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~手配師~ 【全十一話】
第八話 極道
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あなたはある程度、次々に仕事の段取りを覚えていきました。一日に一人、症状は外傷から精神的なものまで何でもいいので、提携している病院へと運べばもうその日の仕事は終了してもいいのです。しかし、あなたは熱心に頑張ります。一人でも多くの人を救いたい。その一心で一日に二、三人と運び込むこともありました。
ホームレスなどの生活困窮者たちとの関係性も築かれてきていて、何人も顔見知りにもなり協力してくれる友人も出来ました。
そんな協力者の一人、いつもボランティアで配給担当のおばさんから
「たまに、男の子が一人で炊き出しを取りにくる子がいてるんだけど、大丈夫かしら、あの子・・・よく、片足を引きずってるんだけど。・・・ねぇ、その子、あんたのとこで診てあげられないかなぁ?」
あなたはそんなことを聞くと黙ってはいられませんでした。直ぐにその子がいつも来る配給場所のスケジュールを調べ、その日は開けておくか、近場での仕事にして見かけたらあなたの元へと連絡をくてくれるようにと何人かのボランティアにお願いをしました。
その日は連絡を待つと同時に、単発などの仕事を斡旋してくれる近場のレンタルスペース会場へと足を運びました。単発バイトは肉体労働や危険な仕事が多いため、身体が不自由な方も少なくないのです。
他にも、低価格な家賃で寮として住み込みしている人の中ではアルコールや薬物の中毒患者が多く、実は治したいが一人という環境と誘惑も多いために、止めたくてもやめれない人も多い。
そんな人たちも、救いの手を差し伸べて差し上げれる素晴らしい活動なのです。
会場から、恐らく仕事に有り付ける事が出来なかったのか頭をうな垂れながら出てくるおじさんに声かけました。
その人は以前に現場工事の仕事中、肩を強打し恐らく脱臼と骨折をしたらしい。そのまま安静に放置していても治らず埒が明かなかったので、偶然、別の現場で一緒になった元柔道経験者の人に治してもらった。が、何週間も放置していたからか、関節の戻し方が悪かったのか、後遺症で腕が上がらなくなったそうです。
それが原因というのもあり、日雇いバイトですらも可能な仕事が制限されていて困っているという。
ホームレスのような人たちを説得する場合、みなさん口々に言う一番のネックは治療費と「今の食料」
いつもは今日食べれる食事に困っているなら、入院となれば食事は当然のように朝昼晩と三食出ますし治療費も無料、と言えばみんな喜んで着いて来てくれます。
しかし、その方、名前は・・・・・・
《・・・清水・・・さん?》
そう・・・清水と言う、中年のおじさんはなかなか首を縦には振りませんでした。
清水は元暴力団関係者でした。小さいながらも頭としての組を持たせてもらえるほどの実力者でもあったのですが、敵対組織からか、はたまた本家か直参か、上層組の裏切りかにて濡れ衣を着さされ、組からも警察からも追われる身となりそのため警戒心も強く隠れ潜む必要があったのです。
あなたは親身に、真意に、熱心に清水と会話をしました。何度もなんども、断られても真っ向勝負にあなたの気持ちを伝えました。すると
「・・・若ぇの、分かったよ。しつけぇなぁ。あんたみたいなのは珍しい。しかも若いのに・・・名刺をよこせ。気が向いたら連絡してやるよ」
清水はまだ現役時代の”クセ”が残っているような、絵に書いたような極道でした。恩を着せることが専売特許であり、着せられることは極端に嫌うものです。
とりあえずその場は引き下がりました。なぜならポケットの中の携帯電話が胸元で震えていたのです。
ホームレスなどの生活困窮者たちとの関係性も築かれてきていて、何人も顔見知りにもなり協力してくれる友人も出来ました。
そんな協力者の一人、いつもボランティアで配給担当のおばさんから
「たまに、男の子が一人で炊き出しを取りにくる子がいてるんだけど、大丈夫かしら、あの子・・・よく、片足を引きずってるんだけど。・・・ねぇ、その子、あんたのとこで診てあげられないかなぁ?」
あなたはそんなことを聞くと黙ってはいられませんでした。直ぐにその子がいつも来る配給場所のスケジュールを調べ、その日は開けておくか、近場での仕事にして見かけたらあなたの元へと連絡をくてくれるようにと何人かのボランティアにお願いをしました。
その日は連絡を待つと同時に、単発などの仕事を斡旋してくれる近場のレンタルスペース会場へと足を運びました。単発バイトは肉体労働や危険な仕事が多いため、身体が不自由な方も少なくないのです。
他にも、低価格な家賃で寮として住み込みしている人の中ではアルコールや薬物の中毒患者が多く、実は治したいが一人という環境と誘惑も多いために、止めたくてもやめれない人も多い。
そんな人たちも、救いの手を差し伸べて差し上げれる素晴らしい活動なのです。
会場から、恐らく仕事に有り付ける事が出来なかったのか頭をうな垂れながら出てくるおじさんに声かけました。
その人は以前に現場工事の仕事中、肩を強打し恐らく脱臼と骨折をしたらしい。そのまま安静に放置していても治らず埒が明かなかったので、偶然、別の現場で一緒になった元柔道経験者の人に治してもらった。が、何週間も放置していたからか、関節の戻し方が悪かったのか、後遺症で腕が上がらなくなったそうです。
それが原因というのもあり、日雇いバイトですらも可能な仕事が制限されていて困っているという。
ホームレスのような人たちを説得する場合、みなさん口々に言う一番のネックは治療費と「今の食料」
いつもは今日食べれる食事に困っているなら、入院となれば食事は当然のように朝昼晩と三食出ますし治療費も無料、と言えばみんな喜んで着いて来てくれます。
しかし、その方、名前は・・・・・・
《・・・清水・・・さん?》
そう・・・清水と言う、中年のおじさんはなかなか首を縦には振りませんでした。
清水は元暴力団関係者でした。小さいながらも頭としての組を持たせてもらえるほどの実力者でもあったのですが、敵対組織からか、はたまた本家か直参か、上層組の裏切りかにて濡れ衣を着さされ、組からも警察からも追われる身となりそのため警戒心も強く隠れ潜む必要があったのです。
あなたは親身に、真意に、熱心に清水と会話をしました。何度もなんども、断られても真っ向勝負にあなたの気持ちを伝えました。すると
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清水はまだ現役時代の”クセ”が残っているような、絵に書いたような極道でした。恩を着せることが専売特許であり、着せられることは極端に嫌うものです。
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