5 / 12
第4話 半年後、先生の異変。
しおりを挟む
私がその職場で働き始め半年が経ったころ、先生の様子がおかしくなった。
仕事中にボーっとしたり、携帯電話で何かをチェックすることが多くなった。
次第に患者さんの順番を間違えたり、診察を待たせるまでになった。
「先生、最近どうしたんだろう?」
私はAさんに尋ねた。
「実はね…最近仕事終わりにあの人に連れられて、あちこち飲みに行ったりしてるみたい。あんまりお酒が強くないのに、断れないんだろうね。それで2日酔いで、仕事に身が入らないのよ。」
言われてみれば、眠そうにしていたり、お酒臭い酷い時があった…。
「それだけじゃないの。あの人に勧められて、FXを始めたみたい。最初は儲かったなんて喜んでたけど、今は損してるみたい。それで、携帯が手放せなくなったのよ。」
先生のそんな状態は、1か月経っても改善されなかった。
それどころか、ますます酷い状態になっていった。
それが理由なのか、少しずつ患者さんが減り始めた。
先生は患者さんが減ったことに責任を感じたようで、あの人に相談するようになった。
最初は患者さんが居ない時に、待合室であの人と話をしていた。
次第にその光景は、昼休みや閉院後にも見られるようになっていった。
そして話の内容は、仕事の話からいつしか先生のプライベートな話へと変わっていった。
先生はあの人に、何でも話すようになっていった。
FXで損をしてお金に困っていることまで、話している時もあった。
あの人は、お金なら俺に任せろ、と返していた…。
2人の様子は、あの人と奥さんが話しているのにそっくりだった。
そう、教祖様と信者だと例えたあの光景に。
先生はこの時点で、あの人の手に落ちたのだ…。
※※※
相手の睡眠時間を減らし、正常な思考能力を奪う。
相手の弱みを作り出し、ピンチになったら真っ先に救いの手を差し伸べる…そうして相手を自分に依存させる。
これは、洗脳の手口の常套手段だと、後に調べた時に分かった。
もし今現在、こういう状態にある人は本当に気を付けて欲しい。
仕事中にボーっとしたり、携帯電話で何かをチェックすることが多くなった。
次第に患者さんの順番を間違えたり、診察を待たせるまでになった。
「先生、最近どうしたんだろう?」
私はAさんに尋ねた。
「実はね…最近仕事終わりにあの人に連れられて、あちこち飲みに行ったりしてるみたい。あんまりお酒が強くないのに、断れないんだろうね。それで2日酔いで、仕事に身が入らないのよ。」
言われてみれば、眠そうにしていたり、お酒臭い酷い時があった…。
「それだけじゃないの。あの人に勧められて、FXを始めたみたい。最初は儲かったなんて喜んでたけど、今は損してるみたい。それで、携帯が手放せなくなったのよ。」
先生のそんな状態は、1か月経っても改善されなかった。
それどころか、ますます酷い状態になっていった。
それが理由なのか、少しずつ患者さんが減り始めた。
先生は患者さんが減ったことに責任を感じたようで、あの人に相談するようになった。
最初は患者さんが居ない時に、待合室であの人と話をしていた。
次第にその光景は、昼休みや閉院後にも見られるようになっていった。
そして話の内容は、仕事の話からいつしか先生のプライベートな話へと変わっていった。
先生はあの人に、何でも話すようになっていった。
FXで損をしてお金に困っていることまで、話している時もあった。
あの人は、お金なら俺に任せろ、と返していた…。
2人の様子は、あの人と奥さんが話しているのにそっくりだった。
そう、教祖様と信者だと例えたあの光景に。
先生はこの時点で、あの人の手に落ちたのだ…。
※※※
相手の睡眠時間を減らし、正常な思考能力を奪う。
相手の弱みを作り出し、ピンチになったら真っ先に救いの手を差し伸べる…そうして相手を自分に依存させる。
これは、洗脳の手口の常套手段だと、後に調べた時に分かった。
もし今現在、こういう状態にある人は本当に気を付けて欲しい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる