2 / 3
王子に婚約破棄され生贄になった私ですが、人外愛されスキルで神様の花嫁になれました。<中>
しおりを挟む
…今の声はもしかして。
目を開けた私は、その声の主に抱きしめられていた。
「あれが神?やっぱり醜いわ。」
「本当だな…これであの女も終わりだ。」
聖女と王子のヒソヒソと囁く声が聞こえる。
醜いって…どこを見て言ってるのよ!
フワフワの銀髪に、青空の様に透き通った瞳、鼻筋はすらりとして、背も高くて…文句なしのすごい美形なのに!
なんならそこの王子なんて目じゃない程なのに、どういう事…?
不思議そうな私に、神様はニコリと笑いかけた。
「案ずるな、悪いようにはしない。私はお前を気に入っている。」
や、やっぱり…この神様にも通じたわ。
「私はこの娘とこの国を去る。この娘が手に入った以上、もうこの国に用は無い。」
「ちょ、ちょっと待って、居なくなられちゃ困るのよ。あなたにはこの国を良くしてもらわなきゃ!」
「そうだ、その為に俺たちは生贄を捧げたんだぞ!?」
「…この国がおかしくなったのは、その娘のせいだ。聖女と言うが大した力も無い上に、祈りをサボってばかり。おまけに婚約者の居る王子にちょっかいをかけるふしだらな女。そんな穢れた魂を持っているから、この国を守る精霊や神々に嫌われたんだ。それがこの国に異変となって現れただけの事。」
「そ、そんな…。」
「あなたが去ったら、この国はどうなるんだ…?」
「神に見放された国の末路は決まっている、破滅か崩壊か─。いずれにせよろくな事にはならん。」
「何よ、醜い化け物のくせに偉そうに!こんなのが神なんて私は信じないわ!」
「…ねぇ、あなたにはどんな化け物に見えるの?この方はとても美しいのに…やはりあなたは聖女失格よ。そして王子も同じです、あなたにこの国を治める資質は無いわ。」
「私の姿は見る者の心を映す、心が醜ければ醜い化け物に見えるのだよ。では行こうか、私の花嫁よ。」
「待ってよ!」
「神よ、行かないでくれ─!」
目を開けた私は、その声の主に抱きしめられていた。
「あれが神?やっぱり醜いわ。」
「本当だな…これであの女も終わりだ。」
聖女と王子のヒソヒソと囁く声が聞こえる。
醜いって…どこを見て言ってるのよ!
フワフワの銀髪に、青空の様に透き通った瞳、鼻筋はすらりとして、背も高くて…文句なしのすごい美形なのに!
なんならそこの王子なんて目じゃない程なのに、どういう事…?
不思議そうな私に、神様はニコリと笑いかけた。
「案ずるな、悪いようにはしない。私はお前を気に入っている。」
や、やっぱり…この神様にも通じたわ。
「私はこの娘とこの国を去る。この娘が手に入った以上、もうこの国に用は無い。」
「ちょ、ちょっと待って、居なくなられちゃ困るのよ。あなたにはこの国を良くしてもらわなきゃ!」
「そうだ、その為に俺たちは生贄を捧げたんだぞ!?」
「…この国がおかしくなったのは、その娘のせいだ。聖女と言うが大した力も無い上に、祈りをサボってばかり。おまけに婚約者の居る王子にちょっかいをかけるふしだらな女。そんな穢れた魂を持っているから、この国を守る精霊や神々に嫌われたんだ。それがこの国に異変となって現れただけの事。」
「そ、そんな…。」
「あなたが去ったら、この国はどうなるんだ…?」
「神に見放された国の末路は決まっている、破滅か崩壊か─。いずれにせよろくな事にはならん。」
「何よ、醜い化け物のくせに偉そうに!こんなのが神なんて私は信じないわ!」
「…ねぇ、あなたにはどんな化け物に見えるの?この方はとても美しいのに…やはりあなたは聖女失格よ。そして王子も同じです、あなたにこの国を治める資質は無いわ。」
「私の姿は見る者の心を映す、心が醜ければ醜い化け物に見えるのだよ。では行こうか、私の花嫁よ。」
「待ってよ!」
「神よ、行かないでくれ─!」
44
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
ブラックな職場で働いていた聖女は超高待遇を提示してきた隣国に引き抜かれます
京月
恋愛
残業など当たり前のお祈り
いつも高圧的でうざい前聖女
少ない給料
もう我慢が出来ない
そう思ってた私の前に現れた隣国の使者
え!残業お祈りしなくていいの!?
嘘!上司がいないの!?
マジ!そんなに給料もらえるの!?
私今からこの国捨ててそっちに引き抜かれます
聖女の私を追放?ちょうど私も出て行こうとしていたところです
京月
恋愛
トランプ王国で聖女として働いていたリリスをあまりよく思わない王子ガドラ。リリスに濡れ衣を着せ追放を言い渡す。ガドラ「リリス、お前はこの国から追放だ!!」(ドヤ) リリス「ちょうど私もこの国を出ようとしていたところなんですよ」(ニコ) ガドラ「……え?」
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
獣の娘だと皆から迫害されていた私は、真の愛を得る為にこの地を出て行く事にします─。
coco
恋愛
幼い頃に森で拾われた私。
その傍らには大きな獣が居たと言う。
そのせいで獣の娘と呼ばれ、迫害されてきた私だけど…?
私は真の愛を得る為に、この地を出て行く事にします─。
パーティ追放されたので、のんびりと薬屋さんを始めました~私のお店に王子様が来店してくれます~
マルローネ
恋愛
色んな回復アイテムを生み出せるエメラダは、冒険者パーティ内で生命線として活動をしていた。しかし……
「新しい支援役が出来たから、お前は不要だ。消えろ」
パーティのリーダーから一方的に追放されてしまった。新しい支援役の女性はどうやら、リーダーの恋人の模様。支援役は何人居ても困らないはず、とエメラダは言ったが、以前にリーダーからの告白を断っていたという理由を明かされ、嫌がらせとして追放されてしまう。
仕方がないので、エメラダは冒険者を引退し、薬屋として自分の能力を活かすことにした。これが大繁盛し、王子様の耳にも届くことになる。そして、王子様の支援を受けられるようになり、国一番の薬屋としての道を歩むのだった。
ところで、エメラダを追放したパーティは新しく入った支援役の能力不足もあり、どんどん衰退していくことになる。
美人だけど無神経な姉が王子と結婚したけど、結婚早々やらかした。
ほったげな
恋愛
国中で噂になるほどの美人である姉。だが、無神経で人を傷つけるようなことを平気で言う。そんな姉が王子と結婚することになったのだが、結婚早々やらかして……?!
学園にいる間に一人も彼氏ができなかったことを散々バカにされましたが、今ではこの国の王子と溺愛結婚しました。
朱之ユク
恋愛
ネイビー王立学園に入学して三年間の青春を勉強に捧げたスカーレットは学園にいる間に一人も彼氏ができなかった。
そして、そのことを異様にバカにしている相手と同窓会で再開してしまったスカーレットはまたもやさんざん彼氏ができなかったことをいじられてしまう。
だけど、他の生徒は知らないのだ。
スカーレットが次期国王のネイビー皇太子からの寵愛を受けており、とんでもなく溺愛されているという事実に。
真実に気づいて今更謝ってきてももう遅い。スカーレットは美しい王子様と一緒に幸せな人生を送ります。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる