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私を虐め抜き婚約者を奪おうとした悪女の姉は、ついにその身を滅ぼす事となりました─。
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「彼と婚約…?地味顔のあなたが!?」
私と彼の婚約を、姉はそう驚いて見せた。
「あの人は…外見で人を選びませんよ。」
「…じゃあ、お金でも渡して婚約者になって貰ったの?」
「彼は名家のご子息…お金など欲しがりません。」
そう答える私を、姉はキッと睨み…そして部屋を後にした─。
無理もないわ…。
だって私が婚約したお相手は、姉の好きな人だったんですもの。
でもこうなったのは、お姉様…あなたのある行いがきっかけなのよ─?
※※※
するとその日から、姉による壮絶な虐めが始まった。
食事に虫を入れられたり、わざと服を汚されたり、ベッドにゴミを撒かれたり…そしてついには、階段から突き落とされそうに─。
お姉様…相変わらずね。
そんな虐めをしていたから、学園を追放されたんじゃない─。
姉は少し前に、虐めが原因で通っていた学園を追放になり、家へ戻って来たばかりだ。
そして、そうなって反省してるかと思いきや…虐めをしていた娘への恨み言を呟く毎日だった。
だけどその矛先は、今は私に向いてる。
まぁ、その方がまだマシかしら…。
私はかつて、逆恨みした姉がそのご令嬢に理不尽な復讐をしやしないかと心配になり…謝罪も兼ね、彼女の元を訪ねたのだ─。
そしてそこで、婚約者となった彼と出会ったのだ。
彼は、加害者の妹の私を一方的に責める事なく、冷静に話を聞いてくれた。
そして、私の謝罪を受け入れると…君のような優しい子は、姉が帰って来た事で虐められやしないかと、私を気に掛けるように─。
姉の意地の悪さにはもう慣れていると答えた私を、彼はとても心配して下さり…そして、私の事を守りたいと言って下さったのだ。
そんな彼の優しさに心惹かれ…私たちは、自然とそういう仲になったのだ。
でも…いくら何でも、階段から突き落されたのは流石に驚いたわ。
あれは虐めと言うより、もはや殺人未遂よ─!
※※※
昨日は妹の事、うっかり殺しかけちゃった。
でも…あの子が死んだら、彼の婚約者の席が空く。
そしたらお父様にお願いし、私が彼の婚約者になれるよう働きかけて貰おう─。
そう思案していると…部屋のドアが開き、妹が入って来た。
何やら大事な話があると言うけど…私に恐れをなし、彼を譲る気になったとか?
昨日死にかけたのが、かなりこたえたみたいね!
妹の部屋に入ると…そこには、何故かあの彼が居た。
そして驚く私に、妹はこう言った─。
「私、この家を出て彼の家に住みます。このままここに居たら…あなたに虐め殺されてしまうから。」
「ひ、人聞きの悪い事言わないで!誤解です…私、そんな意地悪な女じゃ─」
私は慌てて彼に対し、否定して見せた。
「お前が悪女だという事は、もう分かってる。学園で…俺の妹を散々虐めたじゃないか。」
「妹…?あの子、あなたとは身分も名前も─」
「あの子は身寄りが無い子だが、優秀な頭脳を持っているから父が養子に迎えたんだ。今は俺の家で、妹として暮らして居る。それで…学園で君にされた事を色々と聞いたんだ。」
「何ですって!?」
「そして…お姉様が私を虐めれば虐める程、彼は私を心配し手元に置きたいと思うようになった。その一方で、あなたは益々嫌われるばかりでした。」
「俺は、虐めをする悪女など大嫌いだ!反省も出来ないような、愚か者もな。」
「な、何よ…!その子は、虐めをした女の妹よ?私をそこまで貶しておいて、よくその子を好きになれたわね!?」
「それなんですが…あなたは、私の姉ではなかったんです。昔、この家の前に置き去りにされていた赤子が居て…それを憐れんだ父が拾い、娘にしたそうです。それが、お姉様だと伺いました。ですから…私とあなたは赤の他人。虐めなどする悪女の血は、私には流れてません。」
「お前は妹の身分を馬鹿にしたが…よくそんな恥ずかしい事が出来たな。」
「そんな…私が、拾われた娘…。」
「父は、もうあなたを許さないそうです。今後一切、この家の娘を名乗るな…すぐにここから出て行くよう仰っていましたよ?」
「俺と彼女が幸せになる為に、お前は邪魔だ…さっさと早く消えてくれ─。」
※※※
彼の言葉に、姉ははその場に崩れ落ち泣いていたが…使用人たちに連れて行かれ、屋敷の外に放り出された。
そして、二度とこの家に近づくな…それを破ればすぐ憲兵に突き出すと言われた彼女は、もうどうする事もできず…絶望の表情を浮かべ去って行った。
その後聞いた話では、彼女はある田舎町で行き倒れになり…汚い余所者は出て行けと、町の人たちに追い回され虐められ、その後は行方不明らしい。
虐めをしていた女が虐められる側になるなんて…とうとう彼女に、罰が当たったのね─。
私と彼の婚約を、姉はそう驚いて見せた。
「あの人は…外見で人を選びませんよ。」
「…じゃあ、お金でも渡して婚約者になって貰ったの?」
「彼は名家のご子息…お金など欲しがりません。」
そう答える私を、姉はキッと睨み…そして部屋を後にした─。
無理もないわ…。
だって私が婚約したお相手は、姉の好きな人だったんですもの。
でもこうなったのは、お姉様…あなたのある行いがきっかけなのよ─?
※※※
するとその日から、姉による壮絶な虐めが始まった。
食事に虫を入れられたり、わざと服を汚されたり、ベッドにゴミを撒かれたり…そしてついには、階段から突き落とされそうに─。
お姉様…相変わらずね。
そんな虐めをしていたから、学園を追放されたんじゃない─。
姉は少し前に、虐めが原因で通っていた学園を追放になり、家へ戻って来たばかりだ。
そして、そうなって反省してるかと思いきや…虐めをしていた娘への恨み言を呟く毎日だった。
だけどその矛先は、今は私に向いてる。
まぁ、その方がまだマシかしら…。
私はかつて、逆恨みした姉がそのご令嬢に理不尽な復讐をしやしないかと心配になり…謝罪も兼ね、彼女の元を訪ねたのだ─。
そしてそこで、婚約者となった彼と出会ったのだ。
彼は、加害者の妹の私を一方的に責める事なく、冷静に話を聞いてくれた。
そして、私の謝罪を受け入れると…君のような優しい子は、姉が帰って来た事で虐められやしないかと、私を気に掛けるように─。
姉の意地の悪さにはもう慣れていると答えた私を、彼はとても心配して下さり…そして、私の事を守りたいと言って下さったのだ。
そんな彼の優しさに心惹かれ…私たちは、自然とそういう仲になったのだ。
でも…いくら何でも、階段から突き落されたのは流石に驚いたわ。
あれは虐めと言うより、もはや殺人未遂よ─!
※※※
昨日は妹の事、うっかり殺しかけちゃった。
でも…あの子が死んだら、彼の婚約者の席が空く。
そしたらお父様にお願いし、私が彼の婚約者になれるよう働きかけて貰おう─。
そう思案していると…部屋のドアが開き、妹が入って来た。
何やら大事な話があると言うけど…私に恐れをなし、彼を譲る気になったとか?
昨日死にかけたのが、かなりこたえたみたいね!
妹の部屋に入ると…そこには、何故かあの彼が居た。
そして驚く私に、妹はこう言った─。
「私、この家を出て彼の家に住みます。このままここに居たら…あなたに虐め殺されてしまうから。」
「ひ、人聞きの悪い事言わないで!誤解です…私、そんな意地悪な女じゃ─」
私は慌てて彼に対し、否定して見せた。
「お前が悪女だという事は、もう分かってる。学園で…俺の妹を散々虐めたじゃないか。」
「妹…?あの子、あなたとは身分も名前も─」
「あの子は身寄りが無い子だが、優秀な頭脳を持っているから父が養子に迎えたんだ。今は俺の家で、妹として暮らして居る。それで…学園で君にされた事を色々と聞いたんだ。」
「何ですって!?」
「そして…お姉様が私を虐めれば虐める程、彼は私を心配し手元に置きたいと思うようになった。その一方で、あなたは益々嫌われるばかりでした。」
「俺は、虐めをする悪女など大嫌いだ!反省も出来ないような、愚か者もな。」
「な、何よ…!その子は、虐めをした女の妹よ?私をそこまで貶しておいて、よくその子を好きになれたわね!?」
「それなんですが…あなたは、私の姉ではなかったんです。昔、この家の前に置き去りにされていた赤子が居て…それを憐れんだ父が拾い、娘にしたそうです。それが、お姉様だと伺いました。ですから…私とあなたは赤の他人。虐めなどする悪女の血は、私には流れてません。」
「お前は妹の身分を馬鹿にしたが…よくそんな恥ずかしい事が出来たな。」
「そんな…私が、拾われた娘…。」
「父は、もうあなたを許さないそうです。今後一切、この家の娘を名乗るな…すぐにここから出て行くよう仰っていましたよ?」
「俺と彼女が幸せになる為に、お前は邪魔だ…さっさと早く消えてくれ─。」
※※※
彼の言葉に、姉ははその場に崩れ落ち泣いていたが…使用人たちに連れて行かれ、屋敷の外に放り出された。
そして、二度とこの家に近づくな…それを破ればすぐ憲兵に突き出すと言われた彼女は、もうどうする事もできず…絶望の表情を浮かべ去って行った。
その後聞いた話では、彼女はある田舎町で行き倒れになり…汚い余所者は出て行けと、町の人たちに追い回され虐められ、その後は行方不明らしい。
虐めをしていた女が虐められる側になるなんて…とうとう彼女に、罰が当たったのね─。
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