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第23怪 母
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「心配したのよ。病院に担ぎ込まれたって、担当者の方から連絡貰った時は、もう驚いたわ。」
「…ごめんなさい。」
「無理をするからよ。そんな体の状態で怪談話、98話も書ききったんでしょ?よくもまぁ、そんなに書く話があること。」
「…うん。でも、後1話足りない。百物語は、99話書かないと終わらない…。」
「何言ってんの、そんな体で。」
「…ねえ、お母さん。お母さんが教えてよ、あと1話。そしたら、それを99話目にして書き上げるから…。そしたら、終わるの。終わらせなきゃ、いけないの。」
「嫌ねぇ、まるで何かに取り憑かれたみたい。じゃあ…何か話してあげるから、この仕事、さっさと終わらせなさい。」
※※※
あんたは生まれてくる前はね、病院の検診では、男の子って言われてたのよ。
だから私たちは、男の子用の服やおもちゃを準備していたのよ。
名前も、男の子用の名前をいくつか考えていたわ。
一番気に入ってた名前は、〇■だったかな。
ところがいざ生まれるころになったら、あんたは女の子だって分かってね。
まあ昔は、こういう間違いはあることだったんだけどね。
それであんたが生まれてきて…いくつくらいだったかな。
多分、幼稚園の時くらいだと思うけど、あんたにその話をしたのよ。
あんたは生まれてくる前は、男の子だったのよ?
どうして、女の子になったの?
男の子は、どこ行っちゃったのかな?
そう尋ねた私に、あんたは笑ってこう言ったのよ。
男の子はね、私が食べちゃったの。
ママのお腹に入ってね、パクパクって。
だって、変えっこしたかったんだもん。
とっても、おいしかった!
私それ聞いて、少しゾッとしちゃったわ。
ま、しょせんは子どもの言う事だから、そこまで気にしなかったけど。
どう、この話?
これで99話、百物語の完成ね。
…やだ、何でそんなに青い顔してるの。
大丈夫…?
ほら、もう横になりなさい。
「…ごめんなさい。」
「無理をするからよ。そんな体の状態で怪談話、98話も書ききったんでしょ?よくもまぁ、そんなに書く話があること。」
「…うん。でも、後1話足りない。百物語は、99話書かないと終わらない…。」
「何言ってんの、そんな体で。」
「…ねえ、お母さん。お母さんが教えてよ、あと1話。そしたら、それを99話目にして書き上げるから…。そしたら、終わるの。終わらせなきゃ、いけないの。」
「嫌ねぇ、まるで何かに取り憑かれたみたい。じゃあ…何か話してあげるから、この仕事、さっさと終わらせなさい。」
※※※
あんたは生まれてくる前はね、病院の検診では、男の子って言われてたのよ。
だから私たちは、男の子用の服やおもちゃを準備していたのよ。
名前も、男の子用の名前をいくつか考えていたわ。
一番気に入ってた名前は、〇■だったかな。
ところがいざ生まれるころになったら、あんたは女の子だって分かってね。
まあ昔は、こういう間違いはあることだったんだけどね。
それであんたが生まれてきて…いくつくらいだったかな。
多分、幼稚園の時くらいだと思うけど、あんたにその話をしたのよ。
あんたは生まれてくる前は、男の子だったのよ?
どうして、女の子になったの?
男の子は、どこ行っちゃったのかな?
そう尋ねた私に、あんたは笑ってこう言ったのよ。
男の子はね、私が食べちゃったの。
ママのお腹に入ってね、パクパクって。
だって、変えっこしたかったんだもん。
とっても、おいしかった!
私それ聞いて、少しゾッとしちゃったわ。
ま、しょせんは子どもの言う事だから、そこまで気にしなかったけど。
どう、この話?
これで99話、百物語の完成ね。
…やだ、何でそんなに青い顔してるの。
大丈夫…?
ほら、もう横になりなさい。
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