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15.冥冥
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「遅い」
…レオンさんが僕に会わせたいと言った人物は、どうやらまだ来ないらしい。
待ち合わせ場所らしい喫茶店に入ってから、すでにもう20分以上経過している。
一向に来る気配のない相手にレオンさんは軽く顔をしかめ、耳元に着けているピアス型の通信魔具を起動しては通話を仕掛けるが、一向に繋がらない。
この動作を何度も繰り返している。
…日も暮れてきて、外が少し薄暗くなった頃。
喫茶店に来る客は少しずつ減っていき、気付いたときには僕ら以外のお客さんがみんないなくなっていた。
はぁー、とレオンさんの深い溜息がこぼれたところで、勢いよく喫茶店のドアが開いた。
「やあ!!待たせたね!!」
「…待たせすぎだ」
カツカツと靴音を鳴らしながらこちらへ寄って来る男性の顔は、フードを被っていてよく見えない。
「いやあ、仕事を終わらせるのに少し時間がかかっちゃってさー。クレウスにも手伝ってもらってたのに。」
男性はそう言って黒いフードを被って後ろにいた男性を指差すと、そのまま自分のフードを脱ぎ、素顔を見せた。
「久しぶり、レオン!!
で、君がアルフレイド君だね。うん。やっぱり同族なだけあってとっても綺麗な顔してる!」
純白の髪を肩を撫でる形で一つにまとめ、翡翠色の瞳をした男性は、こちらの顔を息がかかるほど近い距離で覗いてくる。
目の前に広がるあまりの美しい顔に、思わず目を奪われてしまった。
自分と同じ特徴的な耳の形は、彼がエルフである証拠。
「あの、…失礼ですが、あなたは…?」
「あ!ごめんごめん、自己紹介がまだだったね。
僕の名前は―――て、あんまり大きい声で言うとまた面倒くさくなりそうだから、小声でね。
…僕の名前は『ブライト・カヴァルツ』。カヴァルツ王国の第三王子さ。」
…レオンさんが僕に会わせたいと言った人物は、どうやらまだ来ないらしい。
待ち合わせ場所らしい喫茶店に入ってから、すでにもう20分以上経過している。
一向に来る気配のない相手にレオンさんは軽く顔をしかめ、耳元に着けているピアス型の通信魔具を起動しては通話を仕掛けるが、一向に繋がらない。
この動作を何度も繰り返している。
…日も暮れてきて、外が少し薄暗くなった頃。
喫茶店に来る客は少しずつ減っていき、気付いたときには僕ら以外のお客さんがみんないなくなっていた。
はぁー、とレオンさんの深い溜息がこぼれたところで、勢いよく喫茶店のドアが開いた。
「やあ!!待たせたね!!」
「…待たせすぎだ」
カツカツと靴音を鳴らしながらこちらへ寄って来る男性の顔は、フードを被っていてよく見えない。
「いやあ、仕事を終わらせるのに少し時間がかかっちゃってさー。クレウスにも手伝ってもらってたのに。」
男性はそう言って黒いフードを被って後ろにいた男性を指差すと、そのまま自分のフードを脱ぎ、素顔を見せた。
「久しぶり、レオン!!
で、君がアルフレイド君だね。うん。やっぱり同族なだけあってとっても綺麗な顔してる!」
純白の髪を肩を撫でる形で一つにまとめ、翡翠色の瞳をした男性は、こちらの顔を息がかかるほど近い距離で覗いてくる。
目の前に広がるあまりの美しい顔に、思わず目を奪われてしまった。
自分と同じ特徴的な耳の形は、彼がエルフである証拠。
「あの、…失礼ですが、あなたは…?」
「あ!ごめんごめん、自己紹介がまだだったね。
僕の名前は―――て、あんまり大きい声で言うとまた面倒くさくなりそうだから、小声でね。
…僕の名前は『ブライト・カヴァルツ』。カヴァルツ王国の第三王子さ。」
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