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1564 旅路
アルバの気持ち
しおりを挟むパーティは夜遅くまで続き、皆が帰れた頃にはもう空は白み始めていた。
拠点に戻っても、アルバはまだ腹を立てている。リッカが何を知っているんだ。ツィオの一番近くにいて彼をわかっているのは自分だ。彼が優しいことは、疑いようがない事実だ。
馬車に戻ると、ツィオがぐったりと横になっている。「大丈夫?」とアルバが声をかけると、ツィオは小さく頷くが、「もう少し寝かせてくれ」と頼む。もう腹の調子はいいが、体力を持っていかれたのでまだ横になっていたい。アルバは彼の隣に寝て、人懐っこそうなツィオの顔を眺める。リッカの言葉が蘇るが、アルバにはツィオは到底そんなふうに見えない。
「兄貴はいつもぼくのことを考えてくれてるよね?」
アルバが尋ねる。リッカの「身勝手」という言葉が間違いだと確かめたい。アルバは、ツィオが時々冷たくなったり無理を言ったりするのは、自分がツィオを怒らせたからだと思っている。当然の報いで、責任は自分にあると。だからアルバにとってのツィオの本質は、自分の面倒を見てくれる優しい兄貴分だ。
ツィオはだるそうに、んー、とうめいた。それを肯定と受け取り、アルバは少し笑う。そうだよね、と安心が心に広がった。目を閉じ、そっとツィオの腕に触れる。彼に触れていると、嬉しくて胸がどきどきするのに、ひどく落ち着く。その感情の正体を知らない今は、ツィオの傍にいられるだけで幸せだ。先を知ってしまえば、欲してしまう。
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