異世界労働者貴族

8

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アリスが扉を開ける。

「居ない・・」

アリスは窓の遠くの方でルモアの叫び声を聞いて窓に駆け寄る。
シェルファは優雅に羽ばたく。空中でルモアをキャッチして飛び去っていった。

「わあ‥天使だあ・・」
アリスはため息をつくように独りごちた。


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アリスが扉を開ける少し前。


ルモアの書斎から出てくるメイ。


扉の前で待ち伏せていた、体格のいい従業員はメイに食ってかかるように話しかける。
「おい、メイ殿あの飲んだくれのバカをなんとかしてくださいよ。せめてうろつかせないでくださいよう」


「あのゴミのことは気にしないでちょうだい。その辺を漂うホコリと思いなさい」
メイは毅然と歩きなが言った。

「ですが、昨日だって…」

階段を上りきると振り返る。
「お黙り。あなた達がゴミルモアの傷を増やしていたのを知ってるわよ」

「それは…たまたまですよ」
体格のいい従業員はバツが悪そうに言った。


「それと、扉の前で何分待ってたの？」

「いや、それはその…」

メイは一瞥すると、ルモアの部屋をノックした。




メイが扉を開ける。

そこにルモアは居なかった。

張り詰める空気から逃れる様に体格のいい従業員が立ち去る。


そこへ豊満な胸をあらわに白いロングローブを纏うシェルファがやってきた。
「やあ、ルモアのメ～イちゃん」

「シェルファ様。もういらしていたのですか」メイは恭しくお辞儀する。

「気遣いは無用だよー、ところでルモアは？」

「申し訳ありません。ただいま外出中でございます」

「なーんだ。じゃあ僕も散歩してこよっと。あ、ルモアを探してきてあげよっか？」

「それはとても助かりますがシェルファ様にそのようなご足労を‥」

メイが言い切る前にシェルファはいいのいいのといって手を振る。

「メイが探してたって伝えとくねー」
シェルファは階段を降りていった。

「お気をつけて。いってらっしゃいませ」
メイは深くお辞儀した。


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