彼女のウソ

中崎仁華

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中村さんの機嫌

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僕と中村さんは海にきていた。
もうすぐ、春の季節も終わり夏の季節というところだが、照りつける太陽はもう夏を感じさせる。

「中村さん、なんで海?」
太陽の日差しが海に反射してきらきらと輝いている。
同様に中村さんの目もキラキラと輝きながら、海を見ている。
「うーん、行きたかったから?池本くんと海」
そういうと、中村さんは靴を脱ぎ始めた。さらに靴下も脱ぐ。
そして、裸足になると海に向かって走り始めた。

中村さんは本当に海にきたかったようで
今も波打ち際で、波と追いかけっこをしてとても楽しそうだ。

誰かに見られたらどうするんだろう。
一応僕達は、学校をサボって海にきている。

中村さんに言われるまま抜け出し、ついて行くと海に着いて
僕が驚いたのはつい先程。

僕は何回か授業をサボったことはあったけど、抜け出したことはない。
だから今とっても心がバクバクしていて落ち着かない。

それに、まだ海開きをしてなくて人が少ないからって、制服のままどうどうと平日に海にきたらダメな気がする。
学校にバレたら、どうしよう。

僕の心はもちそうになかった。

「ねぇ!池本くんもおいでよー」
そんなことには関心がないのか、心配してないのか、中村さんは海にあしをつけながら、僕のことを呼ぶ。

「いや、いいよ。遠慮しておく」
そう答えるやいなや、中村さんがこちらに向かってずんずん歩いてくる。

そして、座っている僕の前で
手を腰に当てて仁王立ちをすると、
「ほら、いくよ!」
僕の手をグイッと引っ張って僕を海の方に連れていく。

「あっ、ちょっ」
「私1人だけ楽しんでバカみたいじゃん。池本くんと海にきたかったからきたのに」
ぷくっと頬膨らませて中村さんが言ってくる。

どうやら僕は中村さんの機嫌を悪くしてしまったらしい。



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