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川渡り
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Lさんの地元には、とある川が流れていました。
その川には昔から「川姫様」という川の神様が住んでいる、という伝説がありました。
なので、その川にゴミを捨てると川姫様の怒りに触れる、河原の石は川姫様の所有物なので持って帰ってはいけな い、と言われていました。
そしてもう一つ、こんな話がありました。
季節の変わり目になると水面に川姫様が現れ、こちらの岸からあちらの岸に歩いて渡るというものです。
れを地元では「川渡り」と呼んでいました。
ある日、Lさんが犬の散歩でその川のほとりを歩いていた時です。
楽しそうに散歩をしていた犬の足が、ピタリと止まりました。
Lさんが不思議に思って犬を見ると、犬は川の方をじっと見ていました。
鳥か魚でも気になるのだろうと思い、Lさんは川の様子を伺いました。
そこで、不思議なモノを見たのです。
川の水面に、燃えるような赤い着物を着た女の人が立っていました。
その女の人は、こちらの岸から川の真ん中へと水面を渡っていきます。
女の人が通った後には、波紋が次々と広がりました。
そして女の人が、川の真ん中あたりに差し掛かった時です。
着物の色が、燃えるような赤から自に変化していったのです。
そしてそのまま川の向こう岸まで渡り切ったと思うと、フッと姿が消えてしまったそうです。
家に帰ったLさんは、お婆さんに先ほど見た女の人のことを話しました。
「それが、川姫様の川渡りだよ。着物の色の変化は、季節の変わり目を表しているんだ。もう秋が終わり、冬がやってくるということだね。」
縁起のいいものが見れたねぇ、とお婆さんはLさんに笑いかけました。
その川には昔から「川姫様」という川の神様が住んでいる、という伝説がありました。
なので、その川にゴミを捨てると川姫様の怒りに触れる、河原の石は川姫様の所有物なので持って帰ってはいけな い、と言われていました。
そしてもう一つ、こんな話がありました。
季節の変わり目になると水面に川姫様が現れ、こちらの岸からあちらの岸に歩いて渡るというものです。
れを地元では「川渡り」と呼んでいました。
ある日、Lさんが犬の散歩でその川のほとりを歩いていた時です。
楽しそうに散歩をしていた犬の足が、ピタリと止まりました。
Lさんが不思議に思って犬を見ると、犬は川の方をじっと見ていました。
鳥か魚でも気になるのだろうと思い、Lさんは川の様子を伺いました。
そこで、不思議なモノを見たのです。
川の水面に、燃えるような赤い着物を着た女の人が立っていました。
その女の人は、こちらの岸から川の真ん中へと水面を渡っていきます。
女の人が通った後には、波紋が次々と広がりました。
そして女の人が、川の真ん中あたりに差し掛かった時です。
着物の色が、燃えるような赤から自に変化していったのです。
そしてそのまま川の向こう岸まで渡り切ったと思うと、フッと姿が消えてしまったそうです。
家に帰ったLさんは、お婆さんに先ほど見た女の人のことを話しました。
「それが、川姫様の川渡りだよ。着物の色の変化は、季節の変わり目を表しているんだ。もう秋が終わり、冬がやってくるということだね。」
縁起のいいものが見れたねぇ、とお婆さんはLさんに笑いかけました。
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