勇者のおまけで召喚された俺、紙切れ1枚で異世界を生き抜け!

coco

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2 異世界住人との出会い、考察の答え合わせ。

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 その時、近くで叫び声が聞こえた。

「だ、誰か助けてー!」

 見ると小さな女の子が、獣に襲われていた。

 あの獣、額に目がある…モンスター?
 ならその2の、この紙自体に神聖な力があるかどうか早速試す!

「おい、そこのモンスター、この紙が目に入らぬか!?」

 すると、モンスターはキャイン!と情けない声を上げ飛び上がり、一目散に逃げて行った。
 すっげー、やっぱり効果あるんだ…ってことでその2は立証済み。

「あの、助けてくれてありがとう。私ララ、すぐ近くの村に住んでるの。」

「ララちゃん、お兄さんをその村へ連れてってくれない?すぐ近くって言ったよね、なら俺と一緒に出よう?」

 そうして俺はララに案内され、無事に森を出ることができた。
 ララが携帯ランプ持ってて助かったわ~。

「娘を救って頂きありがとうございました。キノコ採りに出かけたまま帰ってこないもんだから、心配してたんです。」

 俺はララの家で夕食をご馳走になっていた。

「いいえ。それよりお父さん、お尋ねしたいんですが。」

 俺は女神から貰った紙切れを見せた。

「これは女神から授かった紙。これを見たモンスターは逃げ出しました。これにはやはり、聖なる力が備わっているんですか?」

「ええ!女神様の使われる紙は、1枚1枚が聖職者の手により作られています。それも奉納された紙の原料と聖水を使っているんです。レベルの低いモンスターなんざいちころですよ。」

「じゃあ、これを売るとしたらどれくらいの価値が?」

「う、売る!?せっかくの授かり物、何ともったいない。そりゃ庶民には到底払えぬ額、お貴族様でもご用意できる金額かどうか…ちょっと私には、想像つきませんな。」

「なるほど。ではこの紙をもとにして、例えば魔力のある者がここに召喚呪文を書く。するとそれがここから出てくる、ということは可能ですかね?」

「その方の魔力に聖なる力が加わることで、物であるならより質のいいものが、精霊・聖獣などでしたらより力の強いものを召喚できるでしょう。その女神の紙を使い呪文を書いた札、呪符を作る魔術師も居るといいます。もっと詳しいことが知りたければ、明日町までお連れしますよ。今日はもう遅いので、ここに泊って下さい。」

 俺は有難くご厚意に甘えた。

 俺の考察その1から3まで、全部当たってたとは…いや、それ以上か。
 紙の価値は金貨〇枚どころじゃない、俺の居た世界で例えるなら国宝級?
 それに俺は召喚魔法で商売になる「物」、武具や宝飾品とか召喚できれば元手タダで儲けられると考えてた。

 でもさっきの話だと、召喚魔法の内容によって精霊・聖獣も呼び出せるのか。
 この辺の詳しいことは、やっぱり魔法使いか魔術師に聞くよりないな、俺じゃあ分からん話だ。
 …とりあえず今日はもう寝よう。

 そうして俺は異世界生活1日目を終えた。
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