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蛇足の後日談〜パン屋さん〜

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「お前、今日具合悪いか? 顔色悪いぞ」
「お、王子様がまさかうちの店にくるとは思わなくて」
「王子様、って……さっきの客、王子殿下か⁉︎ な、なんでわかった……? 知り合い……? なんで教えてくれなかったんだよ。俺、無礼打ちにならないかな……」
「い、いいえ。お立ち振る舞いとお顔立ちから王子様みたいなお貴族様だと思って緊張しただけよ」
「なんだ、そうか。そりゃ、王子殿下みたいな雲の上のお方が、ウチの店に来るわけないよな! はぁ、びびって損した……」

……後日。

「お、王宮にお呼び出しって俺たち何したっけ……」

「面をあげよ」
「ぎゃあ! あの時の……本当に王子様だったのか……やっぱり無礼打ち?」
「も、申し訳ございません! この人は何も知らなくて……」
「……ラスクありがとう。パンも美味であった。それで相談があって呼んだだけなのだが……」
「へ? そ、相談?」
「王都に出店しないか?」

 ヒロインは運命かと思ってびびったけど、前世の味が懐かしくてもっと気軽に食べたいだけの王子様なのでした、もぐ~。
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