上!行きたがらなかったとか、アオちゃんに言うのはやめてください!」
「ははは、本当のことだろう?
ああ、そう言えばアオイちゃんにお願いがあったのだけど……先日のMBA祭のお弁当に振舞われたメニューが素晴らしかったと妹が私に自慢してきてね。良ければ私の経営しているバーの方で軽食として出させてもらいたいのだがダメだろうか?」
「あ、タパスとピンチョスのことですか?確かにアイさん達には好評だったみたいで、すごく美味しいと褒めてくれました」
「た・ぱす、ぴん・ちょす?ああ、確かそのような名前だったかな。あと薄くスライスしたバゲットに何か乗ってたとかなんとか」
ん?へーリオスさん区切りがおかしいです。なんだか人の名前みたいになってますよ
「はい、タパスは小皿で出すおつまみ的なもので、今回はバゲットを小皿代わりにして出しました。ピンチョスは具材を食べやすく串に刺したものをお皿に盛りつけた料理です。どちらも前菜や軽食みたいなもので、差があるとすれば串に刺さっているかいないかだけですね」
「ほぉ……それであれば、再現するのは難しくなさそうだ。アオイさんの世界では色んな食べ方が普及していたのだね」
初めは秘密にしていた転生の話なんだけど、しばらくお世話になるのに私がボロを出さない確率の方が低いと見たルティ。結局、私の身の上話をザックリと伝えることにしたのだ。
まぁ然したるチートな力もなければ、珍しい見た目でもないので『へぇ~前世の記憶がある人なんだ~』みたいな感覚でサラっと受け入れられたし、特技の言語理解の時のリアクション以下で拍子抜けしたくらいだった。転生ってたいしたことないのか……自分の認識を改めようと思う
なんならプリンを初めて食べた時の衝撃の方が余程大きかったと思う。私の秘密なんてプリン以下なんだなって。。。でも気が楽にはなったけど
「そうですね、食べることにはかなりこだわりが強い民族だったと思います。モルガさんのように世界中から食材を輸入したり、各国の料理を自分たちの口に合うようにアレンジしたり……国を出なくても世界中の料理を食べることが出来るような国でした」
「ふふ。だからアオちゃんは食いしん坊なのか~」
「ち、違うし!別にみんながみんな食いしん坊なわけじゃないよ。私は基本的に一人だったから、食べ歩きとか、たまに自分でも調べて作ることを趣味にしていたからで……あ、確かに食いしん坊だね」
「アオイ、自分で墓穴を掘りましたね」
「わぁぁぁ!ホントいつもこうだよね私って……」
「でも、そこが可愛らしいところだと思うわよ。それに、アオイちゃんからは悪意とか媚びた感じのようなものを感じないもの。だから人見知りだったゴーシェでもすぐに打ち解けたのだと思うわ」
「モルガさん、嬉しい……でも、私はそこまで善人ということはないんですよ。結構言いたいこと言ってますし。強いて言えばそこまで器用にできないだけなんですよ」
「アオイは不器用くらいでちょうど良いのですよ」
そう言えばよく言ってるね。じゃあ不器用のままで生きて行こうと思うよ
「それに、悪意には悪意が返ってくるって言いますし、それなら逆に徳を積めば徳で返ってくるかな~なんて安易な考えで生きてきただけですよ?まぁ一度はそれでもあっさり死んでしまったんですけどね……あはは
でも、お陰でって言ったら変ですけど、今はこうしてルティと出会って、リイルーンのルティの家族や皆さんとも出会うことができたし、学園にも通えて今すごく幸せですよ」
「「「「……………」」」」
あ、あれ?誰からもリアクションがないんだけど、なんかおかしなこと言ってしまいましたかね?
「アオイ、私の方こそ出会えて幸せです。この世界に来て下さってありがとうございます!」
「アオちゃん、うちに来てくれてありがとう!大好きだよ」
「え、え、どうしたの?なんで?う~ん、ありがとう……??」
「アオイちゃん……君はホントに…くっ、最近涙もろくなったようでいけないな」
「アオイちゃん、リイルーンもアオイちゃんにとって故郷のように思ってるって聞いていたけど、あなたはゴーシェの妹なのでしょう?だったら私達の子供でもあるわけよね。だから、ここもあなたの帰る場所だって思ってもらえたら嬉しいわ」
「そうだな、もしルーティエと別れたとしても、ここは君の家だと思っていいからね。カーモス、お前も覚えておいてくれよ」
「かしこまりました、ご主人様。その際はルーティエ様の方を出禁に致しましょうか?」
「伯父上!本当にこういう時だけ、母上と血の繋がった兄妹なのだと実感致しますね。二人共どうして私とアオイが別れる想定をするのでしょうか」
「フフ、それは……まだお付き合いをしているというだけで、それ以上もそれ以下もないのですから当たり前ではないでしょうか?」
「くっ、カーモス……痛いところを。やはり魔法誓約書を…」
「あーー!!なぁんか、違う方向に話が流れちゃいましたよね!そうそう、へーリオスさんのお店に出したいって話の続き、続きはなんですか?」
ほらほら、話題を戻しましょうよ!
「うん?あぁそうだった。いや、竜王様から『魔国も観光に力を入れたい』って言われていてね。私ができるのはお酒や料理の提供くらいだから、何かないか考えていたら、アイオライトから先ほどの話があったというわけだよ。
リイルーンで大ヒットさせた【ぷりん】もアオイちゃんのレシピからなのだろう?ぜひ若者からの意見ももらいたいのだが、こちらは中々良いアイデアが出なくてね……」
「え、じゃあ私にもお手伝いできることがあれば、ぜひ!…とは言っても、ずぶの素人なので、できることは少ないですけど……えへへ」
「アオちゃんがやるなら僕も手伝うよ!大丈夫、僕たちは意見を言って、取り入れるかどうかは父上達に任せればいいだけなんだから、もっと気楽に考えよう?」
「もちろん、私もサポートしますからね。やってみたいのであれば、軽い気持ちでもやってみたらいかがですか?」
「うん、二人共ありがとう!!」
こうしてメンバー三人の自称 観光推進課 青年部(仮)が発足した!
そんなもの存在しないけど、カッコよくチーム名をつけたかった…ただ、それだけ
******
「え~それでは最初で最後の観光推進課 青年部会議を始めたいと思います……その前にひと言、宜しいですか?」
「ん、なぁに?」
「なんでしょうか?」
「二人共、カッコいいが過ぎるっ!!なぜ、カメラがここにないのかっ!!絵師、絵師でもいい、呼んで欲しい!!」
「ふむ。もうすでに、ひと言は終了しておりますね」
「ルティはただハーフアップにしているだけなのに、なんだそのけしからん色気は。不要なものは持ち込まない!ポケットにしまっておきなさい!」
「おや?この髪型がお好みでしょうか?アオイは縛っている方が喜ぶようですね」
「ゴーちゃんは……なにそれ?今日のテーマは『新卒の就活中です』風な張り切った雰囲気なのに、髪は編み込んじゃ駄目でしょ?
天使がそういうことしたら鼻血出ちゃうから!七三分けとかに…いやしなくていいけど」
「アオちゃん、編み込みも好きなんだね。僕も時々髪型を変えようかな。それにしても、今日もなんかわからない呪文を唱えているね。ふふ、見ていてホント飽きないなぁ」
「ゴーシェ、いつもの発作のようなものですよ」
「ハァハァ……はい、スッキリしました。もうさ、二人とも瓶底メガネでも掛けておきなよ。目に悪い!」
「目が悪くないのに瓶底メガネを掛ける方が、目に悪いと思いますが?」
「はい、私語は禁止ですよー」
「理不尽な進行役ですねぇ……」
「ゴーちゃんは瓶底メガネないからって、室内で無理矢理サングラス掛けないで下さい。何気に似合ってるから!ちょいワル天使だからっ!」
「え、似合ってた?でもこれ掛けたままだと字が読み辛いね~」
「ゴーシェもわかっててアオイの暴走列車に乗り込まないことですよ。話が全く進みません」
「サーセン!」
「ルーティエ兄さん……すみません」
ふざけた寸劇はオカンティに叱られたことにより閉幕し、話し合いを再開した。とは言え、タパスとピンチョスを使うことは確定しているので、あとは具材をどうするか……具材、具、ぐ、、、
ぐぅぅぅ
「……」
「ん?今のって」
「アオイのお腹が鳴ったのでお昼でしょうか?」
「へい……」
静かな空間で鳴る、お腹の音って響くんだよね……しっかり昼に鳴るなんて私の体内時計すごい
ハト時計ならぬ、ハラ時計
***
会議という話し合いなんぞは、到底私には向かないので即刻解散式を行い、せっかくなので、ランチにキッチンの一角を借りてタパスとピンチョスを作ってみることに
ルティは……もう私は教えることがないほどの腕前なので、ちょっとアドバイスする程度。逆に自称料理は壊滅的だというゴーちゃんは、盛り付けのみの担当なので、盛り付けと串刺しを手伝ってもらった。
ふむふむ、ほ~う、なるほど………うん、私いらなくね?
ようするにさ、私はプロデュースだけをしてルティが作る、そしてゴーちゃんが美しく盛るで完成なわけでしょ?そんでもって、ゴーちゃんは本当に料理が壊滅的なの?なんで?っていうくらい盛り付けセンスは抜群なわけよ。
考えてみたらアクセサリーも作れるんだもんね。そしてエルフ族系統は美に関することなら何でも長けているんだわと勝手に結論に至ったよ。よーいスタート!はい、ゴール!って感じで。
絵面的にもさ、美男子二人がハーフエプロンつけて……いや、首掛け型のエプロンもいいよね?もちろん下は白のカッターシャツで……
「うん。カッコいい……へへへ」
「何がですか?出来上がりましたよ」
「アオちゃんまた妄想旅に行ってたんでしょ?本当好きだねぇ」
「だって、私は特に役立つことなんてないからさ。もう二人がやったらいいのに」
「え?アオちゃん本当はやりたくないのに無理に頑張ってたの?」
「あ、違うよ。二人が凄すぎて圧倒されただけ。私はせいぜい監修だけで良さそうだなって」
なぜか二人共、顔を見合わせてやれやれといったポーズを取り、溜息を吐いた。年の差めちゃありの割に、中々仲の良い従兄弟同士ですな。
「また自分を卑下する癖が出ましたね。これらの作業はアオイから学び、私もアオイと共に作れるようになりたいと努力したものであって、あなたというきっかけがなかったら生まれなかったものなのですよ?」
「そうだよ。それこそ僕なんて料理は作れないし、ゼロから生み出すアイデアもないしさ。逆に僕でもできる仕事を振ってくれたアオちゃんに感謝してるんだから」
「私の生きている年数を考えれば、それだけの経験を積んでいてもおかしくはないのですよ。単純に一つのことを10年間学び極める、これが100年なら10個ほど完璧に習得できるわけですからね。アオイは50年ほどしか生きていないのですから、ここは年上を立てて下さい。あ、厳密には今は1歳でしょうか?ふふ」
「そうだよ、僕だってアオちゃんのお兄ちゃんなんだから、妹には「スゴイ!」って思われたいよ」
もう全米が泣くわ、スタンディングオベーション!アオデミ―賞なら総ナメっすわ!
私が1くじけようものなら5倍、10倍は上げてこようとする、この二人の優しさライセンスの素晴らしさが目に沁みますが、これはきっと今刻んでいる紫玉ねぎのせいだ……ズビッ。
「ズビッ……よぉ~し、じゃあ私も負けずに新しいレシピを考えちゃおっと、あぁ~玉ねぎが染みる!」
「はい、その意気ですよ。私達はあくまでサポート役なのですからね」
「僕は温室から彩に良さそうな食用花を摘んでくるよ~」
こうして、へーリオスさんのお手伝いにかこつけて、単にランチにあれこれ種類を作って、料理人のバーべさん、フランベさんにも食べてもらいながら、レシピや感想を一応まとめて試作品と共に渡した
ただそれだけのことが、まさか竜王様の耳にまで入るなんて……時が戻せるなら戻して欲しい
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