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妹と婚約者に殺された私ですが、これから復讐しに行こうと思います。<後>
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「ご結婚、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。あの、どこかでお会いした事が…?」
「これは失礼しました、私は隣国からの者です。私の連れが、お2人にどうしてもご挨拶をしたいと。さぁ、おいで?」
「お、お前は!?」
「あなたは、お姉様…!?」
「そうよ、久しぶりね。」
「ど、どうしたんだ、その髪の色…。それより、生きてたのかお前!」
「ええ。この方に、海で拾われたおかげでね。この髪は、あなたたちに殺されたショックとストレスでこうなったのよ。こんなふうに真っ白になってしまって、戻らないの。そんなことより、私は近々この方との結婚が決まりました。その為に、過去にけじめをつけに来たのよ。」
「…しぶとい女だ。それより、こんな白髪の女と結婚しようなどと物好きな男だな。海で拾ったと言っていたが、海賊か何かか?どうせ、ろくな男じゃないだろう。」
「俺の名は、事前に送った手紙に書いておいただろう?まぁ、俺の事を知らなくても仕方ないか。俺は陸よりも、海の上に居る方が多いからな。俺は、あの国の第三王子だ。」
「お、王子?お姉様、王子様と結婚するの!?」
「そうよ。彼はね、私をとても気に入って下さってるの。特に、この白い髪がお気に入りなのよ。」
「我が国の神は、白蛇だからな。白い生き物は、全て崇拝の対象、彼女もまた然りだ。このような美しい白髪を持つ者が我が妃になるとは、とても名誉な事だ。さて…お前たちはそんな彼女に、ずいぶん酷い事をしてくれたな。海に突き落とすなど、お前たちは殺人犯だ。この国が裁かないと言うなら、いずれ夫になる私の国で裁いてやろう。この2人を、連れて行け!」
「そ、そんな…違うのよお姉ちゃん、私この男に誑されたのよ!」
「嘘を言うな!お前が言ったんだろう、姉を殺せと!」
「言い訳は聞きたくないわ。あまり騒ぐなら、今すぐ黙らせてあげる。私と同じように、海に沈めてね。」
2人は青い顔して、黙り込んだ。
※※※
あれから2人は船に乗せられ隣国に渡り、そこで裁判を受けた。
今では2人仲良く、牢の中で生活してるわ。
狭く汚い牢の生活は相当なストレスだったらしく、2人の髪も私と同じように真っ白になってしまった。
でも、あの2人を大事にする者は、誰も居ない。
王子の妃を殺そうとした者たちですもの、当然よ。
こうして復讐を果たす事ができた私は、今は王子に愛され幸せな毎日を送っているわ─。
「ありがとうございます。あの、どこかでお会いした事が…?」
「これは失礼しました、私は隣国からの者です。私の連れが、お2人にどうしてもご挨拶をしたいと。さぁ、おいで?」
「お、お前は!?」
「あなたは、お姉様…!?」
「そうよ、久しぶりね。」
「ど、どうしたんだ、その髪の色…。それより、生きてたのかお前!」
「ええ。この方に、海で拾われたおかげでね。この髪は、あなたたちに殺されたショックとストレスでこうなったのよ。こんなふうに真っ白になってしまって、戻らないの。そんなことより、私は近々この方との結婚が決まりました。その為に、過去にけじめをつけに来たのよ。」
「…しぶとい女だ。それより、こんな白髪の女と結婚しようなどと物好きな男だな。海で拾ったと言っていたが、海賊か何かか?どうせ、ろくな男じゃないだろう。」
「俺の名は、事前に送った手紙に書いておいただろう?まぁ、俺の事を知らなくても仕方ないか。俺は陸よりも、海の上に居る方が多いからな。俺は、あの国の第三王子だ。」
「お、王子?お姉様、王子様と結婚するの!?」
「そうよ。彼はね、私をとても気に入って下さってるの。特に、この白い髪がお気に入りなのよ。」
「我が国の神は、白蛇だからな。白い生き物は、全て崇拝の対象、彼女もまた然りだ。このような美しい白髪を持つ者が我が妃になるとは、とても名誉な事だ。さて…お前たちはそんな彼女に、ずいぶん酷い事をしてくれたな。海に突き落とすなど、お前たちは殺人犯だ。この国が裁かないと言うなら、いずれ夫になる私の国で裁いてやろう。この2人を、連れて行け!」
「そ、そんな…違うのよお姉ちゃん、私この男に誑されたのよ!」
「嘘を言うな!お前が言ったんだろう、姉を殺せと!」
「言い訳は聞きたくないわ。あまり騒ぐなら、今すぐ黙らせてあげる。私と同じように、海に沈めてね。」
2人は青い顔して、黙り込んだ。
※※※
あれから2人は船に乗せられ隣国に渡り、そこで裁判を受けた。
今では2人仲良く、牢の中で生活してるわ。
狭く汚い牢の生活は相当なストレスだったらしく、2人の髪も私と同じように真っ白になってしまった。
でも、あの2人を大事にする者は、誰も居ない。
王子の妃を殺そうとした者たちですもの、当然よ。
こうして復讐を果たす事ができた私は、今は王子に愛され幸せな毎日を送っているわ─。
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