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プロローグ
まずは現状の確認です
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「さてと、取り合えず冒険者に登録してここが異世界って事は分かった。後はFWOと類似点が多いからその辺の確認が必要だな」
さすがにここまでやるドッキリ番組はないだろうし、ここまではっきりとした夢っていうのは状況的に有り得ないだろう、であればまずは自分の現状をしっかりと確認しなければならない。
一旦街の外へ出る。俺の指には10個の指輪が付いている、ゲーム時代のままの性能であればこの中の1つ『テレポートリング』で移動が出来るはずだ。通常はキーボードで短縮コマンドを登録するかメニューの一覧から移動先を選べるようになっていたのだが、今はどうだろうか。エクストラスキルに『メニュー』というのがあったので、あのスキルが一番怪しいと見ている。
ゲームの時は画面に表示されているメニューコマンドを選んで決定ボタンを押すだけで良かったが今俺の視界には普通の草原しか映っていない、こういった転生物の定番だと取り合えず口に出してみればあっさり発動するパターンが多いので例によって口に出してみた。
「メニュー。って、お!」
すると慣れ親しんだメニュー画面が目の前に表示される。9番のGMコールと10番のログアウトがないだけで並びまで全く同じままだ。
1.ステータス
2.装備
3.魔法/スキル
4.アイテム
5.相棒
6.拠点
7.MAP
8.設定
「これ見ると何だか落ち着くな。取り合えず後で全部確認するとして、まずは拠点への移動が優先だ」
どうやら指の動きや目線、思考でも反応するらしくアイテムを見たいと思ったらアイテム一覧が表示された。ただ残念な事に身に付けていたアイテム以外は消えてしまっているようだった、長年掛けて集めたアイテムもあっただけに若干寂しい気持ちがある。
ただ、目的のテレポートリングはしっかり装備されているようなので移動先を選択する。どうやら今の時点で移動出来るのは拠点とここリーフの街だけらしい、50箇所以上あった移動先は全て消えてしまっている。
取り合えず拠点に行こうと考えた瞬間にゲームの中の我が家へと移動していた。ゲーム時代の設定では一番高額で広い無人島タイプの拠点を所有していたのだが、どうやらそれがそのまま反映されているっぽい。浜辺が見える小高い丘の上の地上2階地下1階の木造住宅で隣には相棒達の小屋と畑が6面広がっている。
「おかえりなさいませマスター」
「・・・誰?いや、分かってるんだけど、えっと?」
「どうかされましたか?作物の収穫は終わっております、新しいお手紙は届いておりません」
「あ、ありがとう?」
恐らくだけど話し掛けて来たのは拠点に設置していた課金して購入したサポートキャラのマキちゃんだろう。ゲームでは作物の世話やアイテムの発見、簡単なアイテムの作成サポートに個人メッセージ・運営からのお知らせを教えてくれていたが自立した会話は不可能だった。
「マキ・・さんだよね?動けるの?」
「本当にどうされたのですか?熱があるようでしたら直ぐに休まれた方が宜しいかと」
「いや、大丈夫。ちょっと混乱しただけだから」
「はぁ、ではお茶の用意をして参りますので何かありましたらお声掛け下さいませ」
どっからどう見ても普通の人間と同じように行動してるんだけど・・・折角拠点に来て落ち着いたのにまた混乱して来たぞ。
小屋の方を見るとレオンが走り回っており、クロは屋根の上で寝ているしゲンさんは浜辺でのんびりしているみたいだ。ってかリアルなゲンさんデカいな!3mくらいはあるんじゃないのか?水中移動用の相棒だけど一応陸上での移動も出来るようになっていてタンクとしての役割を持っているんだよな、ゲーム時代は雑魚狩りの時にタンクとしてお世話になったものだ。
「はぁ、取り合えず拠点はあって相棒も無事って事は分かった、ついでにマキちゃんも・・・取り合えず家の中に入ってゆっくり休もう、なんか疲れた」
家の中はゲームの頃に集めたり作ったりした家具がきっちり揃っていて懐かしさと趣を感じる落ち着ける空間になっていた。今思えば家具1つの為に伝説級の木材を取りに行ったりしてたっけなぁ若かったな。
基本的にこういった拠点等は課金額に応じて広さや設備が変わるのだが最初は家具も何もない只の空間になっている。それをメニューの拠点コマンドから壁や家具を配置してプレイヤーオリジナルの拠点を完成させるのが醍醐味となっていて拠点の見た目やユニークさを競うハウジングコンテストなんかも定期的に開かれていた、本当に拘る人はトコトン拘れる実用性はないけど人気があるコンテンツの一つだった。この家を現代風に表すなら10LLDK温泉付きって所だろうか。
「お茶をどうぞ」
マキちゃんが入れてくれたお茶を飲んだら大分落ち着いてきた。
「本日はお疲れのようでしたのでリラックス効果があるハーブティーに回復効果を付与してみました」
「・・・ありがとう」
どうやら良く分からない異世界のお茶だったらしい。
「そういえばマキさんって出身地はどこなの?」
「私ですか?生まれも育ちもここでございますよ?マスターがお造りになったではありませんか」
興味本位で聞いてみたが微妙な答えが返ってきてしまった。これはつまりマキちゃんはこの世界の住人ではなくゲーム時代に俺が作った事を知っているという事になってしまう。
マキちゃんを作ったのはいつだったろうか、20代も後半に差し掛かった寂しい時だったと思う。その当時好きだったアイドルグループの女の子を模してクリエイトしたキャラなのだが、今思えば痛い奴だった。だけど当時の痛い自分のお陰でこうしてリアルに動くアイドルよりも可愛い理想の女の子と話せるのだから今となっては過去の俺にグッジョブと言いたい、本当にありがとう過去の俺。
「マキさんってどんな事が出来るの?」
「私ですか?マスターのメイドですので指示があれば拠点に関するあらゆる事が可能ですよ」
「どんな事でも??」
多分俺は今ひどくゲスな顔をしてると思う。
「・・・はい」
恐らくポロリがある水泳大会や夜のプロレスも可能なのだろう、なんせここはリアルで俺は18歳、これはすでにR18のゲームではないのだから!
「そう言えば何で18歳なんだろう?」
「一般的に考えてマスターがこの世界にお生まれになってから18年が経過しているからではないでしょうか?」
「なるほど、このゲームを始めて18年だから18歳って事か」
結構大雑把な感じにも取れるけどまぁ納得しておこう。只でさえ若くして貰ってイケメンになったのだから何も困る事はないのだ!
ある程度気持ちが落ち着いた所で『メニュー』を1つづつ確認してみよう。まずはステータスだがこれは冒険者ギルドで確認した情報がそのまま表示された。ゲームの頃はHPやMP、それぞれのパラメーターが設定されていたがこの世界ではそういった数値は存在しないようだ。
次に装備、これは今装備している武器と防具が表示されており画面上でも実際の行動でも着脱が可能だった。更にステルス化という装備を表示しない設定や見た目を他の装備に変更するミラージュ機能もゲーム時代と同じように出来るようだ。この辺りの融通が利いて本当に良かったと思う。ちなみにアイテム欄に入れていた装備やアイテムは無くなってしまったが拠点のクローゼットに保管していた一部の武器と防具、倉庫に入れていた各種素材は残っていた。どうやらこの拠点という空間が1つの塊としてみなされたようだ、詳しい原理は全く理解出来ないがそう考えるのが一番簡単でいい。ちなみにこれは寝る前にマキちゃんが部屋着を持って来てくれた時に気が付いた。
魔法とスキルは殆どが使えなくなっていた。これはレベル1に戻った事による初期化、もしくはFWOから転生した事による不具合なのか、そもそも魔法とスキルの形態が違うからなのか理由は不明だ。
今の所使えるのは生活魔法というゲーム時代には無かった魔法と短剣スキルに歌スキル、これはパペットマスターと吟遊詩人の初期スキルだったはずだ。ポンの名前が相棒の一覧にあるしリビングにパペットがセットされていた事から『よびだす』は可能だと思うのだが人形使いという名前のジョブなのにレベル3にならないとパペットが呼び出せないのは未だに謎仕様である。
ちなみにポンは戦闘時以外はインテリアとして俺の部屋に彩を添えている。ゲームの時はあまり気にならなかったが体長80cmくらいしかないのに戦闘とか大丈夫なのか若干心配ではある。
アイテム欄は案の定からっぽのままだった。ちなみにお茶を収納したらちゃんと一覧に表示されて取り出しと使用が可能だった。アイテムとしての効果は『HP+50 MND+10 混乱耐性付与』となっていた。ステータス上はHP等存在しないのに表記上は残っていて効果もあるのだから異世界七不思議として認定したいくらいだ。
これも後々分かる事なのだがこの世界のアイテムと俺が作るアイテムでは若干の表記の違いはあるものの効果はしっかりと発揮される。隠しパラメーターという訳ではないが謎システムが存在しているらしい。
相棒欄はしっかりとそれぞれのバディの名前が表示されており、ステータスや装備変更、呼び出しや帰還等のコマンドも使用出来た。その中のポンの欄を見ると今までセットしたスキルチップやマジックチップ、スタイル毎の登録内容などもしっかり反映されていて一安心だった。ここ数年はポンの強化に膨大な時間を費やしていたのでこれが初期化されていたらショックで倒れていたかもしれない。
拠点コマンドはかなり変わっていた。壁の移動や設置・撤去が出来なくなっており、模様替え等は自分の手でやらなければいけないらしい。畑コマンドも無くなっていて、畑は自分で植えて育てるかマキちゃんにお世話して貰う必要があるとマキちゃんが教えてくれた。
後はMAPを開いて分かったのはこの世界の名前が『ファーストワールド』という事、地図の9割以上が空白になっていて自分が行った場所しか表示されないという事と拠点のある場所はジャポニカ諸島という場所で地図のほぼ中央に位置していた。リーフの街は縮尺がどのくらいか分からないが20X20のマス目でいうと1マス下にあるようだ。現状だとMAP上の拠点とリーフの街に赤いピンが立っているのでこれがテレポートリングが使える場所なのだろう。
最後の設定だがメニュー画面の可視化のオンオフが選べたので迷ったのだが取り合えずはオフにしておいた。ここはあくまでも現実世界と認識して癖を付けないといざ何かあった時に困ると思ったからだ。
「さて、今日はなんだかんだ色々あったし明日からの事は起きてから考えよう、疲れた・・・」
丸一日使って現状の確認は出来た、後はこの世界の常識や現状と兎に角情報が必要だ。転生にありがちな神様が現れなかったという事で勇者の線は消えたと思っていいだろう、どう考えても俺は勇者って柄じゃないしな。普通の中年に勇者は無理だよ・・・。
さすがにここまでやるドッキリ番組はないだろうし、ここまではっきりとした夢っていうのは状況的に有り得ないだろう、であればまずは自分の現状をしっかりと確認しなければならない。
一旦街の外へ出る。俺の指には10個の指輪が付いている、ゲーム時代のままの性能であればこの中の1つ『テレポートリング』で移動が出来るはずだ。通常はキーボードで短縮コマンドを登録するかメニューの一覧から移動先を選べるようになっていたのだが、今はどうだろうか。エクストラスキルに『メニュー』というのがあったので、あのスキルが一番怪しいと見ている。
ゲームの時は画面に表示されているメニューコマンドを選んで決定ボタンを押すだけで良かったが今俺の視界には普通の草原しか映っていない、こういった転生物の定番だと取り合えず口に出してみればあっさり発動するパターンが多いので例によって口に出してみた。
「メニュー。って、お!」
すると慣れ親しんだメニュー画面が目の前に表示される。9番のGMコールと10番のログアウトがないだけで並びまで全く同じままだ。
1.ステータス
2.装備
3.魔法/スキル
4.アイテム
5.相棒
6.拠点
7.MAP
8.設定
「これ見ると何だか落ち着くな。取り合えず後で全部確認するとして、まずは拠点への移動が優先だ」
どうやら指の動きや目線、思考でも反応するらしくアイテムを見たいと思ったらアイテム一覧が表示された。ただ残念な事に身に付けていたアイテム以外は消えてしまっているようだった、長年掛けて集めたアイテムもあっただけに若干寂しい気持ちがある。
ただ、目的のテレポートリングはしっかり装備されているようなので移動先を選択する。どうやら今の時点で移動出来るのは拠点とここリーフの街だけらしい、50箇所以上あった移動先は全て消えてしまっている。
取り合えず拠点に行こうと考えた瞬間にゲームの中の我が家へと移動していた。ゲーム時代の設定では一番高額で広い無人島タイプの拠点を所有していたのだが、どうやらそれがそのまま反映されているっぽい。浜辺が見える小高い丘の上の地上2階地下1階の木造住宅で隣には相棒達の小屋と畑が6面広がっている。
「おかえりなさいませマスター」
「・・・誰?いや、分かってるんだけど、えっと?」
「どうかされましたか?作物の収穫は終わっております、新しいお手紙は届いておりません」
「あ、ありがとう?」
恐らくだけど話し掛けて来たのは拠点に設置していた課金して購入したサポートキャラのマキちゃんだろう。ゲームでは作物の世話やアイテムの発見、簡単なアイテムの作成サポートに個人メッセージ・運営からのお知らせを教えてくれていたが自立した会話は不可能だった。
「マキ・・さんだよね?動けるの?」
「本当にどうされたのですか?熱があるようでしたら直ぐに休まれた方が宜しいかと」
「いや、大丈夫。ちょっと混乱しただけだから」
「はぁ、ではお茶の用意をして参りますので何かありましたらお声掛け下さいませ」
どっからどう見ても普通の人間と同じように行動してるんだけど・・・折角拠点に来て落ち着いたのにまた混乱して来たぞ。
小屋の方を見るとレオンが走り回っており、クロは屋根の上で寝ているしゲンさんは浜辺でのんびりしているみたいだ。ってかリアルなゲンさんデカいな!3mくらいはあるんじゃないのか?水中移動用の相棒だけど一応陸上での移動も出来るようになっていてタンクとしての役割を持っているんだよな、ゲーム時代は雑魚狩りの時にタンクとしてお世話になったものだ。
「はぁ、取り合えず拠点はあって相棒も無事って事は分かった、ついでにマキちゃんも・・・取り合えず家の中に入ってゆっくり休もう、なんか疲れた」
家の中はゲームの頃に集めたり作ったりした家具がきっちり揃っていて懐かしさと趣を感じる落ち着ける空間になっていた。今思えば家具1つの為に伝説級の木材を取りに行ったりしてたっけなぁ若かったな。
基本的にこういった拠点等は課金額に応じて広さや設備が変わるのだが最初は家具も何もない只の空間になっている。それをメニューの拠点コマンドから壁や家具を配置してプレイヤーオリジナルの拠点を完成させるのが醍醐味となっていて拠点の見た目やユニークさを競うハウジングコンテストなんかも定期的に開かれていた、本当に拘る人はトコトン拘れる実用性はないけど人気があるコンテンツの一つだった。この家を現代風に表すなら10LLDK温泉付きって所だろうか。
「お茶をどうぞ」
マキちゃんが入れてくれたお茶を飲んだら大分落ち着いてきた。
「本日はお疲れのようでしたのでリラックス効果があるハーブティーに回復効果を付与してみました」
「・・・ありがとう」
どうやら良く分からない異世界のお茶だったらしい。
「そういえばマキさんって出身地はどこなの?」
「私ですか?生まれも育ちもここでございますよ?マスターがお造りになったではありませんか」
興味本位で聞いてみたが微妙な答えが返ってきてしまった。これはつまりマキちゃんはこの世界の住人ではなくゲーム時代に俺が作った事を知っているという事になってしまう。
マキちゃんを作ったのはいつだったろうか、20代も後半に差し掛かった寂しい時だったと思う。その当時好きだったアイドルグループの女の子を模してクリエイトしたキャラなのだが、今思えば痛い奴だった。だけど当時の痛い自分のお陰でこうしてリアルに動くアイドルよりも可愛い理想の女の子と話せるのだから今となっては過去の俺にグッジョブと言いたい、本当にありがとう過去の俺。
「マキさんってどんな事が出来るの?」
「私ですか?マスターのメイドですので指示があれば拠点に関するあらゆる事が可能ですよ」
「どんな事でも??」
多分俺は今ひどくゲスな顔をしてると思う。
「・・・はい」
恐らくポロリがある水泳大会や夜のプロレスも可能なのだろう、なんせここはリアルで俺は18歳、これはすでにR18のゲームではないのだから!
「そう言えば何で18歳なんだろう?」
「一般的に考えてマスターがこの世界にお生まれになってから18年が経過しているからではないでしょうか?」
「なるほど、このゲームを始めて18年だから18歳って事か」
結構大雑把な感じにも取れるけどまぁ納得しておこう。只でさえ若くして貰ってイケメンになったのだから何も困る事はないのだ!
ある程度気持ちが落ち着いた所で『メニュー』を1つづつ確認してみよう。まずはステータスだがこれは冒険者ギルドで確認した情報がそのまま表示された。ゲームの頃はHPやMP、それぞれのパラメーターが設定されていたがこの世界ではそういった数値は存在しないようだ。
次に装備、これは今装備している武器と防具が表示されており画面上でも実際の行動でも着脱が可能だった。更にステルス化という装備を表示しない設定や見た目を他の装備に変更するミラージュ機能もゲーム時代と同じように出来るようだ。この辺りの融通が利いて本当に良かったと思う。ちなみにアイテム欄に入れていた装備やアイテムは無くなってしまったが拠点のクローゼットに保管していた一部の武器と防具、倉庫に入れていた各種素材は残っていた。どうやらこの拠点という空間が1つの塊としてみなされたようだ、詳しい原理は全く理解出来ないがそう考えるのが一番簡単でいい。ちなみにこれは寝る前にマキちゃんが部屋着を持って来てくれた時に気が付いた。
魔法とスキルは殆どが使えなくなっていた。これはレベル1に戻った事による初期化、もしくはFWOから転生した事による不具合なのか、そもそも魔法とスキルの形態が違うからなのか理由は不明だ。
今の所使えるのは生活魔法というゲーム時代には無かった魔法と短剣スキルに歌スキル、これはパペットマスターと吟遊詩人の初期スキルだったはずだ。ポンの名前が相棒の一覧にあるしリビングにパペットがセットされていた事から『よびだす』は可能だと思うのだが人形使いという名前のジョブなのにレベル3にならないとパペットが呼び出せないのは未だに謎仕様である。
ちなみにポンは戦闘時以外はインテリアとして俺の部屋に彩を添えている。ゲームの時はあまり気にならなかったが体長80cmくらいしかないのに戦闘とか大丈夫なのか若干心配ではある。
アイテム欄は案の定からっぽのままだった。ちなみにお茶を収納したらちゃんと一覧に表示されて取り出しと使用が可能だった。アイテムとしての効果は『HP+50 MND+10 混乱耐性付与』となっていた。ステータス上はHP等存在しないのに表記上は残っていて効果もあるのだから異世界七不思議として認定したいくらいだ。
これも後々分かる事なのだがこの世界のアイテムと俺が作るアイテムでは若干の表記の違いはあるものの効果はしっかりと発揮される。隠しパラメーターという訳ではないが謎システムが存在しているらしい。
相棒欄はしっかりとそれぞれのバディの名前が表示されており、ステータスや装備変更、呼び出しや帰還等のコマンドも使用出来た。その中のポンの欄を見ると今までセットしたスキルチップやマジックチップ、スタイル毎の登録内容などもしっかり反映されていて一安心だった。ここ数年はポンの強化に膨大な時間を費やしていたのでこれが初期化されていたらショックで倒れていたかもしれない。
拠点コマンドはかなり変わっていた。壁の移動や設置・撤去が出来なくなっており、模様替え等は自分の手でやらなければいけないらしい。畑コマンドも無くなっていて、畑は自分で植えて育てるかマキちゃんにお世話して貰う必要があるとマキちゃんが教えてくれた。
後はMAPを開いて分かったのはこの世界の名前が『ファーストワールド』という事、地図の9割以上が空白になっていて自分が行った場所しか表示されないという事と拠点のある場所はジャポニカ諸島という場所で地図のほぼ中央に位置していた。リーフの街は縮尺がどのくらいか分からないが20X20のマス目でいうと1マス下にあるようだ。現状だとMAP上の拠点とリーフの街に赤いピンが立っているのでこれがテレポートリングが使える場所なのだろう。
最後の設定だがメニュー画面の可視化のオンオフが選べたので迷ったのだが取り合えずはオフにしておいた。ここはあくまでも現実世界と認識して癖を付けないといざ何かあった時に困ると思ったからだ。
「さて、今日はなんだかんだ色々あったし明日からの事は起きてから考えよう、疲れた・・・」
丸一日使って現状の確認は出来た、後はこの世界の常識や現状と兎に角情報が必要だ。転生にありがちな神様が現れなかったという事で勇者の線は消えたと思っていいだろう、どう考えても俺は勇者って柄じゃないしな。普通の中年に勇者は無理だよ・・・。
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