勇者のおまけで召喚された俺、紙切れ1枚で異世界を生き抜け!

coco

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5 魔法使いと、紙の使用方法と。

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 俺はカノンを連れ、先程の換金屋に戻った。

 突然出て言った俺をララのお父さんと店主はすごく心配していて、俺が連れ帰ったカノンを見て今度はすごく驚いていた…。

 俺たちは換金屋を後にし、一旦ララのお父さんと別れた。

 この度は本当にお世話になりました!
 別れ際に昨日俺が使った部屋は元々空き部屋だから、泊るところが無ければいつでも来ていいよと言ってくれた。
 有難いことにカノンも一緒にどうぞと言ってくれたが、一応健全な男だからね…さてどうしようか。

 俺とカノンは広場の噴水に並んで腰かけ、話をすることにした。 

 まず俺は、この世界に来た経緯と今後のプランを説明した。

「それで魔法使いをお探しに…。」

「カノン、さっきあんなことがあったばかりで悪いんだけど、魔法使いについて幾つか教えてくれないか?」

「えと…魔法使いの、具体的に何が知りたいのでしょう?」

「召喚術についてなんだけど。魔法使いが召喚呪文を唱えれば、何でも召喚可能なのか?」

「基本的に己の魔力に見合ったモノしか、召喚することができません。己の持つ魔力以上に質のいい物や、レベルの高い者を召喚することはまず不可能です。ですがあなたは、この女神の紙を用いての召喚術を考えているのですよね?ならば不可能を可能にすることができるでしょう。」
 
 やはり可能か、ならばあの問題を確認せねば。

 俺にはある気がかりがあった…それはこの紙に一度召喚呪文を書いて使用したら、次に使うことは可能なのかということ。

 書かれた呪文がどうなるか、魔法に詳しくない俺には見当がつかないでいた。
 もし不可能なら手間はかかるが、この紙を呪文が書ける大きさに切り取り、何回かに分けて使うしかない…でもそれだといずれ紙は無くなってしまう。
 無限に使えるか回数制限ありか…それによって今後のプランに大きな修正が必要だ。

「それなら大丈夫。目的の物や者が召喚されこの紙より現れたその瞬間、紙に書かれた呪文は消えます。また何かを召喚する必要があるならば、新しく召喚呪文を書けばよいのです。商売ならば、これを何度も繰り返せばいいだけ。…つまり、この紙は無限に使用可です。」

 やった~!!
 無限使用可なんて、この紙最高だよ!
 あとは魔法使いの協力を得るのみ。

「カノン、早速俺は商売の準備に取り掛かろうと思う。ぜひ協力して欲しい。」

「もちろん…と言いたいところですが、先程もお聞きになったでしょう。私、魔法がまともに使えないと。」
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