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王子に婚約破棄され生贄になった私ですが、人外愛されスキルで神様の花嫁になれました。<中>

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 …今の声はもしかして。
 目を開けた私は、その声のぬしに抱きしめられていた。

「あれが神?やっぱりみにくいわ。」

「本当だな…これであの女も終わりだ。」

 聖女と王子のヒソヒソとささやく声が聞こえる。

 醜いって…どこを見て言ってるのよ!
 
 フワフワの銀髪に、青空の様にき通った瞳、鼻筋はすらりとして、背も高くて…文句もんくなしのすごい美形なのに!
 なんならそこの王子なんて目じゃない程なのに、どういう事…? 

 不思議ふしぎそうな私に、神様はニコリと笑いかけた。

あんずるな、悪いようにはしない。私はお前を気に入っている。」

 や、やっぱり…この神様にも通じたわ。

「私はこの娘とこの国をる。この娘が手に入った以上、もうこの国に用は無い。」

「ちょ、ちょっと待って、居なくなられちゃ困るのよ。あなたにはこの国を良くしてもらわなきゃ!」

「そうだ、その為に俺たちは生贄いけにえささげたんだぞ!?」

「…この国がおかしくなったのは、その娘のせいだ。聖女と言うが大した力も無い上に、いのりをサボってばかり。おまけに婚約者の居る王子にちょっかいをかけるふしだらな女。そんなけがれたたましいを持っているから、この国を守る精霊や神々に嫌われたんだ。それがこの国に異変いへんとなってあらわれただけの事。」

「そ、そんな…。」

「あなたが去ったら、この国はどうなるんだ…?」

「神に見放された国の末路まつろは決まっている、破滅はめつ崩壊ほうかいか─。いずれにせよろくな事にはならん。」

「何よ、醜い化け物のくせにえらそうに!こんなのが神なんて私は信じないわ!」

「…ねぇ、あなたにはどんな化け物に見えるの?この方はとても美しいのに…やはりあなたは聖女失格しっかくよ。そして王子も同じです、あなたにこの国を治める資質ししつは無いわ。」

「私の姿は見る者の心をうつす、心が醜ければ醜い化け物に見えるのだよ。では行こうか、私の花嫁はなよめよ。」

「待ってよ!」

「神よ、行かないでくれ─!」
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