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14 少年と魔王様、遠足でキュンとする。<後>

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「私は昔から…人間とは違うモノをることができた。そして、少し先の未来を夢で見ることも。しばらく前、君がルーインを召喚するのを夢で見た、そして実際にルーインが転入してきた。あの子を見た時、一目で人間じゃないと分かった。」
「じゃあ、ルーインが魔界の魔王様だってことも。」
「気づいてる。だとしても、今のあの子は私の友達だから。あの子がこの世界にいる間は、この前みたいに力が暴走ぼうそうしないよう、私がルーインと上杉の距離をうまく保つ。」
先導せんどうさん、ルーインのこと大事にしてくれてありがとう!」
「いいえ。だから安心して真理愛まりあさんに向き合う事ね。」
「真理愛さんって…まさか気づいてる?それも夢で見たのか!?」
 …恥ずかしくなった俺は飯盒はんごうを掴み、皆がいる炊事場すいじばにそそくさと戻った。

♡♡♡

 ルーインが上杉を苦手なのは分かった。
 ルーインは俺をいつも助けてくれる…だから、ルーインが困ってるなら今度は俺が助ける!
 その時、俺の目に驚きの光景が飛び込んできて、思わず持っていた飯盒を落としてしまった。
 上杉がルーインの腕を掴み上げ顔を近づけている、そしてルーインは…ポロポロ涙を流し、首を振って必死に抵抗していたのだ。
「上杉!お前ルーインに何した!?」
 俺は上杉の手を払い、泣いているルーインを自分の後ろに隠した。
「ち、違うんです世界。」
「いや、僕は…。」
「世界君、上杉君何もしてないから!原因はこれよ。」
 真理愛ちゃんはそう言うと、あるものを俺に差し出した。
 …た、玉ねぎ!?
「う、上杉、ごめん!早とちりして。」
「いや。それより…ご飯どうする?」
 上杉が指さす先には、飯盒の蓋が開き散らばる米…や、やってしまった。
 すると青ざめる俺の後ろから、先導さんがお釜を抱えやって来た。
「先生達、余分にご飯炊いてたの。」
 こうして先導さんのおかげで、このハプニングも乗り越えることができ、俺の遠足は無事終わりを迎えた-。

♡♡♡

 …にしても先導さんのあのタイミングの良さ、あれも夢で見えてた?
 ベットに横になり考え込む俺に、ルーインが話しかけてきた。
「今日はかばって下さりありがとう、世界。」
「や、結局俺の勘違いだったし。」
「それでも嬉しかったです。世界が…王子様のように見えて、とてもドキドキしましたわ。」
 ルーインは頬を染めニッコリ笑い、俺の目をじっと見つめた。
「私、これからも世界の為に頑張ります。」

 キュン!
 あれ…今胸の奥で変な音というか変な感覚がした。
 俺は戸惑いながら、自分の胸にそっと手を当てた-。
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