異世界でエルフに転生したら狙われている件

1.転生

2

「アルフレイド、どこか痛いところはあるかい？わしも出来る限りのことはしたのじゃが…。と、その前に自己紹介からかの。わしの名前はルドルフ。この小屋の主じゃよ。」

そう言って、ルドルフさんはベッドに横たわったままの僕の頭を優しく撫でた。

「精霊たちから話は聞いておる。大変じゃったのぉ。」

「ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。体調が回復したら、すぐにでも出て――？！〈〈〈〈アル(アルフ)ーー！！〉〉〉〉」

突然、ルドルフさんと僕の間に数匹の精霊たちが集まってきた。

その中のほとんどが泣いていて、僕は心配をかけてしまったのだなと、申し訳ない気持ちになった。

「ふぉふぉふぉ。皆其方のことが心配だったのじゃなぁ。アルフレイド、………わしの役目は、其方を守ることなのじゃ。だから、たとえ体調が回復しても、ぬしが一人で生きていけるようになるまでは、共に居る。それがわしの…、其方の母に託された、役目じゃ。」

ルドルフさんは緑色の綺麗な瞳を微かに潤ませながら、僕の手を両手で握った。

アルフレイド僕の母親は、美しくて優しい本当に綺麗な人だった。


母の愛が、ルドルフさんに握られた手の体温から伝わってくるような気がして、気付いたら涙が溢れていた。

僕の瞳から溢れた雫を、精霊たちの小さな手が掬って、アルの涙は綺麗だ、とか泣かないで、とかたくさん言葉をかけてくれる。

それが嬉しくて、僕は泣きながらありがとう、と笑顔を浮かべた。