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3 紙の価値と、予期せぬ再会。
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次の日、俺は早速ララのお父さんに連れられて、アルタという町へやってきた。
「ずいぶん賑やかな町ですね。てか、俺浮いてます?」
さっきから道行く人にジロジロ見られている。
「やはり、あなたの服装でしょうか…すいません、私の服のサイズが大きすぎて。」
あ~、やっぱそれか…借りておいて言うのもなんだけど、変に悪目立ちも良くないな。
厄介な奴らに目をつけられ女神の紙を奪われでもしたら、俺の計画全部パーだ。
「この辺りで、この紙を換金できるところってありますかね。それで得たお金で古着屋で何着か買います。」
女神の紙を使い呪符にするという話だったが…呪符というなら術者の手に収まり携帯できるサイズのはず。
ということは元の紙のサイズから、手ごろな大きさになるよう切り分けていると考えられる。
その理屈でいくと俺のこの紙も、必要金額分だけ切り分け換金することは恐らく可能。
「この先を右に曲がったところに、換金所があります。古着屋に行かなくても、そこで得たお金で、その場にある古着と交換という事も可能ですよ。では早速行きましょうか。」
「これは確かに女神の紙…こんな価値のあるものを丸々一枚お持ちとは。ま、まさかあなた様はどこかの国のご子息様!?」
「いや、全然。旅人みたいなものです。」
「…しかしあなた、これを古着分だけ切り分けろと言われても、困りますな。」
「あ、やっぱり切るのはダメ?」
「いや、そうでなく。古着分着るとなるともうミリ単位…いやそれより小さい大きさ。私にはそんなサイズ、とても切れませんわ。」
「困ったな、俺今手持ちがなくて。どうしても古着が欲しかったんだ。」
「じゃあちょうど捨てる古着が何着かあるので、それを持って行ってください。」
「いいんですか!?」
「ええ、女神の紙なんてそうそう見れるものじゃない、良いものを見せてもらったお礼と思って。」
こうして俺はこの世界の服をタダでゲットした!
「よく似合ってますよ。」
「うん、良い感じだ!」
「本当に助かりました!」
その時だった、通りの方で何やら怒鳴り声が聞こえた。
男が一方的に誰かを罵っているようだが、もめ事か?…でもこの声どっかで聞いたことあるような。
すると店の主人が、やれやれと溜息をついた。
「あれは昨日からこの町にお泊りの、勇者様ご一行です。昨日もあんな騒ぎを起こしていました。どうもパーティの
中に、気に入らないメンバーがおられるようで…。」
俺はその言葉を聞くと、店を飛び出した。
居た、やっぱりあいつだ!
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さっきから道行く人にジロジロ見られている。
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「この辺りで、この紙を換金できるところってありますかね。それで得たお金で古着屋で何着か買います。」
女神の紙を使い呪符にするという話だったが…呪符というなら術者の手に収まり携帯できるサイズのはず。
ということは元の紙のサイズから、手ごろな大きさになるよう切り分けていると考えられる。
その理屈でいくと俺のこの紙も、必要金額分だけ切り分け換金することは恐らく可能。
「この先を右に曲がったところに、換金所があります。古着屋に行かなくても、そこで得たお金で、その場にある古着と交換という事も可能ですよ。では早速行きましょうか。」
「これは確かに女神の紙…こんな価値のあるものを丸々一枚お持ちとは。ま、まさかあなた様はどこかの国のご子息様!?」
「いや、全然。旅人みたいなものです。」
「…しかしあなた、これを古着分だけ切り分けろと言われても、困りますな。」
「あ、やっぱり切るのはダメ?」
「いや、そうでなく。古着分着るとなるともうミリ単位…いやそれより小さい大きさ。私にはそんなサイズ、とても切れませんわ。」
「困ったな、俺今手持ちがなくて。どうしても古着が欲しかったんだ。」
「じゃあちょうど捨てる古着が何着かあるので、それを持って行ってください。」
「いいんですか!?」
「ええ、女神の紙なんてそうそう見れるものじゃない、良いものを見せてもらったお礼と思って。」
こうして俺はこの世界の服をタダでゲットした!
「よく似合ってますよ。」
「うん、良い感じだ!」
「本当に助かりました!」
その時だった、通りの方で何やら怒鳴り声が聞こえた。
男が一方的に誰かを罵っているようだが、もめ事か?…でもこの声どっかで聞いたことあるような。
すると店の主人が、やれやれと溜息をついた。
「あれは昨日からこの町にお泊りの、勇者様ご一行です。昨日もあんな騒ぎを起こしていました。どうもパーティの
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俺はその言葉を聞くと、店を飛び出した。
居た、やっぱりあいつだ!
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