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智也と潤と明日香の日常
智也と潤と明日香の日常2
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「そういえば二人とも、サークルはどうする?」
学食で昼食を食べながら潤が話始める。
「んー。どうしようかなー。
私は授業が一緒になった人達からバドミントンとかボランティアとか軽音のサークルは誘われてるんだけど…
なかなかどれも断れなくってね。えへへ。」
「ボランティアは置いといて、明日香がバドミントンと軽音?出来るのか?」
「もー!智也くんひどーい!
こう見えても運動だって音楽だって出来るんだからね!
それよりも潤くんと智也くんはどうするの?」
「俺はバスケだな!中学からずっとやってたんだけど、そのままやりたいなって!」
「あー!確かに潤くんバスケやってそう!似合うね!」
「おう!一生続けたいくらい好きだぜ!智也はどうするんだ?」
「俺は小説サークルっていうのに入ろうかなって思ってる。」
「小説?あー!智也に似合うな!」
「そうだね!智也くんってどことなく文学青年って雰囲気醸し出してるもんね!
文芸サークルじゃなくて小説サークルなんだ?」
「まだメンバー募集の張り紙を見ただけなんだけど、それによると小説を書くことに特化してるみたいなんだ。コンクールに提出したりしてて結構本格的みたいなんだ。」
「智也くん小説書いたりもするの?」
「あ、いや、書くと言っても本当に遊びというか自己満足というか…。」
「いいじゃん!夢中になれることがあるって良いことだぞ智也!今度読ませてくれよ!」
「潤、お前絶対茶化す気だろ。」
「ずるい!私も読んでみたい!」
「ちょっと待って!見せるなんて言ってないから!」
「ちぇっ。別に茶化さないし、気になるじゃんか。」
「いつか有名になったらな。」
「あ!それじゃあ未来の有名作家の智也くん!
これに…サインをお願い!」
明日香はバックから手帳とペンを差し出してきた。
それを俺はつい受け取ってしまう。
「サインって言っても書いたことないし、どう書けばいいか…。」
「それなら未来の大物バスケ選手の俺が書いてやるよ!」
潤が少し強引気味に俺から手帳とペンを取り上げると、「こうか?」とか言いながら適当に開いたページの左側にサインを書いて見せる。
「ははは!潤、お前センスあるな!」
潤の書いたサインはフルネームを漢字で、わざと汚くぐちゃぐちゃに書いたようなものだった。
「うるせー!初めてなんだよ!」
「あはは!はい、それじゃあ次は智也くんの番だよ!」
俺たちのやり取りが面白かったのか、明日香は笑いながら潤の前に置かれた手帳とペンを俺の前へと移動させる。
笑いながらも真っすぐ俺の目を見ながら。
「俺だってサインなんて書いたことなんてないんだけどな。」
俺は潤のサインが書かれた右のページに、潤のサインの書き方を真似てフルネームを漢字で、出来る限りぐちゃぐちゃに書いてみた。
この後、二人にはめちゃくちゃ笑われた。
出会って2週間程とは思えないほどに、俺たちは打ち解け、それが日常になった。
あの受験の時、人生最大のうっかりミスに自分を責めたこともあったけど、もしあの時に戻れるなら、俺はまた同じ間違いをすると思う。
俺はこの日常が大好きだった。
学食で昼食を食べながら潤が話始める。
「んー。どうしようかなー。
私は授業が一緒になった人達からバドミントンとかボランティアとか軽音のサークルは誘われてるんだけど…
なかなかどれも断れなくってね。えへへ。」
「ボランティアは置いといて、明日香がバドミントンと軽音?出来るのか?」
「もー!智也くんひどーい!
こう見えても運動だって音楽だって出来るんだからね!
それよりも潤くんと智也くんはどうするの?」
「俺はバスケだな!中学からずっとやってたんだけど、そのままやりたいなって!」
「あー!確かに潤くんバスケやってそう!似合うね!」
「おう!一生続けたいくらい好きだぜ!智也はどうするんだ?」
「俺は小説サークルっていうのに入ろうかなって思ってる。」
「小説?あー!智也に似合うな!」
「そうだね!智也くんってどことなく文学青年って雰囲気醸し出してるもんね!
文芸サークルじゃなくて小説サークルなんだ?」
「まだメンバー募集の張り紙を見ただけなんだけど、それによると小説を書くことに特化してるみたいなんだ。コンクールに提出したりしてて結構本格的みたいなんだ。」
「智也くん小説書いたりもするの?」
「あ、いや、書くと言っても本当に遊びというか自己満足というか…。」
「いいじゃん!夢中になれることがあるって良いことだぞ智也!今度読ませてくれよ!」
「潤、お前絶対茶化す気だろ。」
「ずるい!私も読んでみたい!」
「ちょっと待って!見せるなんて言ってないから!」
「ちぇっ。別に茶化さないし、気になるじゃんか。」
「いつか有名になったらな。」
「あ!それじゃあ未来の有名作家の智也くん!
これに…サインをお願い!」
明日香はバックから手帳とペンを差し出してきた。
それを俺はつい受け取ってしまう。
「サインって言っても書いたことないし、どう書けばいいか…。」
「それなら未来の大物バスケ選手の俺が書いてやるよ!」
潤が少し強引気味に俺から手帳とペンを取り上げると、「こうか?」とか言いながら適当に開いたページの左側にサインを書いて見せる。
「ははは!潤、お前センスあるな!」
潤の書いたサインはフルネームを漢字で、わざと汚くぐちゃぐちゃに書いたようなものだった。
「うるせー!初めてなんだよ!」
「あはは!はい、それじゃあ次は智也くんの番だよ!」
俺たちのやり取りが面白かったのか、明日香は笑いながら潤の前に置かれた手帳とペンを俺の前へと移動させる。
笑いながらも真っすぐ俺の目を見ながら。
「俺だってサインなんて書いたことなんてないんだけどな。」
俺は潤のサインが書かれた右のページに、潤のサインの書き方を真似てフルネームを漢字で、出来る限りぐちゃぐちゃに書いてみた。
この後、二人にはめちゃくちゃ笑われた。
出会って2週間程とは思えないほどに、俺たちは打ち解け、それが日常になった。
あの受験の時、人生最大のうっかりミスに自分を責めたこともあったけど、もしあの時に戻れるなら、俺はまた同じ間違いをすると思う。
俺はこの日常が大好きだった。
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