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4 少年と魔王様、共に暮らす!

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「では、今日から私はこちらのお家に住まわせていただきますわ。」
「そ、それは、ちょっと。ルーインさん女の子だし…ていうか、そもそも魔王様だし!ここに住んだら、魔界はどうなるの?魔界に魔王様が不在なのは、まずくない?」
 そんな俺に、ルーインさんはぷぅっと頬を膨らませると、こう言った。
「せっかく契約を交わしたのです、私のことはルーインとお呼び下さい。契約を交わした者同士が、近くにいることは当然です。それに魔界のことは…今は、いいのです。私が魔界に帰る前に、あなたの願いを叶えます。そのためにもこちらに住まわせて下さい。」
「分かったよ、ルーイン。じゃあ、俺のことも世界って呼んで。魔王様にあなたなんて呼ばれるのは、恐れ多い…。」
「分かりました。世界、これからよろしくお願いします。」
「うん!こちらこそよろしく、ルーイン。」

 にこやかに挨拶を交わしていたその時、突然俺の部屋のドアをノックする音がした。
「世界。さっきから、何を騒いでるの?」
 か、母さん!
 忘れてた、母さんの存在を。
 ルーインがここに住む最大の問題、それは母さんの許可を得ることだ。
 でも、ルーインのこと、何て言えば?まさか「こちら魔王様で、俺が召喚しました。」…言える訳ない!
「い、いや。別に…何もナイ、ヨ?」
「何なの、その言い方。それより女の子の声が聞こえた気がするけど…あなた女の子を連れ込んで、何してるの?ちょっと、ここ開けなさい。」

 俺がオロオロしていると、ルーインがニッコリ笑い、私に任せて下さいと言った。
「お母様、中へお入りになって下さい。」
「あなた…世界の学校のお友達?」
 怪訝けげんな顔をしている母さんにルーインはそっと右手をかざすと、ある呪文を唱えた。
『認識・改変』
「…あら?ルーインちゃん、久しぶり!よく来たわね。今日からよろしくね。」
「はい、お世話になります。」
「か、母さん、ルーインのこと知ってるの?」
「ルーインちゃんは遠い親戚でしょ?今まで海外に住んでて、今日からこの家で暮らす、そういう話になってたじゃない。さあ、今日はルーインちゃんの歓迎会よ、何作ろうかしら~。」

 そう言って、母さんは俺の部屋から出ていった。
 そして、そんな母さんを呆然と見送った俺に、ルーインはこう言った。
「私に対するお母様の認識を、改変させていただきました。私がこの世界にいる間は、あのように私のことを認識しています。私がこの世界からいなくなれば、お母様は元に戻りますのでどうぞ安心を。」

 …何、その力。魔王様、すごい。
 ということで、俺と魔王様の生活がスタートしました!
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