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第十七話
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「ありがとう! 今度オレの店に来てねー」
手当てをした看護婦に、白鴉は手をひらひら振っていた。袖がちゃりんちゃりん鳴っている。こいつの袖の中にはいったいどれだけ仕込まれているんだ。
それにしても、さっきの看護婦は醜女だった。あんなのに連絡先を貰っても俺なら破り捨ててやるところだ。仕事中にそんなことをするのも許さん。それなのに、白鴉は店の場所を教えていた。あんな醜女が好みなのか? 顔なんて柘榴が爆ぜたような吹き出物ばかりだったし、固そうな二重顎だった。全体的に丸みを帯びたフォルムはどう見ても豚と同じだ。乳はデカかったが、脂肪だからだな。デブの巨乳など価値が無い。腹も三段になっているだろうな。制服がパツパツでボタンが弾け飛びそうなくらいだった。行動力の高さだけ認めてやろう。
「おい白鴉、あんな女が好きなのか?」
「オレね、ああいうタイプ、けっこう好きなんだ」
やはり考えがわからないな。見た目が醜悪な女を好きなど、理解できん。やはり女は美しく、何も言わずに男に従うやつが良い。喧しいのは気に食わん。
「ハッ、デブスが好きとはな」
「見た目はどうでも良いかな。オレ、あの子の肝臓に興味あるんだ。脂肪肝だったら良いなぁ。珍味になるよ」
ごくりっ、と生唾を飲む音がした。
こいつ、食料として見ていたのか……? 確かに豚にそっくりだったからな。
「豚のような女だからな」
「何言ってるの洋老大哥! 豚はね、ああ見えて、脂肪が少ないんだよ。さっきの子とは全然違うよ。豚に失礼だよ」
「キミの発言はさっきの女に失礼な気もするがな」
「そうかなぁ……。お互い様じゃない? で、雨涵は?」
「ああ、三階の奥の病室にいるそうだ」
エレベーターに乗り三階へ向かう。廊下は当然のように静か、だと思ったが、鴉の鳴き声が聞こえてきた。
「おい、この鳴き方はなんだ?」
「ああ、これはね、仲間の居場所を報せる声だよ」
白鴉は笑いながらそう返す。足取りが軽い。脚の長さが全然違うので俺は少し遅れていく。背が少し高いからってなめるなよ! 小走りで追いかけ、病室に入る。
銀髪の幼女が窓際にいた。窓のすぐ近くには鴉が数羽来ている。不気味だな。縁起が悪すぎる。
「雨涵!」
「……、に、……に……!」
幼女がぽてぽて歩いてくる。足が悪いのか? 少し引きずっているように見えた。白鴉は幼女を抱き上げる。この子が、雨涵で間違いないようだな。可愛らしい顔をした女の子だ。奴隷として売られたら、高値で取引されたか。いや、足が悪く、声も出にくいようなら、難しいか。
「哥哥! 哥哥!」
「うん、うん。哥哥だよ。ごめんね、怖い思いしたよね」
と、感動のご対面の邪魔をするのも野暮だろうか。俺はきちんと空気が読めるからな、外で手続きをしておいてやろう。医療費の支払いも立て替えておいてやるか。……後で頼む仕事の依頼料は要らないと言うだろうしな。
子を孕んだ愛人を処分して欲しいというのもおかしい話だ。弊社の毒薬は見つかりやすいからって……キチガイとしか思えない。外道だ、外道。提案した俺も大概狂っているが、化け物を飼い慣らすための餌は、多ければ多いほど良い。
退院の手続きを済ませ、病室に戻る。部屋には鴉が大量に入ってきていた。窓を開いたからって、こんなに入るものか? 一番大きな鴉が俺に向かって「グワァッ!」と鳴いた。
「お、おい、今のは?」
「この子、静って名前なんだ」
「今鳴いた意味は何だと聞いてるんだ!」
「へ? 自己紹介だよ。よろしくってね」
「そ、そうか。それなら良かった」
「哈哈哈、食べられるとでも思った? 大丈夫だよ。今のところ、オレも静静もあんたを食べるつもりはないよ」
「今のところ、だろ?」
「そう怯えないで欲しいな。オレね、けっこう傷つきやすいんだから」
と言いつつ袖が振られる。シュッ、と頬を冷たい感触が掠っていった。振り向く。ドアに針が刺さっていた。ゆらり、影が揺れる。俺は後ずさる。背がドアについた。
「老大哥、オレはね、腹が空いた時しか食べたくないんだ」
「それは誰でもだろう」
「うん、だからねーー」
空腹の時は近寄らないでね。
耳元で囁かれて、背中を悪寒が滑り落ちた。脳髄を痺れさせるほどに低く艶のある声だったが、感情を一切感じられない冷たい声だった。
「洋洋!」
「は?」
足元で幼女の声がした。今、こいつ、私を洋洋と呼んだか?
「えらいね雨涵。もう洋老大哥の名前を覚えたんだね」
白鴉は嬉しそうに間延びした声をあげる。雰囲気が変わる。こいつ、どこまでが演技なんだ? どちらが本当のこいつだ? わからん。
雨涵は私の手を引っ張ってくる。こっちも何だ? 何がしたいんだ? 屈めってことか? この私に屈めと? 幼女と張り合うつもりはないので屈む。
「何か言いたいのか?」
「洋洋、谢谢啦」
「うぉっ! 大きな声を出すな!」
「ぁ……ぅ……め……、……い」
「ごめんなさいって。雨涵はね、出しやすい音と出しにくい音があって、声量が調整できないんだ。許してあげてね」
雨涵の頭を撫でながら白鴉は言う。
ったく、さっぱりわからないやつらだ。病室いっぱいに鴉がいて縁起が悪過ぎるし、長居は不要だろう。
「支度ができたなら、帰るぞ。おい白鴉、キミはここまで何で来た? 車か? バイクか?」
「電車で徒歩だよ」
「なら、店まで送ってやる」
「ほんと? 老大哥優しいね! 好き!」
「そんなことで好きになるな。店のほうが依頼の説明もしやすいだろう。それと、この子の足が悪いなら歩くより車のほうが良い」
「洋洋、谢谢啦」
「急に大きな声を出すな!」
「嘻嘻っ。雨涵も老大哥のこと気に入ったみたい。それなら老大哥、夕飯をうちで食べていきなよ。お代は取らないからさ。何か食べたいものある?」
「及第粥は作れるか?」
「もちろん。オレ、なんでも作れるからさ。老大哥、及第粥好きなの?」
「ああ、思い出の味ってところだ」
「そっか。じゃあ、とびきりおいしーの作ってあげるね」
白鴉は、ドアに突き刺さった針を引き抜いて袖に片していた。ちゃりんちゃりん、小さく金属の音が鳴る。
窓から鴉が続々と飛び去っていく。口には雨涵の荷物を咥えているようだった。白鴉は雨涵を抱き上げる。足が悪いならこのほうが速いとは思うが、歩行練習も必要だと思うぞ。歩行補助具でも調べておいてやるか。
駐車場から車を正面玄関につけてやった。後ろに二人が乗り込む。白鴉を背後に置くのは少し怖いが、食べるつもりはないと言っていたばかりだから、きっと大丈夫だと信じてやろう。
黄昏の近づく街を車で駆け抜け、路地裏の料理店についたのは、日がすっかり落ちた頃だった。
手当てをした看護婦に、白鴉は手をひらひら振っていた。袖がちゃりんちゃりん鳴っている。こいつの袖の中にはいったいどれだけ仕込まれているんだ。
それにしても、さっきの看護婦は醜女だった。あんなのに連絡先を貰っても俺なら破り捨ててやるところだ。仕事中にそんなことをするのも許さん。それなのに、白鴉は店の場所を教えていた。あんな醜女が好みなのか? 顔なんて柘榴が爆ぜたような吹き出物ばかりだったし、固そうな二重顎だった。全体的に丸みを帯びたフォルムはどう見ても豚と同じだ。乳はデカかったが、脂肪だからだな。デブの巨乳など価値が無い。腹も三段になっているだろうな。制服がパツパツでボタンが弾け飛びそうなくらいだった。行動力の高さだけ認めてやろう。
「おい白鴉、あんな女が好きなのか?」
「オレね、ああいうタイプ、けっこう好きなんだ」
やはり考えがわからないな。見た目が醜悪な女を好きなど、理解できん。やはり女は美しく、何も言わずに男に従うやつが良い。喧しいのは気に食わん。
「ハッ、デブスが好きとはな」
「見た目はどうでも良いかな。オレ、あの子の肝臓に興味あるんだ。脂肪肝だったら良いなぁ。珍味になるよ」
ごくりっ、と生唾を飲む音がした。
こいつ、食料として見ていたのか……? 確かに豚にそっくりだったからな。
「豚のような女だからな」
「何言ってるの洋老大哥! 豚はね、ああ見えて、脂肪が少ないんだよ。さっきの子とは全然違うよ。豚に失礼だよ」
「キミの発言はさっきの女に失礼な気もするがな」
「そうかなぁ……。お互い様じゃない? で、雨涵は?」
「ああ、三階の奥の病室にいるそうだ」
エレベーターに乗り三階へ向かう。廊下は当然のように静か、だと思ったが、鴉の鳴き声が聞こえてきた。
「おい、この鳴き方はなんだ?」
「ああ、これはね、仲間の居場所を報せる声だよ」
白鴉は笑いながらそう返す。足取りが軽い。脚の長さが全然違うので俺は少し遅れていく。背が少し高いからってなめるなよ! 小走りで追いかけ、病室に入る。
銀髪の幼女が窓際にいた。窓のすぐ近くには鴉が数羽来ている。不気味だな。縁起が悪すぎる。
「雨涵!」
「……、に、……に……!」
幼女がぽてぽて歩いてくる。足が悪いのか? 少し引きずっているように見えた。白鴉は幼女を抱き上げる。この子が、雨涵で間違いないようだな。可愛らしい顔をした女の子だ。奴隷として売られたら、高値で取引されたか。いや、足が悪く、声も出にくいようなら、難しいか。
「哥哥! 哥哥!」
「うん、うん。哥哥だよ。ごめんね、怖い思いしたよね」
と、感動のご対面の邪魔をするのも野暮だろうか。俺はきちんと空気が読めるからな、外で手続きをしておいてやろう。医療費の支払いも立て替えておいてやるか。……後で頼む仕事の依頼料は要らないと言うだろうしな。
子を孕んだ愛人を処分して欲しいというのもおかしい話だ。弊社の毒薬は見つかりやすいからって……キチガイとしか思えない。外道だ、外道。提案した俺も大概狂っているが、化け物を飼い慣らすための餌は、多ければ多いほど良い。
退院の手続きを済ませ、病室に戻る。部屋には鴉が大量に入ってきていた。窓を開いたからって、こんなに入るものか? 一番大きな鴉が俺に向かって「グワァッ!」と鳴いた。
「お、おい、今のは?」
「この子、静って名前なんだ」
「今鳴いた意味は何だと聞いてるんだ!」
「へ? 自己紹介だよ。よろしくってね」
「そ、そうか。それなら良かった」
「哈哈哈、食べられるとでも思った? 大丈夫だよ。今のところ、オレも静静もあんたを食べるつもりはないよ」
「今のところ、だろ?」
「そう怯えないで欲しいな。オレね、けっこう傷つきやすいんだから」
と言いつつ袖が振られる。シュッ、と頬を冷たい感触が掠っていった。振り向く。ドアに針が刺さっていた。ゆらり、影が揺れる。俺は後ずさる。背がドアについた。
「老大哥、オレはね、腹が空いた時しか食べたくないんだ」
「それは誰でもだろう」
「うん、だからねーー」
空腹の時は近寄らないでね。
耳元で囁かれて、背中を悪寒が滑り落ちた。脳髄を痺れさせるほどに低く艶のある声だったが、感情を一切感じられない冷たい声だった。
「洋洋!」
「は?」
足元で幼女の声がした。今、こいつ、私を洋洋と呼んだか?
「えらいね雨涵。もう洋老大哥の名前を覚えたんだね」
白鴉は嬉しそうに間延びした声をあげる。雰囲気が変わる。こいつ、どこまでが演技なんだ? どちらが本当のこいつだ? わからん。
雨涵は私の手を引っ張ってくる。こっちも何だ? 何がしたいんだ? 屈めってことか? この私に屈めと? 幼女と張り合うつもりはないので屈む。
「何か言いたいのか?」
「洋洋、谢谢啦」
「うぉっ! 大きな声を出すな!」
「ぁ……ぅ……め……、……い」
「ごめんなさいって。雨涵はね、出しやすい音と出しにくい音があって、声量が調整できないんだ。許してあげてね」
雨涵の頭を撫でながら白鴉は言う。
ったく、さっぱりわからないやつらだ。病室いっぱいに鴉がいて縁起が悪過ぎるし、長居は不要だろう。
「支度ができたなら、帰るぞ。おい白鴉、キミはここまで何で来た? 車か? バイクか?」
「電車で徒歩だよ」
「なら、店まで送ってやる」
「ほんと? 老大哥優しいね! 好き!」
「そんなことで好きになるな。店のほうが依頼の説明もしやすいだろう。それと、この子の足が悪いなら歩くより車のほうが良い」
「洋洋、谢谢啦」
「急に大きな声を出すな!」
「嘻嘻っ。雨涵も老大哥のこと気に入ったみたい。それなら老大哥、夕飯をうちで食べていきなよ。お代は取らないからさ。何か食べたいものある?」
「及第粥は作れるか?」
「もちろん。オレ、なんでも作れるからさ。老大哥、及第粥好きなの?」
「ああ、思い出の味ってところだ」
「そっか。じゃあ、とびきりおいしーの作ってあげるね」
白鴉は、ドアに突き刺さった針を引き抜いて袖に片していた。ちゃりんちゃりん、小さく金属の音が鳴る。
窓から鴉が続々と飛び去っていく。口には雨涵の荷物を咥えているようだった。白鴉は雨涵を抱き上げる。足が悪いならこのほうが速いとは思うが、歩行練習も必要だと思うぞ。歩行補助具でも調べておいてやるか。
駐車場から車を正面玄関につけてやった。後ろに二人が乗り込む。白鴉を背後に置くのは少し怖いが、食べるつもりはないと言っていたばかりだから、きっと大丈夫だと信じてやろう。
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