上 下
18 / 41
若くないのでエンジョイできません!

15.5:書店員ブクマーは見た

しおりを挟む


【書店 BCMRブクマー

******


 私はしがない書店員兼店長、名前は……
 ブルーゾイBクロムCモルダバイトMルチルRと申します。

 ちょっと長いので、頭文字をとった、ブクマーとお呼びください。ブックマークではございませんよ。
 もうお気づきかと思いますが、私は誇り高きエルフ族です。もちろん美形ですが、何か?

 ここには私しかおりませんので、私が自分で言うしかないですよね?
 視力は良いのですが、書店員っぽいのと私に似合うという理由で伊達モノクルを掛けております。形から入るのも大切ですよ。
 名前の由来通り、新しい発見や知性に特化しておりまして……
 まぁ端的に言えば本好きってことです。


 「由来なんて知らんがな」ですって?文明の利器をご活用願います。


 私も初めは里を出て、世界中で色んな事を実際に見聞きして知識を高めようと思ったんです。志は高くってやつですね。

 ですが、わずか3年で飽きてしまいまして。

 所謂、『3年坊主』ってやつですよね。
 エルフあるあるなんですけど。

 ですが、自分が飽き性だってことはよくわかったので、旅も無駄ではなかったですね。

 そして、ちょっと休憩しようかなと立ち寄った、人族のユーロピアの街で運命を感じました。
 エルフの里にはない創作本やら歴史書、他国の資料なんかも沢山あって……
 あれ?これ読めばわざわざ旅に出なくても良くね?みたいに思っちゃったわけですよ。
 怠けているのではないですよ?何事も効率が大切だって話です。

 それからかれこれ……う~ん200年位?この街で一応書店としてやっております。
 でも、こちらもお客様は選びたいといいますか。正直、読書の邪魔をされたくないので、基本的には「この書店にしかない本を求めている者」か「エルフ族」にしかこの店は見えないので、年中ほぼ無休ですが、お客はほとんどないんですよ。
 あ~最高!


 そんな怠惰……いえ、優雅な読書生活をしていたある日、突然店の前に大きな魔力の気配を感じました。
 おそらくエルフ族であろう予測を付け、久しぶりのお客様をお迎えするべく襟を正す。

―――…リン、リーン!

ドアベルの音が軽やかに鳴る
 お客様のご来店です。


「いらっしゃ……」
 私としたことが、挨拶を最後まで言うことができませんでした。


 なんと、故郷の族長のご子息であられる、ルーティエライト様が目の前に!
 お兄様のラトナラジュ様の方は元Sランク冒険者ですが、彼もAランクとはいえ、その実力はSランク級と聞き及んでおります!!!
 Aランク……カッコいい。


 ラトナラジュ様の冒険譚をまとめた<美しき紅蓮の炎と蒼穹そうきゅうの刃 400年の挑戦 上下巻>これは素晴らしかった……人気挿絵師のS様を起用されておりましたが、この方もかなり力が入っておりましたね。初版の20冊限定で挿絵10ページ増量版を手に入れる為に、発売日が発表された二ヶ月前から並んだ甲斐がありましたよ。


 普段は穏やかで美しいあのお姿が、ひとたび敵と対峙すると、まるで悪魔的な美貌といいますか、地獄の炎と天から降る刃、それはもう、美しくも恐ろしく……
 あぁ痺れますっ!


 そして、眼前におりますのは、その弟君で<紅の雷光>こと、ルーティエライト様ですよ!
 ルーティエライト様も冒険者となりましたが、お兄様のようにON、OFFで表情が変わる方ではなく、ほぼ無表情か不機嫌か……戦闘では怖いか超絶怖いか、みたいな。
 とにかく淡々と依頼をこなしている方で、基本的にパーティも組まない、孤高の誇り高き冒険者だと認識しておりました。


 才能と戦闘センスはもちろんありますが、それに驕らず努力もされていて、『岩の上にも300年』をまさに体現なさっている方です。


 あっエルフことわざなんですけど、わかりますよね?


 ですが……目の前の彼は、その表情は薄っすら笑みを携えており、何なら鼻歌まで歌っておりませんか?
噂とは案外アテにならないものなのですね。


「店主、少し宜しいか?」


 はっお客様を放置したままでした!!


「はい、何かお探しですか?」


 一体ルーティエライト様が何を読まれるのか個人的にも気になりますね。


「私の恋人が体調が悪く出歩けなくて退屈と言うもので……何かおススメはないだろうか?」
「こっ!?ゴホン、おススメ、そうですねぇ……」


 ええっ!ルーティエライト様の恋人?!他国……魔国辺りですかねぇ?まさかの人族……?それはないか。それに病弱な方、か。間違いなく可憐で儚い美人系の方であろう。
 今まで浮いた話は一度も聞いたことなかった方が、いつの間に!!

 これはある種のスクープですよね!!

 ふぅ……落ち着け、私。しかし、今は書店員。お客様のプライバシーを漏らすようなことは致しません。私の心の中に留めておきましょう。そう、私だけが知っている……ふふ。

「とりあえず長編物だが<エルフ少年の150年漂流記>なんかは結構メジャーで良いかと思っているんだが。あとは他国の者にもわかりやすい花言葉シリーズとか」

「お客様の選ばれた本も宜しいかと思われます。あとは……女性ですので一冊くらいは美容雑誌と、恋愛物語なんかも宜しいかと。
 シルバー様はエルフ美容界の重鎮と言われておりますからね、この方の特集時は即完売になる程の人気ですよ」


 エルフ族で美容を気にしない者は一人もおりませんからね。シルバー様のものならマストバイです。


「<1001年目のプロポーズ>は、両片思いの幼馴染同士が中々素直になれないまま過ごし、徐々に距離を近づけるのですが、100年目でようやく手を繋ぎ、200年目で指を絡め、300年目におでこに触れる……という何とも亀の歩みの如くペースはゆっくりなんですが、1000年間もお互いを意識し続けるドキドキ感と、寿命が近づいてようやく決心した彼の、最初で最後のプロポーズ!!」

「ほぉ……」

「寿命が例えあと1年しかなくても、僕は死にましぇん!あなたが好きだからっ!」の名シーンは、ハンカチーフなしでは読めません。グスッ」


「……確かに、何て素晴らしい純愛だ。エルフ族のような長命でなければ理解できない物語かもしれないが、一応それらも頂こう」


「あと少々変化球気味ではありますが、<世界の中心でエルフと叫ぶ>これも中々ですよ。
 中には各国の美しい景色の中で様々な種族が、壮大な景色に向かって愛を叫んでいるのですが……ここからが変化球なのですよ!
 なんと、エルフ族だけは全ての場所で、お相手への愛を、直接囁いているんですよ!
 『叫ぶ』が主旨なのに、エルフだけ『囁く』ですからねっ!!
 やはり想いは叫ぶのではなく、囁くものなのだと、初心にかえるにはピッタリな一冊です」


「確かに、それには同意しかない。言葉を捧げるのであれば、本人にのみ聞いてもらえればいいのだから、わざわざ他人に聞かせる道理はない。
 タイトルは野蛮だと思ったが、内容は非常にエルフの特性が際立っていて好感が持てる、これも頂こう」


「ありがとうございます!わたくし名前に『夫婦円満』、『幸せへの道標』の意味も持っておりますので、これらの本が、お客様とお相手様との円満、幸せへと導くことができましたら幸いでございます」


 最後にようやく、長い本名を名乗りました。頭の片隅で覚えていてくれないでしょうか?


「それは縁起の良い名だな、ぜひあやかりたいものだ。エルフ向けの本もとても充実していて良い、また来るとしよう」


「ありがとうございます。たくさんお買い上げ頂きましたので、一冊お客様向けにオススメ本をサービスで入れておきますね。わかるようにブックカバーを掛けておりますので」

「私向けの?ふむ、暇なときにでも読ませてもらおう」


 そしてお釣りは不要だと、定価の三倍の代金を置き、すぐに転移魔法で消えてしまいました。
 あまりに一瞬のような出来事で、しばらく放心状態でしたが……。


 ハァ、せめてサインだけでも貰えば良かっただろうか……またお会いすることがあれば、サインをぜひ頂きたい。何なら病弱可憐な恋人の方も一緒にご来店なんてことは、、、なさそうだな。


 そういえば、私もそろそろ500歳。ボチボチ嫁探しでもしないといけない頃合いでは?
 世話好きで、無類の本好き、こんな人募集中です。


 あっギルドに女性限定で書籍の整理の依頼でも出してみましょうか?ムキムキな女性は必要ないのでE・Fランク辺りなら良さそうですよね。依頼料もお安いですし。


「久々に売上もありましたので、ギルドへ依頼と、街の本屋で<冒険者の口説き方入門編>でも購入して来ましょう」


「『幸せの道標』は私にも効果あるといいのですけどねぇ」
 
 まだ見ぬ未来の嫁候補を想像しながら、私は何年かぶりに外へ出たのだった。





 彼の運命の糸が誰に繋がっているのか、それはまだ誰にもわからない。




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。

光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。 昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。 逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。 でも、私は不幸じゃなかった。 私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。 彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。 私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー 例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。 「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」 「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」 夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。 カインも結局、私を裏切るのね。 エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。 それなら、もういいわ。全部、要らない。 絶対に許さないわ。 私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー! 覚悟していてね? 私は、絶対に貴方達を許さないから。 「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。 私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。 ざまぁみろ」 不定期更新。 この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。

<続編>アテンションプリーズ!ガラポンの特賞は異世界でした!?~アオイ18歳に若返ったので、異世界でエンジョイしたいと思います!~

三星
恋愛
<完結保証作品です> 続編はルーティエと恋人同士でスタート!魔国学園編が始まります。 ↓↓続編から読まれる方用に、第一部のざっくりあらすじ↓↓  主人公の【アオイ】は50歳 独身、職なし、家なし、運もなし。 昔から地味にツイてないことばかりで、自分なりには徳を積んできたつもりの人生。 そんなある日、商店街のガラポンまわしたら特賞の海外旅行が当たった!  しかし、出発直前に家が火事、職場は経営者が夜逃げして倒産。さらに飛行機事故にも遭い、絶命したはずのアオイが目覚めると真っ白な世界で神様との邂逅。ファンタジーだけど、地球とも似たところがあるもう一つの世界へ転生させてもらえることに。 「とりあえず時間ないから積み立ててきた徳に利息つけてあげるわね!新しい人生をエンジョイしなさい♪」とほとんど選べなかった特典を与えられ転生。なぜか年齢はそのままで転生させられる。    飛行機の座席ごと降り立った地で出会った、美を愛するエルフ族の【ルーティエ】にどういうわけか興味を持たれ、色々すっ飛ばして求婚される。  彼は400歳と言うが、どう見ても見た目は20代前半、350歳年下でも50歳で年齢通りの容姿の私が釣り合うわけない。    魔法を使えるようになったけど、それを生業に生きて行く気がないアオイは、老後の定住先を探そうとするが、しれっと尤もらしいことを言いながらついてくるルーティエ。  一緒に行動し、グルメ観光なんかもして行くにつれ、少しずつ彼に惹かれていくが、やはり引っかかるのは年齢通りの見た目と寿命の差で…アオイはこの気持ちに蓋をする。   「結局、転生したからってこんなんじゃ全然エンジョイなんてしようがないじゃない!」自暴自棄になり、この世界で馴染めなかった魂が離れかけたところ、ギリギリのところで繋ぎとめたルーティエに【薬用ちょうめい酒】を若干だまし討ちのように飲まされアオイは若返る!?  ルーティエの寿命がわけられ、アオイは18歳に!そして寿命は最低でも300年は延びたという。美を愛するエルフの里リイルーンでピッカピカに磨き上げられたアオイは自分に自信をつけ、ルーティエとめでたく恋人同士に。 「アオイが叶えたかった夢は私と一緒に叶えましょうね」ということで「学校に通って青春ってやつをしてみたい」と言ったアオイの夢を叶えてあげるところからスタートとなります。  第二部はきっちり18歳に転生をしたと自覚したアオイの、その後のアフターストーリーで、学生気分ではっちゃけてます。コメディあり、ラブあり♡50代のおばちゃんテイストはかなり鳴りを潜めます。  アオイが地味にツイてない人生から、幸せを掴み、何だかんだ関わった人達も「ほんのり」と無自覚に幸せにしていく物語です。 ※小説家になろうにも投稿しています

殿下をくださいな、お姉さま~欲しがり過ぎた妹に、姉が最後に贈ったのは死の呪いだった~

和泉鷹央
恋愛
 忌み子と呼ばれ、幼い頃から実家のなかに閉じ込められたいた少女――コンラッド伯爵の長女オリビア。  彼女は生まれながらにして、ある呪いを受け継いだ魔女だった。  本当ならば死ぬまで屋敷から出ることを許されないオリビアだったが、欲深い国王はその呪いを利用して更に国を豊かにしようと考え、第四王子との婚約を命じる。    この頃からだ。  姉のオリビアに婚約者が出来た頃から、妹のサンドラの様子がおかしくなった。  あれが欲しい、これが欲しいとわがままを言い出したのだ。  それまではとても物わかりのよい子だったのに。  半年後――。  オリビアと婚約者、王太子ジョシュアの結婚式が間近に迫ったある日。  サンドラは呆れたことに、王太子が欲しいと言い出した。  オリビアの我慢はとうとう限界に達してしまい……  最後はハッピーエンドです。  別の投稿サイトでも掲載しています。

その愛は本当にわたしに向けられているのですか?

柚木ゆず
恋愛
「貴女から目を離せなくなってしまいました。この先の人生を、僕と一緒に歩んで欲しいと思っています」  わたしアニエスは、そんな突然の申し出によって……。大好きだった人との婚約を解消することになり、アリズランド伯爵令息クリストフ様と婚約をすることとなりました。  お父様の命令には逆らえない……。貴族に生まれたからには、そんなこともある……。  溢れてくる悲しみを堪えわたしはクリストフ様の元で暮らすようになり、クリストフ様はとても良くしてくださいました。  ですが、ある日……。わたしはそんなクリストフ様の言動に、大きな違和感を覚えるようになるのでした。

【完結】私を虐げる姉が今の婚約者はいらないと押し付けてきましたが、とても優しい殿方で幸せです 〜それはそれとして、家族に復讐はします〜

ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
侯爵家の令嬢であるシエルは、愛人との間に生まれたせいで、父や義母、異母姉妹から酷い仕打ちをされる生活を送っていた。 そんなシエルには婚約者がいた。まるで本物の兄のように仲良くしていたが、ある日突然彼は亡くなってしまった。 悲しみに暮れるシエル。そこに姉のアイシャがやってきて、とんでもない発言をした。 「ワタクシ、とある殿方と真実の愛に目覚めましたの。だから、今ワタクシが婚約している殿方との結婚を、あなたに代わりに受けさせてあげますわ」 こうしてシエルは、必死の抗議も虚しく、身勝手な理由で、新しい婚約者の元に向かうこととなった……横暴で散々虐げてきた家族に、復讐を誓いながら。 新しい婚約者は、社交界でとても恐れられている相手。うまくやっていけるのかと不安に思っていたが、なぜかとても溺愛されはじめて……!? ⭐︎全三十九話、すでに完結まで予約投稿済みです。11/12 HOTランキング一位ありがとうございます!⭐︎

モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~

咲桜りおな
恋愛
 前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。 ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。 いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!  そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。 結構、ところどころでイチャラブしております。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆  前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。 この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。  番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。 「小説家になろう」でも公開しています。

処理中です...