副会長様の秘め事

来る転校生

２

「ふぁびえッ…！な、なぜバレたし！！」

いや……おもいっきり頭見えてましたから。

「どうしてそんなところに隠れているんですか。もう始業時刻は過ぎていますよ。」

「いや…、たまたま教室に行こうと思ったら、たまたま副会長様が門の前にいるのが見えて「覗き見に来たと？」違います嘘ですごめんなさい。」

「三嶋君、見え透いた嘘をつくのはやめましょうね。」

「うぐっ……、腹黒美人の暗黒微笑いただきましたごちそうさまですッ！！」

そう叫びながら草むらからひょこりと顔を出した三嶋君は、黒髪短髪の、この学園では珍しい普通の生徒だ。

「……って、そういえば俺の名前…！確かに副会長様と俺は同学年だけど、クラス違いますよね……？
どうして知ってるんすか？！」

「この学園の生徒の顔と名前はすべて把握済みです。

特に君は生徒会や他一般生徒を見ては鼻血を出したり奇声を上げたりする、変態だとか。」

「すっげぇ不名誉な認知のされ方。」

「事実でしょう？」

「ぐっ、な、何も言い返せない……！」

とにかく、早く教室に戻りなさい、と言いかけたその時。

自分の周りに影が差し、何事かと思って顔を上げた。


「お前！！避けろおおおおおおおおおお！！」


「……え」